ロボットアニメ好きだったら聞いたことあるかも? そして、アニメでのミサイルのかっこいい表現が好きな方ならほぼほぼ知っているかも? なのが、板野サーカスです。マクロス好きは知ってるでしょうね。
興味のない人向けに説明すると、複雑でかっこいいミサイル(など)のアニメーションの表現技法・作画技法のことですが、実際には色々と細かい定義があります。
それも簡単に説明しつつ、今回は板野サーカスを動画編集ソフトで再現することにチャレンジした、そんな果敢な動画を紹介していきます。
はい、要は私が作ってみたいから調べたのをまとめたわけですね。どうも、映画制作が趣味の管理人です。かっこいい大量のミサイルも技術と工夫で、個人が一人で作れる時代。夢がありますよね。
板野サーカスとは
知っている方はとばしてください。
結構、色んな解釈・説明があるので、かいつまんで説明します。
アニメーター板野一郎によって確立された映像表現技法の一つであり、「高速で動く物体とそれを追う高速で動く物体を、高速で動くカメラが捕らえた映像」である。
画面狭しとばかりに埋め尽くされる多数のミサイル群の高機動(ハイパーマニューバ)に目を奪われがちだが、重要なのはミサイルの数ではなく、空間のデフォルメ演出である。
引用:ニコニコ大百科
よくわからないかも知れませんが、要は、板野サーカスというのは、実は複雑なかっこいいミサイルアニメのことではない…ということです。
ただ、板野サーカスという映像表現技法を使われるのが、大抵はミサイル大量発射シーンなので、一般的にはそう思ってても日常に支障はないでしょう。ただ、詳しい人と話すときはこの辺は複雑なので触れずにごまかしましょう。
「たとえミサイルが一つでも、その流れが綺麗なら板野サーカスである」という話もあり、事態はより複雑になるのですが、そこは今回はスルーします。
ほか、板野サーカスで特徴的なのが、
- 目標へ一直線に飛んでいく物(優等生タイプ)
- 目標の回避運動をを予測して先回りする物(秀才タイプ)
- 敢えて目立つ為にジグザグに飛んでいく物(劣等生タイプ)
引用:ピクシブ百科事典
この分類です。
ミサイルに個性を振り分けることで、アニメーションをより複雑で面白く、生き生きとさせている…のだと思います。
気になった方は、「板野サーカス」でニコニコ動画などを検索してみると、凄いのが見られます。職人技かつ天才的な複雑さを知ることができます。
特に凄いのだと、ただアニメーションが凄いだけではなくて、その中に戦闘機がミサイルをどう回避したか、とかの展開・ストーリーが組み込まれていることもあります。
板野サーカスの再現を試みた動画まとめ
それでは、やっと本題です。板野サーカスの凄さに魅了された人たちや、そういった人たちの要望に応えるべく立ち上がった人が、再現を試みた動画を上げています。
手書きのアニメで再現はちょっときつすぎるので、After Effectsなどの動画編集ソフトを使用して再現した動画をここではまとめます。完璧再現にはなりませんが、実用的です。
【3DCG】物理エンジンで板野サーカスを再現した動画
blenderというソフトのboidsという魚群シミュレーションを機能と使用して板野サーカス再現にチャレンジしたこちらの動画、動画の最後に自ら改善点をいくつも掲げていますが、途中の迫力はアニメのクライマックス的な雰囲気があり、凄いです。
なんたって、ミサイルの総数320個! これは手書きじゃ無理ですね。細かい演出ができない分、手書きにはできない”数で勝負”を仕掛けるのは正解かも知れません。
板野サーカス風演出テスト
After Effectsで板野サーカスの導入的な演出を再現した動画。板野サーカス「糸引き」テスト After Effects編という記事で、作り方をある程度詳しく解説されています。
「元のランチャーが飛来して破裂→6発のミサイルが飛来方向へ発射される」といった流れ。
ビジュアルとして意識に残る「糸引き(飛行起動気流)」のアプローチ。
※完全な板野サーカスの再現を目指すものではないのであしからず。
と書いてはあるものの、レベルはやはり高いです。プロの方の動画のようなので。
板野サーカスの複雑な軌道やカメラアングル・フレアなどはありませんが、これだけでも「おっ!」という演出にはなってますね。ぜひ真似してみたいものです。
【AfterEffects】ミサイル演出【3dsMax】
After Effectsと3dsMaxというソフトを使用して、板野サーカス的なミサイル演出を実現した動画です。爆発も結構いい感じです。
「板野サーカスの再現」とは書いてないのですが、板野サーカスが世の中になければ生まれていなかった動画なのではないか…という勝手な憶測と共にここに入れました。
板野サーカスシミュレーション
After Effectsによる再現ではなさそうな上に、なんだか物理実験みたいな動画ですが、計算式などで板野サーカスをシミュレーションした動画です。
軌道がシアンなのが「優等生型」、マゼンタが「秀才型」、イエローが「劣等生型」です。戦闘機の経路は赤色です。
とのことです。NHKの「マサカメTV!」という番組の「大公開!日本のアニメに秘められたスゴ技」という回で、これについて語った方が作成した動画の様子。
おまけ
よくわかりませんが、ミサイルサーカスです。クレヨンアニメ的なので板野サーカスをやるとわけがわからなくなる、ということがわかりました。でも作るのは大変そうですね。
まとめ
職人×天才的な技で表現される板野サーカス。動画編集ソフトでその全てを再現するのは無理ですが(手書きによる誇張表現があるので物理エンジンでは難しそう)、比較的お手軽に近い表現ができるのは面白いと思います。
現実ではミサイルは発射されないに越したことはないので、その迫力などはアニメ・映画の世界で堪能しましょう。映画制作が趣味と最初にのたまいましたが、次回作では挑戦する予定です。
さ、ミサイルを見終わったら襲い掛かる複数の現実を回避する現実サーカスでも始めますか。え? 現実は楽しいから逃げる必要ないって? そうですね、私も映画を作る現実は楽しいですよ。ええ。
わっはっは!
ーおしまいー
ミサイル動画はここでもまとめてます
その他、爆発はこっち
これらを可能にする動画編集ソフトAfter Effectsはこれ