とんかつの名店といって、一番最初に名前が挙がることも少なくない店「ポンチ軒」。
ミシュランビブグルマン常連店でもあるが、やはりその評判は本当だった。
また、ポンチ軒はかつて赤坂にあった名店洋食屋「フリッツ」と関連があるらしい。そのフリッツの名を継承したという後楽園・小石川の「フリッツ」には2回ほど行ったことがあるが、そこも非常に美味しかった。
フリッツにもとんかつがあり、これがそこらのとんかつ屋よりも正直美味しかったので、そちらもおすすめしたい。
店舗外観
まあまあ広めの裏通りにある。外からでもすでに老舗の風格はにじみ出ている気がする。
厚切りロースとんかつ
厚切りロースとんかつ定食 3,240円
一人で頼むには気が引ける、350g(らしい)の沖縄産豚とんかつ。この日は二人で来たので頼んだ。見ての通りのボリューム感である。
しかし、うまいとんかつであればこのボリュームでも嬉しいものだ。
そして塩好きの私に朗報なのだが、名店にありがちな「塩がおすすめ」はポンチ軒にも当てはまる。
特に、脂身の多い真ん中あたりを取って塩に付けると…
ソースがなくとも水っけも感じられるほどで、あまり豚に使わない表現かも知れないが、まさに「ジューシー」である。塩が肉に浸み込み、とにかく絶品。肉がめちゃくちゃ柔らかい。特に、赤身が素晴らしい。
「うまい」
と無意識の内に言ってしまうほど。
スイカに塩をかけると甘さが際立ってうまい、というのがあるが、塩で肉の脂身のうまさが引き立つ。それを包む衣も、もちろん素晴らしい。絶品。
脂もしつこくないし、どんどん食べたくなる。
また、脂身のあまり多くない部分は、ソースもお勧め。ソースでも塩でもどちらでもとにかくうまい。
ボリュームが非常に多いので、小食の私は後半少し苦しくはなるが、脂で気持ち悪くなることはなかった(結構なることが多い)。
きれの端は脂が少なく、真ん中の方は脂が多め、という形になっていた。真ん中の方が脂も赤身もあり、よりうまいと思う。脂はもちろんやわらかいのだが、スジがあることもあり意外と噛み切れなかったりする。人によってはその辺りが気になることもあるかも知れないが、全体的に見ると全然気にならない。
豚汁
味噌汁と豚汁の中間のような味わいだった。
とんかつ屋だと豚汁な場合が多いが、味噌汁っぽさもあるので口直し的な効果もあり、これはこれでありだなと思った。
こちらも美味しい。
ポテトサラダ
ポテトサラダはじゃがいも感をしっかり感じられ、どこか懐かしい味わいがあった。さっぱりしつつ、こってり感も若干あるバランスのよいポテサラだった。これも美味しい。
ミックスフライ定食
ミックスフライ定食 2,240円
厚切りロースとんかつ定食と同時に頼んだのが、こちらのミックスフライ定食(実際にはこっちが先に来た)。
うまいとんかつ屋は大抵、ほかの揚げ物系もうまいので、ポンチ軒のミックスフライにも期待していたが…
これが正直予想を超えてうまかった!
↓「かつ好し」も車海老がめちゃめちゃにうまかった。
たれはおろし系のさっぱりなソースと、濃厚めなタルタルの2種あるが、それぞれ違った美味しさを楽しめる。
メンチカツは「人気のメンチカツ屋」で食べるメンチカツよりもうまいのでは? と思うほど、外はサクサク、中は脂が多過ぎないほどよいジューシーさで最高だった。
エビフライも、おろしソースであればさっぱり風味でエビのうま味が引き立つし、タルタルはタルタルで衣と合わさってガッツリなうまさが感じられるしで、とにかくいずれもうまかった。
全体的に、さすが名店という仕上がりで、とにかくうまかった。もちろん、お勧めの店である。