物語を考えるとき。
小説でも映画でもRPGでも演劇でも何でも構いません。
世界観は重要となりますよね。最も重要なのは”お話”、つまりストーリーかも知れませんが、世界観もやはり重要です。
…で、そんな世界観づくりが極まってくると、架空の言語・空想の言語が必要になることもあるわけです。宇宙人との出会いだとか、謎の民族の住む地に入りこんだりだとか、古代人だとか、しゃべる鼻毛だとか…
鼻毛と言う唐突なジョークはひとまずおいといて、とにかく”現実には存在しない言語”を登場させることで、世界観を徹底的につくりこむわけです。
というわけで、本記事では、そんな風にしてつくられた架空言語・空想言語についてまとめました。
- 有名な架空言語
- 作品ジャンル別の架空言語
- 架空言語の作り方
この三本立てでまとめています。
架空言語なので、完全に思うがままに自由につくってもいいのですが、先人の知恵をのぞき見れば新たなインスピレーションが生まれるかも知れないからいいと思います。
そんないい内容、ぜひご覧ください。
有名な架空言語・空想言語
まずは、有名なものをバーっと紹介します。何事も王道は大事なので。
- J・R・R・トールキンの中つ国の言語
- ジョージ・オーウェルの『1984年 (小説)』におけるニュースピーク
- ヴァーツラフ・ハヴェルの『メモランドゥム』におけるプテュデペ
- アンソニー・バージェスの『時計じかけのオレンジ』におけるナッドサット
- イアン・M・バンクスの『ザ・カルチャー』におけるマライン
- アーシュラ・K・ル=グウィンの『所有せざる人々』におけるプラヴ語
- クリストファー・パオーニの『ドラゴンライダー』における古代語
- リチャード・アダムスの『ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち』における ウサギ語
- もっとも一般的に話される架空の言語である『スタートレック』におけるクリンゴン語
- 『スター・ウォーズ』のマンダロリアン語
J・R・R・トールキンの中つ国やら、スター・ウォーズやらと、伝説級の作品がリスト入りしてますね。どちらも世界観の深さが半端ないことで有名な作品なので、やはりな、という感じですかね。
しかし、これだけで終わると、Wiki見りゃいいじゃん。となってしまうので、ここから下は、架空言語について語っているサイトをまとめています。
上記ほど有名な作品ではなくとも、架空言語が出てくる作品と言うのは世の中にけっこうあるというのが伝わると思います。けっこうあります、ほんとに。
ゲーム・漫画・小説…ジャンル別架空言語まとめ
ここからはゲーム、漫画・アニメ、小説、映画、音楽とジャンルごとに、架空言語の使われている作品をまとめた一覧を紹介します。
各作品で架空の言語がなんと呼ばれているかも書いています。調べても不明なものは不明としています。
ゲーム
ゲーム、特にRPGだと架空言語は結構登場します。まじめに作りこまれてるもの、適当に一瞬だけ出てくるものとピンキリですが、なんにせよ謎の文化と出会う表現にはかなり効果的な手法でしょう。
ドラクエ好きな私個人的には、ドラクエの呪文「ギラ」とか「パルプンテ」とか「ベホマズン」とかも架空言語に片足突っ込んでる…と主張したいのですが、ここに並べるのはやめておきます。
- ゼルダの伝説 ハイラル語
- ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス ミドナ語
- Skyrim ドラゴン語
- モンスター・ハンター 何語か不明
- ICO ICO語(通称)※全編通して架空言語
- Panzer Dragoon Panzer語(通称)
- テイルズオブエターニア メルニクス語
- 風のクロノア ファントマイル語・クロノア語・ロロ語
- StarCraft プロトス語
- XEVIOUS ゼビ語
- Final Fantasy X/X-2 アルベド語
- Final Fantasy XIV エオルゼア語(文字のみ)
- MYSTシリーズ ドニ語
- XENOGEARS ソラリス語
- アルトネリコシリーズ ヒュムノス語
- MOTHER2 どせいもじ(正確には単に読みにくい日本語)
アニメ・漫画
ラピュタの「バルス!」が一番有名な架空言語かも知れませんね。たった三文字ですが、あれは架空言語を使った大成功例の一つでしょう。まあ、呪文に近いですが。
- HUNTER×HUNTER ハンター文字
- ATLANTIS:アトランティス アトランティス語
- 王立宇宙軍 オネアミスの翼 王国内宮廷語と隣国の言葉
- 銀河漂流バイファム ククト語
- 超時空要塞マクロス ゼントラーディ語
- 超時空世紀オーガス02 ザーフレン語
- 風の谷のナウシカ ドルク語・エフタル語
- 天空の城ラピュタ ラピュタ語
- 魔法少女まどかマギカ 魔女文字(文字のみ)
映画
有名な架空言語で取り上げたものが多いですね。映画の架空言語はインパクトが大きそうですね。大画面で実際に発音されますし。スター・トレックのクリンゴン語は実際にその言語を話すファンが結構いるそうです。
- スター・トレック クリンゴン語、ロミュラン語、バルカン語
- スター・ウォーズ マンダロリアン語、ハット語、ジャワ語、イウォーク語など
- ブレード・ランナー 混成語
- エイリアン・ネイション テンクトン語
- ホ・ギ・ラ・ラ ホ・ギ・ラ・ラ語
小説
細かいものを入れるとWikiには膨大な量があるようでしたが、比較的有名なものを抜粋しました。
特に「指輪物語」の言語はほかとはレベルが違うほどに作りこまれているというので、架空言語フェチにはたまらないでしょう。
- 「指輪物語(ロード・オブ・ザ・リング)」 エルフ語、クゥエンヤ語、シンダール語など
- 「星界の紋章」シリーズ アーヴ語
- 「狗狼伝承」シリーズ クシュカ語
- 「日月両世界旅行記」 月世界語など
- 「Ambient」 アンビエント語
- 「時計じかけのオレンジ」 ナドサット語
- 「1984」 Newspeak (新語法・ニュースピーク)
- 「夢の樹が接げたなら」 ユメキ
- 「ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち」 ウサギ語
- 「パラドックスの世界」 英語・日本語等を逆から読んだ仮想言語
- 「ヴォイニッチ手稿」(小説ではないかも) 解読不能
音楽
歌の歌詞を架空言語にしたというもの。ボーカロイド系のオリジナル曲にもちょいちょいその手の歌はありました。
- ロード・オブ・ザ・リングテーマ曲「メイ・イット・ビー」/Enya Loxian語
- パンツァードラグーンEDテーマ曲「ANU ORTA VENIYA」 パンツァー語
- テイルズオブジアビス挿入歌「譜歌~song by Tear~」 何語か不明
- スプラトゥーン「シオカラ節」 何語か不明
- ロコロコテーマ曲「ロコロコのうた」 ロコロコ語
- 「Beyond The Century」/アディエマス 何語でもない
- 主に参考にしたサイト:人工言語野
上記サイトに載っていないものは色々見て探しましたが、かなりの量がここで紹介されているので、興味のある方はぜひどうぞ。
番外編
- エスペラント語
実用的な運用のためにつくられた言語であって、作品内の架空言語とはちがうものの、一応紹介しておきます。
全世界に100~200万人くらい話せる人がいるらしいですが、日本にいる限り、ほぼこれを使うことはないでしょうね。ギャル語とかスワヒリ語の方がまだ通じますね。当たり前か。
架空言語の作り方
さて、次は作り方。架空言語の作り方です。
RPGツクールなんかでどっかの街で架空言語を出したいとか、自主制作映画でSFものを撮っていて宇宙語を登場させるとか、鼻毛語を作るのが趣味だという方の役に立つことでしょう。
初心者はまずここから「人工言語の作り方」
人工言語の作り方をなぜか丁寧に解説しているサイトです。
1:人工言語とは何かを説明しています。
2:人工言語・架空言語・創作言語を作りたいけど、どうやったら良いか分からない。そんな人に作り方をご紹介しています。
3:筆者自身の言語制作の体験談をご紹介しています。
架空言語初心者にお勧めなサイト。架空言語初心者って響きが面白い。
超お手軽に作るなら「新生人工言語論 - レトルト人工言語 - wiki(アットウィキ)って何?」
新生人工言語論 - レトルト人工言語 - wiki(アットウィキ)って何?
既存の言語をもとに、たとえばアルファベットにして逆さ読みにするとか、そういった簡単に作れる方法が解説されています。
ちなみに、本格的な作り方に踏み込んでいる「人工言語学」というページもあります。
気楽から本格まで「SF・ファンタジーに使える(?) 架空言語の作り方」
SF・ファンタジーに使える(?) 架空言語の作り方|Takamuko::blog
ここでは三つの言語を紹介しましょう。
- メルニクス語(テイルズオブエターニア)
- グロンギ語(仮面ライダークウガ)
- 竜語(スカイリム)
どれも「既存の言語の音素を置き換えた」だけであったり「特定の語彙を既存の文法に乗せた」だけであったりします。
これだけでもけっこうミステリアスな感じになるので、一般的にはこれで良いと思います。
具体的な作品の架空言語を例に、とっつきやすい解説がされています。
最初の方は気楽に読めるものの、後半は結構難解な内容も出てくる、よくできた解説記事になっています。
まとめ
以上、有名な架空言語から、ジャンル別の架空言語、そして架空言語の作り方と、幅広くまとめてきました。各作品ごとの言語の成り立ち方なんかは書ききれませんでしたが、「人工言語野」というサイトを見ると結構載ってるのでおすすめです。
私は面白そうなところで頓挫するRPGを作ろうとしたり、求められていない映画を撮ったりと色々創作をやってますが、まだ架空言語をつくったことはないですね…。もし作ることになったらこの記事を見返そうかな、と思いつつ、終わります。
ばらさ。(もちろん、これは「さらば」を意味する架空言語。)
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