『リアル自宅警備員』制作記 動画紹介 自主制作映画

AfterEffectsのベガスを使ってパスに沿って電流を流す二つの手順【講座】

2017年12月21日

どうも。これは、必要に駆られて「コンセントに刺したコードに激しい電流が流れる」動画を作らなくてはいけない状況に陥った人のための記事です。は陥りました。

コンセントといえば当然電気が流れるものですが、基本的に電気は目に見えません。コンセントに刺したコードをカメラで撮影しても、ただ淡々としたコードが映るだけで、中を電流が流れていることは伝わりません。

ピカチュウの電気ショック並みに、あからさまに激し電流が流れる表現をするには、やはり動画編集ソフトを使う必要があるわけです。

 

というわけで、AfterEffectsを使用して、それを再現する方法を簡単に説明します。

別にコンセントに刺したコードでなくても、電流が流れる動画を作りたい人全般に役に立つものと思います。

 


AfterEffectsのベガスでパスに沿って電流を流す方法

端的に言うと、アフターエフェクトのベガスエフェクトを使う。ただそれだけのことですが、もう少し詳しく説明します。

まずは下記の動画を軽く適当に見てください。TORAERA DOUGAさんの動画講座です。

しょっぱなからビリビリ電流が流れてますよね。こういうのがつくれます。

実は、これを全部きちんと見るだけでもやり方がわかる人もいるような内容なのですが、動画は17分46秒あって長いので、この記事ではかいつまんで説明します。

私は実は講座系の動画を見るのはあまり好きではなくて、記事系の講座の方が好きなんですよね。動画はスマホだと読み込み時間がかかるし、どこに知りたい情報があるかがわからなくて全部見なくちゃいけないのが厳しい。

 

てなわけで、ベガスという機能を使ってパスに沿って電流を流す方法を解説します。

 

ベガスとマスクパスを使おう

まずは、電流を流したい動画を読み込みます。私の場合はこれです。

コードに巻かれたスーツの男を撮影した動画です。

「なんでこんな謎な動画があるのだ? なぜなのだ?」

と思ったバカボンのパパ口調の方に説明すると、私は映画撮影・制作が趣味なので、映画のストーリー・設定の都合上、いろいろと謎動画を撮影する機会があるのです。

今回は、今制作している新作自主映画のストーリー上の必然的な流れにより、このコードに激しい電流を流す必要に駆られたのであります。

動画を読み込んだら、二つの手順を踏めば完了します。解説していきます。

 

手順1.電流を流したい箇所にマスクパス

さて、動画を読み込んだら、次はその動画に対してマスクパスを切ります。

↑メニューからペンのアイコンをクリックするとマスクパスがつくれます。

電流を流したい部分に沿って、マスクパスを書いていきます。ポチポチとクリックしていくとできます。ここはやればわかると思います。

私の場合はコードに電流を流したいので、コードに沿ってマスクパスを書きます。コードがいろんなところにあるので、マスクパスを6つほどつくりました。

このような感じになります。

このマスクパスをつくるのが一番大変だと思います。動かないものに電流を流すなら簡単ですが、激しく動くものに流す場合は、1コマずつマスクを書いていく作業が発生します。(マスクをトラッキングすることもできますが、激しく動くものだとブレて使い物にならない)

 

手順2.マスクパスにベガスエフェクトを適用

そうしたら、次は平面レイヤーをつくり、そこにベガスエフェクトを適用します。ベガスエフェクトは「エフェクト」→「描画」内にあります。

そして、先ほどつくったマスクをコピーして、平面レイヤーに貼り付けます。

そうしたら、赤丸の部分を「マスク/パス」にします。

これで、マスクパスに沿って電流が流れます。まあまあ簡単ですよね。

私の場合はマスクパスにめちゃくちゃ時間をとられましたが、それが簡単にできる場合はさほど時間はかからないはずです。

あとは、細かい数値をいじって、理想の電流を作り出せば完了です。

電流が流れ始める様子を表現したい場合は、「線分数」という項目内の「長さ」というステータスを0から1に変化させればOKです。

電流を激しくするなら

また、電流を激しくしたい場合は、更にタービュレントディスプレイというエフェクトを適用させます。もしかするとこれは大抵必要になるかも知れません。その場合は3つの手順になりますが、まあ、これもさほど大変ではありません。

「量」と「サイズ」を増やすと激しくなり、減らすとおとなしくなります。

私はいろいろいじって、電流を重ねたりし、このような見た目にしました。

ベガスにめちゃくちゃガウスブラーをかけて(350くらい)、ほんわか光っている表現をしたり、タービュレントディスプレイの度合いや色を変えて、同じマスクパスに複数の電流を重ねたりと、いろいろ工夫をしています。

これはなかなか大変でした。

 

おまけ話

撮影時&脚本を考えていた時は「コードに電流をビリビリ走らせるのはきっと【稲妻エフェクト】でどうにかなるだろ」と考えていました。

撮影時は時間も相当押していて、電流エフェクトを流しやすいように撮るなんてことを考える余裕はありませんでしたし、どうにかなるだろ精神で撮っていました。

↓そのときの撮影記。赤裸々。赤裸々ランド。

しかし、調べてみると稲妻エフェクトではどうにもならなそうだと発覚。(アルファチャンネルに沿って稲妻を走らせるとかはできるのですが、アルファチャンネルをコードに沿って1コマずつ変えるのができないと思われる)

そこでもっともっと調べ倒し、ベガスでできることが発覚したわけです。そして、覚えたての技をこうして記事で公開しているわけですね。いやあ、人に教えるには自分が知っていないとならないわけですから、この記事を書くことで自分の理解が深まって良い感じです。

撮影時適当にやっても、あとでなんだかんだどうにかできるというのは今まで何度も経験してきましたから、その辺りは謎の自信がついてきています。実際、今回もどうにかなりましたからね。

自主映画処女作では「手から波動を出し、それを本でぶった切って跳ね返す」という謎の戦闘シーンもありましたが、すべてうまく編集で仕上げられました。

↓自主映画処女作の記事

編集は大変だけど偉大です。

 

まとめ

というわけで、今後もまだ少しは新たなことに挑戦していくはずなので、また紹介できるネタができたら書いていきます。今の映画ができたらしばらく休むかもしれませんが、まあ何かしらはやると思うのでそのときはよろしくです。

では。

↓マズルフラッシュの作り方を解説してる記事。

 

ちなみに、YouTubeでアフターエフェクトのチュートリアル動画を投稿してるので、気になる動画があればチェックしてみてくださいね。