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ゲーム ドラクエ レビュー・体験記 作曲

音楽全曲レビュー! ドラクエ8のオーケストラコンサートに行ってきた

2016/10/18

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どうも、ドラゴンクエスト8のコンサートに行ってきたことによってレベルが99になった管理人(@kaiten_keima)です。

昔からドラクエが大好きな私ですが、そのゲーム性、モンスターやキャラのデザインもさることながら、音楽は相当好きです。すぎやまこういちに影響を受けて中学から作曲を始めているほどです。
最近はそれが進みすぎて、90分の自主映画に全編作曲してしまいました。

2015年8月28日に、そんなドラクエの音楽のコンサートに行ってきました。金管5重奏とかを除くと、多分これで行くのは5回目くらいだと思います。
とにかく、そのドラクエ8コンサートのレポートと、楽曲のちょっとしたレビューやら解説やら感想やらを書いていきます。

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ドラクエのコンサートとは

ドラクエのコンサートというと、もしかするとゲーマーが集まってゲームをしながらコスプレイヤーを囲んでゲーム音楽を聴きながらメタルスライムを倒す会だと思うかも知れません。
ですが、それは大間違いです。

ドラクエのコンサートというのは、ドラゴンクエストの音楽をオーケストラで演奏する演奏会なのです。すぎやまこういち氏が自身でオーケストラ用に編曲し、そして指揮をするのです。

今回は池袋の東京芸術劇場で行われました。演奏するのは東京と交響楽団と、これまた一流の日本のオーケストラです。そうです、かなり本格的な内容なのです。

ですが、「オーケストラをもっと広めよう!」という目的も持ったコンサートなので、比較的安価(S席でも5000円とか)で、なおかつ子供も入れるコンサートになっています。

 

…とはいうものの、昔はコスプレイヤーもちょいちょいいたようです。すぎやまこういち氏もコスプレが特に嫌いなわけじゃないようですが、ある年からはコスプレはコスプレで撮影会を別に開いて、コンサートではNGになったとかどうとか。

 

今回のコンサートは…

ちなみに今回は「ファミリークラシックコンサート ~ドラゴンクエストの世界~」というもので、ドラクエコンサートの中でも一番ビッグなコンサートになっています。
そしてビッグなだけあって、なんと2015年の今回で「ファミリークラシックコンサート」は第29回になります!

詳細はこちらでご覧ください→すぎやまこういちの世界
ドラクエが2016年で30周年になりますから、ドラクエ誕生からずっとやっているわけですね。ドラクエ1は1986年発売で、ドラクエコンサートは初回が1987年とのことです。

そんな「第29回ファミリークラシックコンサート ~ドラゴンクエストの世界~ DRAGONQUEST VIII」に今回は行ってきました!

ちなみに曲目はこうです。IMG_1484

 

会場に入ると…

今回は友達何人かと行ったのですが、会場に着くとドラクエ8をやってる人や、家族連れ、カップルと、老若男女がたくさんいて賑わっていました。いつものことですが、ドラクエコンサートは結構層が広いように思います。
また、ドラクエ8の発売日の翌日にコンサートだったので、すれ違い通信目当てでドラクエ8を持っている人も多かったと思われます。

そんな会場ですが、驚いたのは、会場入ってすぐにあったこれです!

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風船?が「DQ8」になっています! みんなバシバシ写真を撮っていたので、かなりこの周りに人が集まっていました。
層が広いとはいえ、ゲーマーも多いですから、マニアックな感じで写真を撮っている人も少しはいました。そんな中をかきわけ写真をパシャリと撮ってきました。ある一線を境に見えない壁があるようで、それより前で撮影している人はいませんでした。

ですが、更に驚いたのはこちら!

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一番手前! なぜか安部さんの名前が!

あまり踏み込むと政治的な突込みを入れられてもよくわからないのでおいときますが、結構びっくりしました。

その後会場の奥に進むと、例によってグッズ売り場があり、人がたくさんそこに集まっていて、なにが売っているのか見えないくらいになっていました。ちなみにグッズといっても楽譜やCDなどの、音楽関連のものです。フィギュアとかゲームは売っていません。

 

コンサート開始

とにかく、そんなこんなで席に着きました。

すると、コンサートでのちょっとした楽しみの、事前練習が聞こえてきました。開演前に席に着くと、難しそうなフレーズを繰り返し練習しているのが聞こえてくるのです。
今回は、オーボエの「そうだ!あのときは」のフレーズが目立って聞こえてきました。たまにこれで演目にないフレーズが聞こえてきて、アンコールがわかってしまうこともあると聞いたことがあります。今回はそれはありませんでした。

そして時間になってしばらくすると…

 

とうとうすぎやまこういちの登場です! 撮影は禁止なので写真はありませんが、会場に拍手が鳴り響きます。

そして壇上に立ち、すっと指揮棒をかざします。もちろん拍手はもう止んでいます。

振り下ろされる指揮棒。そして高らかに鳴り響くトランペットの高音!「序曲」の演奏が始まります。ドラクエで一番有名なテーマです。

序曲

やっぱり迫力があって勢いがあって素晴らしいです。覚えやすく飽きないメロディー。これを聴くと始まったな、という感じがします。
この曲は5分で作ったらしいですが、そこまでの50年の人生があったからこそできた曲なので50年+5分で作った…というような話を思い出しました。(多分ドラクエファン内ではけっこう有名な話だと思います。)

音楽は心の貯金です

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そして「序曲」が終わったところで、すぎやまこういちのトークタイムです。そこで、「音楽は心の貯金です」との話が入りました。

これは他のコンサートでもよく聴いたり、コンサートのチラシにも書いてあったりするので、ドラクエファン(というか、ドラクエの音楽好き)的にはこれまた有名な言葉だと思います。

「いい音楽を聴くと心が豊かになる。だから今日はドラゴンクエストの演奏を聴いて、ぜひ心を豊かにして帰ってもらえればと思います」

そんないい話が入り、「この後は続けて4曲演奏します」との言葉で締めくくり。

思わず起きた拍手

「続いて4曲」とのことですが、曲目としてはこうなります。

「馬車を曳いて」→「穏やかな街並み~静かな村~錬金がま」→「広い世界へ~大平原のマーチ」→「対話」

それぞれ感想と曲紹介をしていきます。

「馬車を曳いて」

馬車を曳いて <東京都交響楽団>
カテゴリ: サウンドトラック

オープニングら辺のイベントの曲です。雄大な曲で、イージーリスニング的な雰囲気もある、やわらかい曲です。バイオリンの雄大なメロディーと、木管楽器・ホルンのやさしい音色、合間に奏でられるハープが心地よいです。

「穏やかな街並み~静かな村~錬金がま」

それぞれそのままですが、街、村、錬金のときの曲です。「穏やかな街並み」は出だしが元気で印象的ですが、その後すぐに穏やかな雰囲気になります。
村は「小さな世界」に少し似ていますが、ハープが素朴で綺麗で、サビ部分は木管の垢抜けない雰囲気がまさに「村」っぽいです。
錬金がま <東京都交響楽団>
カテゴリ: クラシック

「錬金がま」はピアノで弾くと、右手と左手で調が違うという、少し前衛的な曲です。色々な楽器で繰り返され、徐々に変化するのが面白い曲です。

「広い世界へ~大平原のマーチ」

これはドラクエ8でも人気の高い、フィールドの曲です! 前半は雄大な中に哀愁を感じる旋律。そして中盤からはトランペットの軽やかな演奏、そしてクライマックスのバイオリンの壮大なメロディーと、合いの手で入るホルンの力強い対旋律。ドラクエ8のサブタイトル「空と海と大地と」はこの曲に詰まっている気がします。

そして、後半からはキラーパンサーというすごい虎に乗ってるときの曲になるので、メロディーは変わらずでアレンジがガラッと変わり、アップテンポで力強くノリのいい曲になります。最後はアップテンポなまま壮大に盛り上がり、息をつく暇なく豪華に終わります。

そしてこの曲が終わると、拍手が巻き起こります!

実は「4曲続けて演奏します」と言っている場合は、4曲終わるまでは拍手してはいけないのですが、あまりに曲が人気で観客全員の心が盛り上がってしまったのでしょう。自然と拍手が起こってしまいました。ほかの曲では一度もそういったことは起きなかったので、この曲の好かれ具合が窺い知れます。

ちなみに、「タラのテーマ」に似てると言われることもありますが、サビのメロディーと楽器の構成は似ているものの、目指す方向性は結構ちがうように思います。「広い世界へ」は壮大さ、雄大さで、「タラのテーマ」は美しさ、感情の高ぶりを表現している感じがします。
たとえば仮にサビを真似してたとしても、ほかの部分もいい曲な上、「大草原のマーチ」はまったく似てないので、やっぱりいい曲だなという感想になると思います。

「対話」

対話 <東京都交響楽団>
カテゴリ: サウンドトラック

こちらは少し規模の大きい街の曲です。曲だけ聴くとそんなに街っぽさはないのですが、複数のメロディーが「対話」するように楽器を変えて絡み合う曲です。絡み合うというよりは、合いの手を入れあう…の方が正しいかも知れません。
ドラクエ8は様々な打楽器が使われる曲が多いですが、この曲はシロフォンが小気味よく、特徴的です。ちなみに、シロフォンの特徴に関してはこちらの記事に書いています。

 

音楽は心の応援団です。

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4曲終わったところで、久しぶりにトークが入ります。
今度は、「音楽は心の応援団です」という話でした。ドラクエコンサート行くような人にとっては、実はこれも有名な言葉です! もう一つシリーズがあるのですが、それは後ほど登場します…。

「音楽は心の貯金箱です、と最初に言いましたが、音楽を聴くと心が元気になることがあるでしょう。だから、私は音楽は心の応援団…とも言っているのです。あ、心の貯金箱じゃないな、心の貯金だった」

というお茶目トーク?の後、またしばらくトークなしで演奏が再開しました。

「ひんやりと暗い道~暗い道の奥で」

こちらはダンジョンの曲です。「ひんやりと暗い道」は、ファミコンのときのように少ない音数で構成された曲です。基本はバイオリンのみですが、後半に「コンッ」「ポンッ」みたいな感じの打楽器が使われます。これは確か、洞窟から滴り落ちる水滴を表した音だった記憶があります…。ドラクエ8は打楽器が意欲的です。
そして「暗い道の奥で」は、その曲をアレンジして、色々な楽器で組み立て直してがっしりした太い曲にしたような印象です。

「讃美歌に癒されて~修道僧の決意」

讃美歌に癒されて <東京都交響楽団>
カテゴリ: クラシック

これは、それぞれ教会と大きい修道院で流れる曲です。ゲームではオルガンの曲でしたが、オーケストラでは木管やホルンを使って演奏されており、けっこう雰囲気の違う曲になっています。私はオーケストラ版のほうが好きです。

「讃美歌に癒されて」は、讃美歌にありそうな素朴なメロディーに素朴で基本的な和音、といった曲ですが、オーケストレーションでかなり豊かな曲に聞こえます。

「修道僧の決意」は対位法を使った厳格な雰囲気の曲で、神聖な迫力があります。穏やかな「讃美歌に癒されて」とは対照的です。こちらもお気に入りです。

「つらい時を乗り越えて~急げ! ピンチだ」

これはそれぞれ、回想イベントと、モンスター襲来とかでピンチなときの曲です。「つらい時を乗り越えて」は派手過ぎず、感情も盛り上げすぎずな曲ですが、ちょうどいい悲しさや切なさ、綺麗さのある曲です。オーケストレーションも落ち着いて綺麗な感じになっています。

急げ!ピンチだ <東京都交響楽団>
カテゴリ: クラシック

対して「急げ! ピンチだ」はかなり激しいです! プロコフィエフだとかショスタコーヴィチだとかの影響を受けたような雰囲気もあり、和音とメロディーがあえて不協和になっています。伴奏形もその辺りの作風に近いと思います。
アップテンポで激しいですが、ヴィブラフォンを激しいフレーズに使って潤いのある響きを入れている辺り、やはりドラクエ8の打楽器にはチャレンジ精神を感じます。

また、途中からオーケストラ版限定ですごい怒涛の打楽器ソロがあります! 最初聞いたときは正直、いきなりコンセプト不明な謎のソロが来たな!と驚いていましたが、生だと演奏者の動きの激しさと音の迫力で「おお~」となります。それでも結構このソロは最初は突然でびっくりすると思います笑。
すぎやまこういち氏いわく、東京都交響楽団の打楽器がうまいから打楽器の応酬を作ってみた…というような経緯だった気がします。

「神秘なる塔」

神秘なる塔 <東京都交響楽団>
カテゴリ: サウンドトラック

題名の通り、塔の曲です。これこそドラクエ8の打楽器の真骨頂でしょう。こちらは、先ほどの打楽器の応酬とはちがうアプローチです。
かなり綺麗な曲で、終始不協和音のような複雑な和音が使われているのですが、繊細なバランス感覚により、それが非常に綺麗な響きになっています。そして、メロディーはどこかオリエンタルな雰囲気があり、そこが不思議な神秘さを増しています。

そんな曲に、様々な打楽器が効果的に使われています。まず出だしから「タン、トン、コン、ポク」みたいな色々な太鼓?が鳴らされて、民族的かつ静かな、不思議な感じで始まります。そして随所でウィンドウチャイムが美しく鳴り響き、ほかにも打楽器が色々と使われ、曲をより美しく、より妖艶に彩っています。

この曲も人気曲ですが、これに関してはどこかの演奏家が「死ぬときにはモーツァルトかこの曲を聴きたい」みたいなことを言っていました。本気かお世辞かわからないのがこの世界ですが、実際かなり美しい曲です。

第一部終幕まで

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と、ここでまた少しトークです。ただ、メモっていたわけではないので、ここで何の話があったかは忘れてしまいました…!!!
もしかするとここで「音楽は心の応援団です」と言っていたのかも…。

とにかく、ここでも少しトークがあり、「最後まで一気に行きます」というような流れになったと思います。それすらなかったかな? ちょっとこの辺、記憶が曖昧です…。とにかく第一幕は残すところあと2曲目となりました。

「そうだあの時は~それ行けトーポ」

前者は煮詰まった話し合いや、井戸のイベントなどのなんとも言えないときの曲です。後者は「トーポ」という小さくてかわいいネズミのテーマ曲です。

「そうだあの時は」は、オーボエのつまらなそうな音色をピッチカートの伴奏が支え、途中からバイオリンが綺麗だけど淡々としたメロディーを奏でる味のある曲です。自主映画『一人の怒れる釣り人』のエンディング曲を作曲した際は、この曲を参考にした節があります。よかったら聴いてみてください。

「それ行けトーポ」は、ピッコロが音階を駆け巡り、クラリネットが和音を飛び回るアップテンポなかわいい曲です。これもまた「ポク」だか「コン」だか、そんな感じの打楽器が合いの手で入っています。
この楽曲も、構成はロシアの作曲家の作風を感じられると思います。ただ、打楽器含めた楽器の使い方がかわいい感じなので、仕上がりの雰囲気は全然似ていないかも知れません。

「雄たけびをあげて~難関を突破せよ」

雑魚戦と中ボス戦の曲です。

「雄たけびをあげて」は、ゲーム版だとテンポもゆっくりめで、なおかつ金管楽器も迫力がなくてちょっとダサい感じなのですが、オーケストラではガラッと変わります!(すぎやまこういち曰く、ドラクエ8の戦闘画面を見てチャンバラ感を出したかった、とのことなので、わざとダサくした感じもある)
オーケストラ版ではテンポも速く、ドラムも激しく、金管も唸りをあげる迫力ある一曲へと変身しています。「ラシドレミー」というフレーズが金管の合いの手で奏でられ、更に金管が和音で合いの手を入れるので、落ち着く暇なく曲が展開していきます。
トランペットが高音なのでちょっとミスってましたが、それでも十分な迫力でした。

「難関を突破せよ」はしつこいですが、また例の作曲家的な作曲をしていると思います。Gmの和音にF♯の音をメロディーに当てて短二度でわざと衝突させたり、色々と複雑な和音を使っています。要は不協和音を使っているのです。
後半の伴奏はリズムもドラクエとしては少し珍しいリズムで、なおかつ和音もちょこちょこ変わっていて工夫されています。こちらも迫力ある激しい曲です。

 

そして第二幕へ…

激しい曲で第一幕は締められ、余韻を残しつつ現実の落ち着いた静かな会場に戻されました。友達と色々と話をして盛り上がり、第二幕を迎えます。

第二幕開始の前に、またすぎやまこういち氏のトークが入ります。今回はアドリブもありつつ、なかなか長めでした。

「音楽は心の貯金、音楽は心の応援団…と言ってきましたが、もう一つ言っていることがあります。音楽は心のタイムマシーンです。

これで三つすべて出揃いました!

「こういう言葉があるわけじゃなくて、ただ僕が言っているだけなんだけどね。ある音楽を聴いたときにふっとその時のことを思い出すことがある。だからタイムマシーンと言っているわけでございます」

ゲーム音楽なんかは特に、音楽を聴くとゲームを思い出すし、ゲームをやりたくなるし、当時の感覚を思い出す気がしますね。

タイムマシーンゲーム

「ドラゴンクエストももう今年で…約30年前かな? そうだよね?」

そう言って、劇場の真ん中辺りを見ます。そう、そこにはなんとドラゴンクエストの生みの親、堀井雄二がいたのです! 前にもコンサートで見たことあったので、これで見るのは2回目です。(休憩中に握手したと言ってる他人もいました)

「生みの親からのお墨付きで出てるから合ってるね笑。約30年前ですね。それで、今回のドラゴンクエスト8でいうと、それも、もう10年前かな?」

うなずく堀井雄二氏。

「だよね。10年前って言うと…どこかにいるかな…あ、いた! そこにいる10才くらいの子にとっては、10才というのは一生涯なわけで、30~40代の人にとっては”十年一昔”なんていうわけです。
でも僕にとってはあっという間でして、人生の8分の1にも満たない。今年で84歳ですから…」

ここで拍手が起きます。

「ありがとうございます。いや、この年でようやるな! と自分でも思いますけど…」

ちょっと笑いが起きます。

ちょっとした裏話

トークが盛り上がってきたところで、ちょっとした裏話が出ます。

「それで、今回のドラゴンクエスト8のコンサートが8/28だけど、3DSのドラゴンクエスト8の発売日は昨日なんですね。
だから、3DS版ドラゴンクエスト8の発売日に焦点を合わせてこのコンサートを企画してきた…と、そう思うでしょ?」

自分も気になってたことでした。

「ところが全然ちがう」

会場にまたちょいと笑いが起きます。全然関係ないんですね!

「オーケストラとホールの空きを合わせるなんてのは、ほとんど神業に近いんだね。もう2年くらい前から予約しないとダメなんです。だから、今回は私はすこぶる運がいい! と、そういうわけです」

それは確かに運がいいです。すれちがい要素もあるから、3DS版ドラクエ8の盛り上がり的にもいいでしょうし…。

「だから、そんな風に運がいいから僕も調子がいい! その絶好調のまま、最後まで一気に演奏します!」

と、ここでトーク終了です。結構長かったですが、裏話も聞けて面白かったです。しかし、最後まで一気とは思いませんでした!
なんにせよ、ここからはまた演奏の開始です。

第二幕、演奏開始

「この想いを…」

この想いを・・・ <東京都交響楽団>
カテゴリ: サウンドトラック

こちらは悲しく切ないイベントシーンで流れるような曲です。第二幕しょっぱなから悲しい曲ですが、悲しいだけでなくメロディーもオーケストレーションも美しくなっています。
すぎやまこういちは、「ダンジョンの曲はただ怖いだけだとずっと聴くにはよくないから、必ず美しさも意識している」的なことを言っていたはずですが、悲しい曲も美しさを持っているように思います。

「死せる(亡き)王女のパヴァーヌ」という、ラヴェルの曲を意識しているようにも思えます。この曲が使われるイベントシーンは少なくとも、この曲名を意識したものになっています。

「城の威容~王宮のガヴォット~城の威容」

こちらは城の曲です。城は毎回バロック調の曲なのですが、今回もやはりそうです。
「城の威容」はホルンが勇ましい、堂々たる曲ですが、「王宮のガヴォット」はピッコロトランペットという少し珍しい楽器を使った軽やかな曲調です。途中、威厳も感じるような曲調になりますが、全体としては軽やかで華々しいです。

「詩人の世界」

詩人の世界 <東京都交響楽団>
カテゴリ: サウンドトラック

これはイシュマウリという神秘的なキャラの世界で流れる曲です。曲名からもイメージできますが、神秘的で中性的で、繊細で美しいです。透き通った高音が印象的です。
ハープ、ヴィブラフォン、バイオリン、フルート…などなど透明感のある音色の楽器で、はっきりしたメロディーはない包み込むような綺麗な響きを成しています。メロディーは一応あるものの、跳躍がかなり激しく、そこかしこで綺麗な音が鳴るのがきらびやかです。

城の曲がバロック調で、和音も古典的音楽理論にのっとってキビキビと機能的に展開していくのとは真逆に、感覚的な和音が鳴り響きます。ドビュッシーなどの印象派を想起させます。

「海の記憶」

海の記憶 <東京都交響楽団>
カテゴリ: サウンドトラック

こちらは題名の通り、海の曲です。

出だしはバイオリンとハープで物静かに、慎重にメロディーを奏でていきます。メロディー自体は歌謡曲とかにもできそうなメロディックさです。
それが3音で一気に盛り上がり、バーン!!!と、金管・木管・シンバルがいっせいに登場し、豪華で壮大な音が響き渡ります。なおかつ、ここで一気に転調するので、急に開けた海にバーン!と出たような、視界が開けたような感覚を覚えます。

海の記憶 視界開ける

その後は雄大なメロディーが続き、途中ピチカートのかわいらしい部分が登場し、繰り返しとなります。繰り返し時は出だしからがっちりしたオーケストレーションになっています。

これは生で聴くと、盛り上がり前にいっせいに全ての楽器が準備を始めるのがわかり、バーン!!!の部分への期待感がより増しました。

「忍び寄る影」

忍び寄る影 <東京都交響楽団>
カテゴリ: サウンドトラック

中ボスである、ピエロ風の「ドルマゲス」というキャラのテーマ曲みたいな曲です。
効果音的な、叫び声のように駆け上がる出だしで始まり、その後は神経質なほど静かに曲が展開し、徐々に盛り上がっていきます。

「闇の遺跡」

闇の遺跡 <東京都交響楽団>
カテゴリ: サウンドトラック

こちらは闇の世界のフィールドや、闇の遺跡的なダンジョンで流れる曲です。重厚な金管の繊細な不協和音が、まさに暗く重厚な遺跡を感じさせます。
ドラクエ7の「大神殿」でも不協和音一歩手前の複雑な和音が、金管で銃口に奏でられていましたが、こちらでは和音連打の伴奏系や、使う和音が微妙に暗かったりすることで、ドラクエ7の明るく神聖な「大神殿」とは違う空気間になっています。
途中、怪しくおどけたリズミカルな部分があるのも、魔物の進行か何かに思えて闇の遺跡っぽいです。

「大聖堂のある街」

闇の遺跡 <東京都交響楽団>
カテゴリ: サウンドトラック

これもまた題名そのままで、大聖堂がある街で流れる曲です。すぎやまこういちは競馬のG1ファンファーレも作曲しているように、ファンファーレ的な曲が得意ですが、これもイントロから金管が「パンパカパーン」的に高らかに鳴り響き、迫力のある曲です。
すぎやまこういちのファンファーレ系の曲ではだいたい、「Am7→D」的なコード進行があるのですが、この曲もまさにそれです。ほかには、ドラクエ4の「コロシアム」や「馬車のマーチ」でも同様のコード進行があります。

これはCDよりも生の方が断然迫力があってよかったです。力強い演奏に、つい最後に拍手しそうになりました。

「おおぞらをとぶ」

おおぞらをとぶ <東京都交響楽団>
カテゴリ: サウンドトラック

これはもう名曲です! 不死鳥に乗って空を飛ぶシーンの曲ですが、トヨタのCMで使われているのを聴くと、まんまと車が欲しくなってしまうくらいです。この曲をファミコンでほぼ2音しか使わずに作ったと思うと、もはや驚異的です。

フルートの高く、静かで切ない、息の長いおおらかなメロディーをハープの伴奏が美しく支えます。それがオーボエに受け継がれ、またメロディーの繰り返しに入るところで「海の記憶」のときのように、一気に壮大に盛り上がるのです。「海の記憶」は和音をバーン!と鳴らし、伴奏は伴奏で分かれている幹事でしたが、「おおぞらをとぶ」は、うねるようにメロディー・対旋律・伴奏が絡み合ってブワーンン!と盛り上がります

これは転調などしていなくても、元々のメロディーの美しさ・完璧さもあり、視界の雲がすべて消え去り一気に視界が開けるような感じが溢れています。もしくは、一気に上空に昇った感じですね。遥か高い空から大地を見下ろしている感がすごいです。

おおぞらをとぶ情景

生で聴くと、もはや圧巻としか言いようがありませんでした。

「終末へ向かう」

終末へ向かう <東京都交響楽団>
カテゴリ: サウンドトラック

こちらはラストダンジョンの曲です。ラストダンジョンは基本的に前衛音楽系ですが、これも多分に漏れません。ドラクエ8までの中だと一番その傾向が強いかも?
徐々に音量を増す、バイオリンの激しい不協和音のトレモロをバックに、即興的に色々な楽器がめちゃくちゃなメロディーを断続的に鳴らします。
そして、途中からいきなりバイオリンのソロで、前衛的だけど美しいメロディーが始まります。ここは個人的にも好きですが、コンサートマスターの演奏もCDとはまた違っていて非常によかったです。

その後は、バイオリンが音階を駆け上がったり逆に駆け下りたりしながらも、不協和音が全体を通して鳴り続けます。なんとなく何回も聴きたくなってしまいます。

「ドルマゲス~おおぞらに戦う」

こちらはドルマゲスとの戦闘での曲と、ラスボス戦の曲です!

「ドルマゲス」の方は、今までのドラクエのラスボス戦でもあるように、低音が「ジャンッジャンッ」と和音を行進してくるかような伴奏形ですが、メロディーが今までにないほどに重厚に鳴り響きます。スターウォーズのダースベイダーを少し思い出します。金管が力強く鳴り響きます。とにかく全体としてかなり重厚です! トランペットがまた少しミスってしまいましたが、トランペットも疲れてしまいそうな曲です。
ラストでハープが使われますが、そこがまたドルマゲスのピエロキャラから連想される狂気とあいまって良い感じに緊迫しています。美しく殺そうとしてるドルマゲスの姿すら連想されます。

そして…「おおぞらに戦う」! こちらもドラクエ8でかなりの人気曲です。なにせ、「おおぞらをとぶ」をアレンジした形の戦闘曲なのですから。

「おおぞらをとぶ」という、戦闘からはかけはなれた曲を戦闘曲にしてしまうのですから、やはりすごいです。「ドルマゲス」や「おおぞらをとぶ」のモチーフやアレンジをそこかしこに取り入れた、技巧的な曲でもあります。これは会場でも結構ノリノリで聴きたくなってしまいました。
説明よりも聴いてみて欲しい曲です。

「空と海と大地」

空と海と大地 <東京都交響楽団>
カテゴリ: サウンドトラック

これはエンディングの曲です。初めて聴いたとき、これは映画のエンディングとかにも流れてそうだな、となんとなく感じました。

ゆったりとした、静かで叙情的なメロディでこの曲は始まります。木管楽器の速い連符での伴奏がそれを支えます。曲は途中からおどけた雰囲気になり、ちょいとジャズ的な要素も帯びたりしながら、進んでいき、そして盛り上がりは唐突にやってきます。
シンバルの激しい音と共に、冒頭のメロディーが壮大にオーケストレーションされ、再び繰り返されるのですが、ここがまさに感無量! ゲーム版ではピアノがメロディーですが、オーケストラはオーケストラでたまりません。

そして、その後は「大聖堂のある街」のファンファーレがアレンジを加えて何回も流れ、雰囲気が叙情的なものから迫り来るような雰囲気に一気に変わります。畳み掛けるように転調をしながら、冒頭のメロディーを何回もアレンジを変えながら繰り返し、曲は進んでいきます。
その後、やっと静寂が訪れ、冒頭のメロディーの断片を奏でつつ、徐々に徐々にまた盛り上がっていきます。

そして最後は非常に重厚な響きで和音が奏でられ、ラストの和音は「Cm」が力強く何度も「ダンダン!」と鳴らされ、終幕します。最後は「Cm」と暗い和音ですが、そこまでの曲の展開で、色々あったけど力強く終わるよ的な感じになっているので、そこまで暗い感じでは終わりません。

とにかく、曲想が変わりまくるのが面白く、そして迫力満点でメロディーは叙情的で泣ける、盛りだくさんの曲です。
オーケストラでもクライマックスをピアノで奏でるバージョンも実はあります。以前、それを聴いたことがありますが、それもやっぱり素晴らしかったです。

 

空と海と大地と第一幕と第二幕とアンコール

アンコールワット遠目

これでドラクエ8の曲は全て終わりました。

 

…が!

 

これで終わりではありません。必ずアンコールがあるのです!
…すると、すぎやまこういち先生からやはり待望の一言。

「これだけ拍手をもらっちゃあ、このままは帰れません!」

来た! そして伝説へか、ドラクエ10辺りの曲かな?とか予想していると…

「今日は特別に大スペシャルというか…最近オーケストラスコアを書き上げたばかりの曲をいっちゃいます」

え、これはまさか!?

「今日はドラゴンクエスト11の曲を演奏します!!」

なに~~~~~!!! もうできてんのか!! ドラクエ10どころか11の曲とは予想できなかった!
果たしてなんだろうか。城か、街か、フィールドか、戦闘か…かなりワクワク状態です。
そして演奏が始まると、最初に奏でられたのは…

 

金管で「タンタタン、タタタタン♪」

 

…あれ、これなんか聴いたことあるけどもしかして?

 

少し音が上がってまた「タンタタン、タタタタン♪」

 

むむ!

 

そしてまた「タンタタン、タタタタン♪」

 

こ、これはやはり…! と思っていると、次はバイオリンがながーく音を引っ張り、それにティンパニが加わります。

 

む…いや、これは全然違う神殿かなんかの曲かな?

と思ったその矢先! ついに流れました!

 

金管で「タンタタンタタタ、タタタタタタ、タタタタタタタタタ、タンタタン、ターンタタンタンタンターーーン♪」

 

うおおおおお!!!

 

…って、字面じゃあ全然わかりませんね。

要はこれは、ロト編のイントロなのです!

ロト編のイントロがアレンジされて、より壮大でもったいぶった感じになってここに復活したというわけなのです! ロト編を知らない人からすれば、なんやそれ。って感じですが、知ってる人からすると驚きがやばいです。

ドラクエ11のサブタイトルが「過ぎ去りし時を求めて」なので、ロト編と絡んでくることを示唆している以外にはありません。(※ロト編とは、ドラクエ1、2、3のことです)

イントロの後はドラクエ10の序曲をベースにした、マーチ・行進曲風の序曲でした。

 

11の曲ときいて序曲だったのは少し拍子抜けもありましたが、またもやイントロを新しくしていて、しかもロト編のアレンジで、なおかつ今までのイントロ3つ全てに劣らぬ素晴らしいイントロだったのは嬉しかったです。

これはドラクエ11には期待がかかります!!

 

まとめ

…ということで、ドラクエ8のコンサートは全体を通して、非常に素晴らしく、楽しめました。友達との会話もかなりはずみ、その後は焼肉を食って帰りました。焼肉はおいしいですね。

次は私が好きなドラクエ7のコンサートを聴きに行きたいと思っているのですが、今のところ7のコンサート情報がないので、しばし待つとします。

ドラクエファンの方は、ぜひオーケストラで聴いてみてください。そして、ドラクエファンじゃなかったとしても、一度は聴いてみて欲しいです。

それではまた!

ドラクエをひたすら熱く語る記事はこちら

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紅葉葉 秀秀逸プロフィール

 ●紅葉葉 秀秀逸
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 趣味:筆記体を投げ倒す、座右の銘:「ラー油の上」、年齢:鳥


        

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ぶっとびアクション映画『抜本-BAPPON-』公開中

【当ブログ制作の”本で戦う”新感覚アクションムービー公開中】
少子化で滅亡の危機に瀕した日本を、本で戦い本で救う、爽快バカアクション!
本編はこちら

-ゲーム, ドラクエ, レビュー・体験記, 作曲
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