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【ゲーム音楽論議】マリオストーリーのピーチ姫の曲が切なくて愛しいという話

2016年6月11日

画像:Youtube 【マリオストーリー】ステージ⑤part1

画像:Youtube 【マリオストーリー】ステージ⑤part1より

 

マリオストーリーっていいよね。いい。

良い。

 

以前、当ブログのゲストライター的な三文享楽なる人物が64ソフトランキングなる記事を書きました。

 

このランキングにもしっかりとマリオストーリーは君臨しています。ちゃっかり1位になってますね。

冒頭に

ペーパーマリオであること自体に別に新鮮さはない。絵の雰囲気も別にプラスとはならない。

引用:名作レトロゲー、N64ソフト三文ベスト10【三文】

などと偉そうに書いてありますが、そんな訳はなく、当然ペーパーマリオであるこの雰囲気もプラスになっているのは明白でございます。なんたる三文享楽、ペーパー文士め。

そんな怒りを込めて、記事タイトルの話に入る前に、ざっとマリオストーリー全体の話をします。

 


マリオストーリーの良さ、面白さ。グラフィックも重要。

さて、グラフィック。絵の雰囲気の話に反論するとしましょう。

まあ、そもそもとして私は3Dのゲームやキャラには温かみを感じないのであまり好きじゃないという好みの部分がありますが、3Dでありながら単なるドット絵以上に温かみを生み出すこのグラフィックは当然のごとく、この絵本的世界観を素晴らしく演出しているのです。

妙にリアルでツルツルテカテカした3Dグラフィックは私はいかにも虚像を与えられているようで馴染めないのです。その通り、半分懐古厨でございます。まあ、へぼいポリゴンは今見ると温かく見えなくもないし、最近の超リアルな3Dはたまに温かくも見えるんですけどね。

 

とにかく。ゲーム性やストーリーに関しては三文享楽くんの言うことに文句はありません。

ストーリー展開、ギャグの散りばめ方、仲間たちのキャラクター性はもちろんのこと、サイドストーリーやミニゲーム要素の豊富さも素晴らしい。そしてそれらが取って付けた感じではなく、それぞれしっかりとゲームの世界にマッチしているところもまたプラス点です。

更には、サイドストーリーが多すぎるとメインストーリーが見えなくなってゲームの本流をつまらなくする…なんてことも往々にしてあるもんですが、マリオストーリーはその辺うまいバランスでやってますね。

 

このように、SFCのマリオRPGのようなグラフィックでも確かに面白くなっていたに違いないゲームではありますが、雰囲気はだいぶ変わっていたことでしょう。そして色々書きましたが、きっと私よりも三文の方がプレイ時間は長いと思います。ミニゲームはそこそこしかやっていないので…

 

大事な大事なアレ

…とまあ、絵本的世界観がストーリーとマッチしていて、より没入感を高めていたマリオストーリーですが、グラフィック以外にも没入感を高めるものがありました。

ゲーム性、ストーリー性はもちろんですが、忘れてはいけません。大事な要素のアレがあるでしょう。

 

それは…

 

音楽です!

 

曲です、BGMです。音楽素材を配布したりしている当ブログからすれば、やっぱり重要な要素です。

 

音楽がゲームを盛り上げる

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優しいお話に優しい世界観、優しいグラフィック…これに音楽がモンハンのような妙にシネマティックでド派手、ババーン、ジャーン! パッパラパパー!! ドゥルルルルルドン! みたいな感じだったらなんだか逆に台無しです。

モンハンのテーマ曲は全然嫌いじゃありませんが、合う場面・合わない場面というのがあるものです。高級料理よりもおにぎりの方がうまいときがあるのです。

 

おにぎり音楽

64の洗練されすぎていない、リアル過ぎない音色。おもちゃ的な空間によく合います。そしてかっこ付け過ぎないリズム、捻りすぎないメロディー、和音。そして曲の中にちりばめられる効果音的な技術…。

どれをとってもまさにマリオストーリーのために作られた曲に他なりません。記憶に残るほどの名曲が大量にあるわけではないかも知れませんが、作品全体を通して支え、そして包み込み、盛り上げ、プレイヤーの心に入り込んできているというものです。

基本的にはドラクエの曲、すぎやまこういち氏の曲が好きな私ですが、その他のゲームでもやはり気になる曲、好きな音楽というのは出てきます。

 

戦闘曲からしてドラクエとは全く方向性が違う曲ですし、まあこれらの曲もグラフィックが違えばまた違うものになっていたのは明白なので、そう考えるとやはりマリオストーリーがこのグラフィックだったのはとにかく正解ですね。”紙”ということをゲーム性にはほぼ活かしてなかったとしても別に構いません。グラフィックそのものをゲーム性に活かしてるゲームなんてそんなにないと思いますし。

ちなみに別に「おにぎり」というたとえを気に入ってはいません。「おにぎり音楽」って見出しを書いてみたかっただけです。

 

一番好きな曲はピーチ姫のテーマ曲的なアレ

さて、前置きが神話並に長大になってしまいましたが本題です!

私は数あるマリオストーリーの曲の中でも圧倒的に好きな曲があります。それが「ピーチ姫の曲」です! この実況動画内で流れている曲ですね。ピーチ姫が料理するところですね。

正式名称は恐らく「ピーチがんばる!」だと思います。サントラが出ているようですが、品切れになるのも時間の問題だと思います。買おうか迷ってます。ちょっと高い。でも買いたい。

 

この曲の好きなところ

さて、この曲ってなにがいいのかなあ、そう思って考えるといくつか浮かびます。

①完成度が高過ぎない(ような雰囲気がある)

いきなり悪口みたいになってますが、完成され過ぎたものというのは冷淡です。バッハの対位法なんか完璧過ぎて、厳格で数学的に冷たく、圧倒的な雰囲気があったりします。

アイドルだって愛される人はだいたいどこか欠点やら弱点があるんじゃないでしょうか。人間らしさに通ずるものですね。打ち込みで狙ってそうしてるのかもですが、練習して頑張ってリコーダーを吹いてるような優しさがあります。

演奏だけでなく曲自体も、メロディーとサブメロディーが絡み合っているものの、どこかゆるく、完璧なハモリ方ではないような響きがあって逆にそれが心に染みます。不協和の使い方が絶妙なんだと思います。

②音色がかわいい

これはそのままですね。上でリコーダーを書きましたが、管楽器系の音色というのは温かいものです。

更に伴奏に使われているマリンバの音色もかわいいですよね。リズム打楽器もおもちゃのようなしょぼい音色がグッドです。good.

バッハがGodならマリオストーリーはGoodです。違うか。

③メロディーが良い

これはもう聴いて感じるものですね。素朴でかわいいメロディーだけど、ちょいちょい悲しい響きの和音が使われていて、メロディーも優しいような切ないような絶妙な雰囲気になっています。たまらん。

④二週目で入ってくる太鼓が良い

優しくて切ない、かわいい曲なのに、二週目からは太鼓が伴奏に入ってきます。

ドン  ドン   ドン   ドン   と、太鼓が奏でられます。

このギャップがいいんですよね。太鼓だけどやっぱり音色はリアルではなくてデフォルメされたかわいい音ですし、寂しい部屋にいたっピーチ姫がちょっとした何かで元気づけられて、ちょっぴりがんばろうと進んでゆくような…まさにそんな感じがします。

いいなあ。切なくて優しくてかわいい中にちょっぴり潜む勇ましさ。名曲臭が漂いまくりですね!!

 

まとめ

…と、こんな感じです。

まあ、どこまで同意してもらえるかはわかりませんが同意されようとされまいと私はこの曲を名曲だと思います。それに、あんまりこれに似た絶妙なバランス感の曲を私は知りません。

色々書きましたが、①②④はマリオストーリーの曲全般に言えることでもあるので、結局メロディーが好きなだけな気もしてきました。

 

とにかく、この他にもいい曲が色々とありますし、全体的に音色や合いの手の入れ方がゲーム音楽らしく、効果音的なよさが音楽の中に混じっているのが特徴的だと思います。というか、マリオの曲はマリオストーリーに限らずそうですね。マリオの作曲者である近藤 浩治さんの特徴でもあると思います。

ドラクエはオーケストラで良さが最大限に引き出されるような曲が多いですが、マリオの曲はゲームの音源が一番よさを引き出しているような感じですかね(ドラクエの曲は作曲時点でオーケストラを意識・想定しているとのこと)。

 

なんにせよ、ゲームの中でも重要なポジションのこの曲。当時はこれが聴きたくてゲームをやり直したりもしたくらいです。以上、マリオストーリー名曲論議でした。

 

ちなみに

「ピーチがんばる!」にはもう一つのバージョンがあります。それは「しょんぼりピーチ」という曲です。曲名からもわかりますが、こちらはより切ないです。

オルゴールのみの曲で、メロディーの素朴さや優しさ、切なさがよりダイレクトに伝わってきます。こちらは三拍子です。どっちを先に作曲したんでしょうかね。「ピーチがんばる!」な気はしますが…。

どっちも非常に好きな曲です。「しょんぼりピーチ」はサントラかゲームで聴いてみてください。どこで流れるのかは忘れてしまいましたが…

 

大音量でド派手に盛り上げて楽譜的にも装飾しまくりの迫力サウンド重視の曲もいいですが、こういう素朴で力を持った曲を作りたいな、と思わされる曲です。がんばろ。

 


 

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