ジャポニズムってなんか響きが若干アホ臭いんですが、この度私、非常に素晴らしい展示を見てきました。いつも映画ばっかり撮ってる私ですが、映画撮影以外のことも当然するのです。
というわけで行ってきたのは…目黒駅の雅叙園で2016/8/28まで開催している「和の明かり×百段階段2016」です!
やっぱり日本文化って西洋・欧米文化とは全然違うアプローチで面白いですね。西洋&欧米にベッタベタに染まってきている今だからこそ、逆に日本文化は珍しいものになって注目されやすいとも思いますが。
などということを書道を習ってたけど中学でやめた私がのたまっています。
では、その展示がどんなものだったのか? 写真を貼りまくりつつ紹介したいと思います。
目黒雅叙園「和の明かり×百段階段2016」とは
まずは展示そのものの説明をさらっとします。
これです。このHPからして良い雰囲気が伝わってくるのですが、本物はこんなWEB媒体には負けない良さでした。まだまだアナログは強いわけです。
そもそも雅叙園は結婚式場なわけですが、こういう展示とは関係ないところでも、細部に至るまで工夫が凝らされた建築・内装になっています。トイレの中なんか高級料亭のようでしたからね。橋がありましたよ。トイレに。
そんな雅叙園の中でも特に凄いのが、「百段階段」というところです。階段を上っていくと、途中途中に趣向の違う、凝った”間(部屋)”があるわけです。そして、今回開催されている和の明かりは、その部屋の中で更に凝った”和”な展示をしよう! というものなわけです。
部屋自体が凄いのに、そこに更にまた凄いものを展示するわけだから贅沢な展示ですよ本当に。
そんな贅沢な展示を、写真と共に紹介していきます。写真多め、コメント軽めで行きます。
玄関入り口で出迎えるのは大量のかわいい金魚達
雅叙園に入った瞬間…というか、入る前からもう見えてます。結構壮観です。これはお金を払って入場しなくてもある程度は見られます。
近づくとこんな風になんだか情緒深い。
緑もあります。
かと思えば、最後の辺りに黄色・黒・青・緑が勢ぞろいします。これ、結構見落とす人多いと思います。
エレベーター内にも立派な装飾
金魚ゾーンを抜けると、いったんエレベーターに乗り、展示ゾーンまで移動となります。
あまり伝わりませんが、エレベーター内もこんな装飾が全面に施されており、荘厳な空気感。デパートとは一線どころか三線くらい画してます。
素晴らしい和風展示「和の明かり×百段階段」に本格突入
そこを出て、靴を脱いだりしながら進んでいくと、百段階段が現れます。全ての階段に1、2、3…と番号が書いてあるので、何段上ったかがすぐわかります。唯一ここだけ、ほんのちょっと情緒を欠いてるような気はしましたが、まあいいでしょう。
ここからは展示順をはっきりとは覚えてないので、ちょっと順番が前後するかも知れませんが、紹介していきます。
和紙と墨のシンプルかつ迫力芸術
これ、龍です。龍のドアップ写真です。うーん、ド迫力!
和紙自体にも凝っているようで、福井県和紙工業協同組合の名前や岐阜県・美濃市の「美濃和紙」など、和紙に関する情報も色々と載っていました。
個人的にはこの絵が何とも言えない迫力があってよかったです。美しさゆえの完璧なものが魅せるような冷たさと、白黒ゆえの冷たさ、真ん中だけがぼんやりと明るくなっていて明暗の差が生まれている怖さ…古典の「凄し」という言葉が「ぞっとするほど素晴らしい」という意味を持つ理由が理解できるような絵です。
この展示は比較的大衆向けな気もするのですが、なんにせよこれは良い絵でした。
ほか、こんな立体的な龍の作り物もありました。手に持っているのはドラゴンボールにしか見えません。
更にこのように、
色々と和紙の可能性を感じるような展示が盛りだくさんでした。
青森ねぶた祭の世界観を堪能
ねぶた祭りの空気感がこの間には漂っています。結構混雑しているので、写真を撮るにもひと工夫必要でした。
こちらは立体的な存在感でド迫力。墨絵とは違う迫力。
龍です。こちらも墨の龍とはまた違う、今にも動き出しそうな迫力がありますね。
コンセプトは、「部屋その物をねぶたの山車に見立てる」だそうです。どこからか湧き上がる、部屋を埋め尽くすような祭りの熱気の理由がわかった気がします。
違う間にはこんな龍もいました。こちらも混雑で撮るのが大変でした。龍の前髪が特徴的です。神話のような世界を感じられます。
服だけでもストーリー性を感じる風情
和服っていいですね。
ドラクエの踊り子をなんとなく思い出しました。こんな服着てるキャラはいませんが、それくらいファンタジーな空気を私は感じました。安易だけど。しかもドラクエって西洋よりだけど。
こちらの服は、「今世和様衣紋」というようです。
妖怪ゾーンもありました
こんな感じでちょっとおどけた妖怪ゾーンも。左にあるのは顔はめパネル。もう一個あります。
そして、この真ん中の猫は小さいバージョンが展示の色んな所に隠れてます。
命宿るような小物ゾーン
神は細部に宿る…という言葉を思い出すような、素晴らしい小物ゾーンもありました。
神は細部に宿るという言葉の意味とは直接は関係ありませんが、”生きてる小物たち”というような印象を受けました。
かわいい鹿。トナカイかな。
妖艶です。
散ってなお、命を輝かせる紅葉達
小物に引き続き、今度は落ち葉となって死んだはずの紅葉が美しく明かりを照らすゾーンです。
紅葉が美しいのは今に始まったことではないのですが、
こんな風に、
そしてこんな風にほおずきも穏やかに命を灯すように光っていて、とにかく心が安らぐ空間でした。現代の大量消費、効率・スピード重視みたいな社会をなんとなくアホらしく感じもします。アホです。
一転して清涼な日本の空気感 ”頂上の間”
さて、ここまで色々見てきて、頂上まで上り詰めると、今までの赤・黒・橙系の温かみや深さを感じる空間とはまた変わって、爽やかで清々しい水色と白を基調とした空間が広がります。
頂上の間。こちらは風鈴が穏やかに、そして爽やかにゆらゆらと揺れる、癒しの空間です。
室内故、風がないのであまり風鈴は鳴っていませんが、今までの部屋との雰囲気の違いになんとなく「ゴール」を感じます。
壁には影もできるので、立体的で流動的なアート空間になっています。
鳥たちが睨みあい、会話をしているようです。
動画も撮ってみました。こんな空間です。
百段階段は実は99段しかない
最後に小ネタ。というか、深そうな雰囲気のお話。
なんとここまでテクテクと上ってきた百段階段、実は…
なぜか99段までしかありません。
理由は諸説あるもののよくわかっておらず、一言でいうと、
「縁起がいいから」
だそうです。
あまりよくわからないぽいです。
最後、頂上にはおまけ的な感じで、こんなお風呂も展示されていました。江戸川区のゆるキャラ的なやつがいますね。謎です。
以上!
まとめ
このように非常に良い感じでした。帰りに雅叙園内を周ってみると、そっちも展示レベルの凄い建物なので楽しいと思います。
振り返ってみると、目黒雅叙園は感動がそこら中にちりばめられた建物でした。建築物もやっぱり芸術ですね。
自主映画撮影が趣味の私も、特に芸術的な映画を撮ろうと思ってるわけではありませんが、音楽やら絵やらでは芸術的な方向も大いに興味があります。表現を通して人に何が伝わるか? 「和の明かり×百段階段」はそれくらいのことも考えさせる展示でした。
是非行ってみてください。