会席料理で先に白飯を頼む人って…先附や強肴の意味とは【三文】 - フリーBGM&自主映画ブログ|"もみじば"のMOMIZizm

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会席料理で先に白飯を頼む人って…先附や強肴の意味とは【三文】

2016年10月1日

会席料理、懐石料理、日本料理、精進料理…料理の奥深さを表す言葉は数多くあります。

 

食い物なんか食えればいい。グルメ?贅沢なこと言ってんじゃねえや、明日の飯すらままならねえんだ、腹を満たすことすらできりゃなんだっていい。

こう思って、会席料理にそっぽを向き、出される料理の順序など知らない方はいらっしゃると思います。

 

「おいらはラーメンでぶだ!脂の浮いたぎっとりラーメンおいちいなあ。カレーやハンバーガーも大好き!カイセキ?何それ?お腹いっぱいになるなら注文するよ、ぐへへ」

こういう、風流をまるで知らない惨めな三文文士など、話になりません。どうも、三文享楽です。

 

今回は、会席料理の順番などの記事です。

 

「一段落、記事すすめたら、家系食いにいこかな、うへへ」


食前酒(しょくぜんしゅ)

日本料理だって、基本はお酒!

それでも、日本酒に対してグーグルは厳しいし、どうもお酒に対するイメージって悪いですよね。

 

ワインやカクテルももちろん美味しいですが、日本酒を昭和の赤提灯の安酒、低所得者が昼から飲んでいる酒みたいなイメージをやめてほしいものです。広く日本文化にいきわたった、ピンからキリまであるお酒、それが日本酒なわけです。

 

まあ、今回はこれでやめておきます。

 

先附(さきづけ)

簡単にいえば、前菜です。

こちらについては、だいたいどこのお店のどんなコースにもあるものです。

 

先付とも表記されますが、まあ、意味が分かりやすいですよね。

結構手がこんでいるけれど、最初に食べるには重くもなく、軽くもなく、クセもない小さ目な料理が出されます。

 

いきなり重いとお腹にきますし、次からの料理へのジャブとなりますが、前菜自体も美味しいものです。

 

椀物(わんもの)

こっからお店によって表記も変わってきます。

基本的には、一汁三菜の原則に則るものと考えれば、どのコースにも通ずるところがあります。

 

だいたいこれが吸い物にあたりますね。

豆腐だったり、白身魚だったりと、日本酒にマッチするようなお吸い物がきます。

これを最後に出てくる止め椀こと、味噌汁と混同してはなりません。

 

向付(むこうづけ)

簡単に言えば、お造り

もっと簡単にいえば、刺身ですよ。

ええ、日本料理ですから、そりゃ、生の魚が必須なわけですね。

 

決まりはないですけど、だいたいマグロは入りますよね。

イカだとか、タイだとかの白身が入って…まあ、内容はそれぞれです。

 

向付と書かれるとなんのことか分かりませんが、これがお刺身です。

 

鉢肴(はちざかな)

簡単にいえば、焼き物です。

ええ、なにかしらの焼いたものです。

 

これが焼き魚であったり、焼いた肉であったり。

台物と書かれている場合もあるでしょう。

これは膳料理と会席料理の違い的な話にもなってくるわけですが、鉢物や台物は火が通った肉か魚くらいに意識しておけば無難かと。焼き物と台物が別々に出てくることだってあります。

 

強肴(しいざかな)

ええ、これがまた色々と店によって違うからやっかいなものです。

いわゆる炊き合わせであって、色々なものがのせてあるお皿なのです。

 

煮物として色々のっていることが多いですかね。

しかし、肉や魚が出てきたり、酢のものだったり、なにと言い切れません。

進め肴や預け鉢ともいうようで、本来の献立の他に出るような意味があり、なにかしらです。

 

油物(あぶらもの)

揚げ物などです。素晴らしいものです。

まあ、日本の昔からは一般的でないものでして、必ず出るとは言えませんね。

 

最近では、天ぷらが出るところが多くなったみたいなイメージでいいかもしれません。

一汁三菜のどれかと置き換わったり、プラスで出たりとします。

 

食事(しょくじ)

米などの主食、味噌汁などの汁物、漬物など香の物ですな。

 

これがまた釜飯が凌ぎとして出てきたり、白米に替わってうどんやそばが出てきたりと色々変わるのだから言い切れないものなのです。

まあ、最後に出てくる主食と思っていればいいでしょう。

 

止め椀こと、味噌汁などの汁物や漬物などの香の物とくるはずです。香の物が果物に置き換わっていてもご飯のおかずはあるはずです。

 

ここで、です。

表題の件についてですが、

会席料理がここまで計画的に順序立てて出てきているのに、ご飯を最初にもってくるというのは違うと思うのです。

 

私も小さい頃には、「肉には白飯がなければならない」との信念のもと、白米を欲していました。しかし、それは腹を満たすことありきで、それぞれの食材の味を楽しむということから少し離れます。

私がこの信念が変化したのは、日本酒をたしなむようになってからです。

「日本酒にあう肴は何か」を考えるようになり、それを追求した時、この会席料理の素晴らしさに気づいたのです。

 

食事の冒頭に出た刺身や焼き物をご飯が出てくるまで待っている手もありますが、基本的には料理は出されたら食すもの。あまり放置はしておきたくないものです。

 

水菓子(みずがし)

最後に来るのは、デザートです。

甘い菓子であったり、甘い果物であったり、いわゆるデザートがくるはずです。

 

基本的には甘いものを食べない三文ですが、やはりコースの料理ではしっかりと味わいます。それがコースを考えた方のお気持ちに通じるからです。

 

三文ぼやき

料理全体を一つの作品、もてなしとして考えた場合、やはり順序は変えずに食べたいものです。もちろん、料理は楽しんで食べることが基本だから、無理する必要はないと思いますが、料理人の意図を酌んで、美味しく味わいたいものです。

 

私はある時から「白米を先に出させて一汁三菜以前に食べることは、推理小説のクライマックスを最初に読んでプロセスを読みだすことに近しい」と思うようになりました。

 

そこで、表題に戻るわけです。

会席料理で白米を先に食べることを信念にしている方は、先附や強肴などの一汁三菜といった概念を思い、会席の順で食べることも考えてみると楽しいかもしれません。

 

「食べる順序なんて関係ねえだろ、とやかく言われたくないわ」

かつて、私自身がそう思っていただけに、ここ最近、深く考えるわけです。


 

そう、緻密な計算によって、構築された料理は宇宙のよう。

緻密な世界によって構築された世界?

ああ、映画の世界と同じということですね。


 

献立とは。

会席料理をイチから。