『リアル自宅警備員』制作記 自主制作映画

制作中の自主映画の途中経過。素人はやっぱくだらない要素が肝だと思う

2016年11月3日

グルメ記事を書きまくっている内に個人食べログを目指すかのようになってきている今日この頃。もちろん、食べログに個人が追いつくのは物量的に人生を賭けても難しいレベルだと思いますが、そんなことはどうでもよいでしょう。

とにかく、このブログは元々はの趣味である映画撮影・映画制作がメインのブログだったのです。そこに曲の配信、映画で役者を頻繁にやってもらっている三文享楽の小説の公開などいろいろやりつつ、グルメ記事やら雑学記事やらも沢山書いてきました。

それはそれでいろいろな人に映画を見てもらうためにブログ全体のアクセスを増やす…という重要なことなのですが、たまには初心に帰らないとね。

 

というわけで…

久々の自主制作映画制作記です!! こんなのはあんまり多くの人は見ないものなのですが、書きますよ。少数の読者…つまり、あなたのために。

はっはっは


くだらなく、アホだからこそ輝く自主映画。商業映画じゃないからこそ

ちなみに、あんまり制作記は書かないので、たいてい「久しぶりの制作記です」とか書いてます。でも編集は毎日してるんですよ。ほぼ毎日。映画を撮り終えた後は何週間かはしなかったり、ブロぐに注力してしばらく編集しなかったり…というのはありましたが、一年で200日は編集してる気がします

処女作の長編アクション映画『抜本-BAPPON-』の時は1年のうち330日くらい編集してたのではないでしょうか。それが丸二年。素人で右も左もわからないまま突き進んだあのときのパワーは凄かったです。本を武器とする主人公が戦い、壮大な展開・因縁へと巻き込まれていく謎の物語です。

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↑抜本序盤の真剣だがアホな戦い

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↑抜本終盤の真剣で凄く盛り上がってるが、冷静に考えるとやっぱりアホ…なはずなのにアホには見えない戦い

 

伝わるかはわかりませんが、「本で戦う」という根本的にくだらなくてアホな設定がある映画を、魂込めて二年間も編集していたわけです。なぜ、くだらない映画にそうまでしてのめり込んだのか?

違います。くだらなさがあるからこそ、作る価値があったのです。

 

意味深ですが、そういうことなのです。

これがすべてまじめな設定だったら逆に恥ずかしくもなっただろうし、商業映画がやった方がよさそうだし、ただ自分たちがかっこよく映りたいだけのものになり、そして既存の価値観をなぞるだけで魂も込められなかったでしょう。

これは私が変なもの、シュールナンセンスなもの、泥臭く行動するゲリラ的情熱とかが好きだからというのも大きいですが、やはりなんのリスクも負わない素人だからこそやれることをやる方が面白いですよね。

  • 遺伝子の組み合わせから奇跡的な確率で特殊な能力を持って生まれた主人公が、日本を内部から破壊しようとする巨大組織と戦う物語
  • 宇宙の危機を救うために100兆分の1の確率でランダムに選ばれた生贄となった主人公の物語
  • 酒とギャンブルにおぼれて無職になったが、勘だけはめちゃくちゃいいおっさんが偶然居合わせた複雑難解な怪奇殺人事件を解く物語
  • ある日突然、「鼻毛を一本抜くごとに世界の誰かが死んでしまう」という不思議な能力を手にした主人公。しかし初恋の相手は鼻毛が出てるような不潔な人が大嫌い! その意中の彼女と初デートの日、途中で鼻毛が出ていることに気づく主人公。しかしハサミなど持っていない。さて、主人公はどうするか? という物語

上にいくつか、今考えた映画のアイディアを書いてみました。真面目なものから、非常にくだらないものまであります。

どれも真面目に作れば面白そうですが、やはりくだらなさが強まるほど、もしくは主人公のダサさが際立ってナンセンス感がにじむほど面白そうに見えはしないでしょうか? プロが大金はたいて作るならいざ知らず、一番面白そうなのは個人的には鼻毛映画です。

こういうくだらないものが見ていく内に、人を真剣に引き込んでいければ最高です。もはや価値観の転覆です。そういうのって下剋上のようでいいですよね。半沢直樹しかり、そういった秘めたものが勝つ…みたいなのは日本人が好きな要素なのかも知れません。忍者。

 

というわけで、今作っている映画は…

さて、前置きが長くなりましたが、今回の映画についてです。以前書いた制作記では「今までよりも本格志向でいきます。」なんて書いています。

これだけ見るとまともな設定でまともに凄いことをやりそうですが、そうではありません。

しかし、『抜本-BAPPON-』は全編見ると不思議な面白さがあり、実際全編見てくれた人からは好評なものです。しかし、初期に撮ったシーンは編集や追加撮影でいろいろ手を加えてもやはり技術不足感がかなりあります。

やはり、どこの馬の骨かもわからんネット上のわけわからんカントクの映画を見てもらうには、ぱっと見で「凄い!」と思わせたり、どう考えてもアイディアが面白い!(プロがやらなそうなものが良い)と思わせたりする必要があります。

 

なので、画面の見た目のクオリティはとにかく低予算を理由にせず、今までで最も力を入れることとしました。そういってから見せるとハードルが上がるのですが、とりあえず、新作映画のスクショを一枚貼ります。

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これだけ見ると、よくあるちょいSF映画の戦闘シーンかな、という程度ですが、とりあえず『抜本-BAPPON-』よりも見た目の面では本格的なのは間違いありません。ぱっと見で「クソ素人かよ!」と思われて去って行かれる可能性は減らせるでしょう。

まあ、こうやってスクショにしてじっくり見るほどの合成ではなく、これでも”凄い素人”レベルの合成にすらなっていないなとは思うのですが、ストーリーの中に放り込むと、「え、それがこんなシリアスで大規模な戦闘になっちゃうの!?」的なアホさが実際には出てくると思います。

 

もう一枚貼ります。

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色調・構図、衣装やらに今まで以上に気を遣っています。特に衣装は今まではほぼあり合わせでしたからね、かなりの進歩です。ヤフオクを駆使しているものの、やはり財布は痛い!

 

それはさておき…

私としては見た目が凄くて迫力があって臨場感があればあるほどアホ臭さも増すようなものが理想なのですが、今回もそれに近い設定となっています。

見た目の凄さが、同時にアホさも際立たせるような映画にしたい

たとえばテトリス実写化なんかは映像が凄ければ凄いほど根本のアイディアがアホなのでアホさも増しますよね。あれは商業映画でも三部作の超大作としてやるようですが、アホ臭さが減りすぎないことを期待したいです。

 

話を戻すと、今回の私の新作自主映画はかなり大真面目に進むし、そこまでアホなわけではなく見えるようにはなってるのですが、普通のまっとうな宇宙大戦争! みたいな感じではありません。

社会的メッセージがあると捉えられかねないものをモチーフにしてるのですが、テーマはそこにはないつもりです。…とか言っても何の話か分からないですね。

若干のあるあるネタ的な要素もありつつ、シリアス壮大な空気の中、バカバカしくて手が付けられないほどに派手に話と映像が展開し、登場人物たちの人間描写・成長はまっとうに誠実に描く…そんな風に制作を進行しているところです。

 

今は、「くだらないほどの壮大さ、アホさ」と「くだらないと思わせない説得力あるシリアスさ」のバランスに悩みつつ制作中です。そしてそのお互いのギャップが相互作用を生んで、商業映画にはない面白いものを作ろうと日々編集しているのでありました。

 

まとめ

ただただ格好よくて素晴らしく壮大なSF戦闘アクション映画やら、ひたすらリアルでシリアスな戦争映画やらは商業映画に任せておいて、我々のようなチンケでへんぴなところでものを作る人間どもは謎なものに挑戦したいものです。

ちなみにこの新作映画は、長編のような設定・展開は送りつつも、30分程度の短編(中編)に仕上げる予定です。『抜本-BAPPON-』はYoutubeで公開するにはやはり長すぎました。有名になってからやれば見てくれますが、無名の人間がやるともの好きしか全編は見ませんね。終盤だけでも見てくれれば雰囲気は伝わると思いますが。

さて、これから編集です。長い長い、編集の旅です。役者ほしいなあ。


 

抜本の制作記もあります。

制作した映画やショートムービーはここで公開中です。

ひとつ前に制作した即興ショートムービーの記事