自主制作映画=マイナー
あなたの頭の中にそんなイメージはありませんか?
私も「映画なんて撮れるわけない」と、そう思って20年以上生きてきました。作曲は中学からしていたのですが、それでも映画撮影は全然できる気がしませんでしたし、してる人を見ると特異なことをしてるなあ、くらいに思っていました。
でも、大学で遊びでPVを撮ったりしているうちに撮影や演技が楽しくなってきて、自然と徐々に映画っぽい方向へとシフトしていったのです。
そして今、私は自主制作映画を撮っています。プロからすればどう思われるかはわかりませんが、撮ることはかなり楽しいです。みなさんもっと撮ればいいのにとすら思うレベルです。
…そこで!
今日は自主制作映画のすばらしさを知ってもらうために、自主制作映画があなたにもたらすメリットについて書いていきます!
毎日、退屈じゃありませんか? それならぜひ映画を撮りましょう!!
①日常を違う視点で見られる
毎日ぼーっと歩いていた通学路・通勤途中の道でも、映画に使えそうなところはないか? と思って歩くと色々発見があります。
歩道橋の下を通るときにふと上を見上げると、「アングルが違うだけでこうも迫力のある絵になるのか」などと思ったりもします。
歩く人を見ても、「この年代はこういう服装」「この人、頭脳派キャラの演技できそう」「この爺さん俳優いける顔だな」とか色々考えられます。
更に、昼飯で出てきたラーメン一つとっても、「このラーメンはこの店で5年間修行した人が初めて客に出したラーメンで、食べた客の反応でその人の行く末が決まる」とかのストーリーもあり得るなとか、「ラーメンのスープの底にラーメン屋で殺された男の代印具メッセージが書かれている」という展開は使いづらいけど意外だ、とか、色々発想が広がります。
そこまで気持ち悪い妄想をしなくても、この裏道ロケ地になるな~とかでも十分面白いです。
日常を非日常に変えていけるわけです。
②演技で違う世界に浸れる
これはわかりやすいでしょう。
典型的な例ですが、「私が悪の元凶だー!!! はーっはっはっは!!」なんて日常では絶対言わないので、いざ大声で演出じみて言うと気分がいいはずです。
命を懸けた戦いみたいなシーンの演技なんかも燃えるものがあると思います。恥ずかしいときもありますが、まあそれでも楽しいです。
普段とは違う自分になれるというわけです。ちなみに中途半端に照れながらやると逆に見てて恥ずかしいです。それだとやってても楽しくないし見たときに正直なんかきもかったりするので、完全に突き抜けた演技をしてやりましょう。
③撮影現場という現実も非日常で刺激的
演技や映画の世界が非日常というのはもちろんですが、撮影現場自体もけっこう非日常です。
これが結構うけます。
死ぬシーンで何回も何回も地面に倒れるなんてのも映画を撮ってなかったらまずやらないし、人がいない瞬間を狙って演技をすること自体もスリルがあるし、「俺はお前を愛していたんだ!!」なんてセリフを何回も言っていれば「周りはしつこい野郎が告白してんな…」って思うんだろうなとか思って笑えてくるし、単純にNGシーンとかも面白いです。
映画撮影がなきゃ絶対やらないことって山ほどあるので、いちいち新鮮です。このことも、「日常も目的意識を持ってのぞむと変わって見える」みたいな大真面目な教訓になりえると思います。
④嫌なこと・悲しいことがあっても映画に昇華できる
①に通じるものもありますが、映画を撮っているとけっこう色々昇華できます。
小説でもブログでもお笑いでもそうだとは思いますが、嫌なことがあっても「これはこういうネタになる!」のように考えることができます。
ミスをしてすごい連絡の嵐とかがあって焦ってるときでも、「現実世界とファンタジー世界の両方を行き来する主人公が、竜を日が沈むまでに倒さないと街が滅ぶけど、15時までに商品を納品しないと首になるから両方をうまいことこなすミッションが始まる」とかいう設定を思いついたり、「人って怒るとこういう声の出し方になるんだな」とか考えたりできます。(後者はさすがにあまりないですが…笑)
⑤みんなでものを作る楽しみを得られる
映画は創作の中でもかなり多くの人の力が必要なものです。
脚本のアイディアで登場人物を減らすことはできますが、やっぱり監督・カメラマン・役者・照明・音声・編集その他大勢の力があって始めて完成します。(私は人で不足なので音声や照明は用意できていない上に、色々自分でやっちゃいますが…それでも役者には感謝が巨大です)
完成したときにはやっぱり達成感があります。少し抜け殻にもなります。
学園祭の終了後みたいなものですね。それを映画だと映像という形でずっと残すことができます。
⑥日々が無駄に感じられなくなる
映画を作るのには時間がかかります。毎日仕事して帰って寝るだけだ…という日々でも、無理やり30分でも1時間でもいいから動画編集作業をしたり、脚本を考えたりしていれば、日々が充実します。
ほんとに死ぬほど忙しい場合は④を溜めていつか映画にぶつけましょう。
毎日完成に向かって進んでいる感じが単調な日々を創作の日々に変えてくれます。
番外編:人が少ない静かなところが好きになる
最後に番外編です。
これは結構丸い表現で言っています。
撮影をしていると楽しいことは満載ですが、逆に、「撮影」という目的があるので、それに対する「障害」も大量大漁状態にあります。それに関してはここで詳しく書いています。→自主制作映画の邪魔ものはこいつらだ!9つの障害とその対策法
要は、日常の場所を無理やり非日常として違う角度で切り取るので、日常のできごとがすごい障害になったりもするのです。「要は、」とか言った割りにわかりにくい表現になりましたすみません。
つまり、単なる通行人は「撮影を中断する大いなる敵」になるし、近くで盛り上がる女子高生は「セリフをさえぎる恐るべし騒音」になるし、撮影構図内のベンチに座ってほのぼのするおじいさんは「怒りを隠せぬ最大の好敵手」となり、警備員が来れば「魔物が現れた!」となります(?)。
ほか、みんみん蝉も忌まわしきスピーカーになり兼ねないし、いろいろな物が壁として立ちはだかります。
なので、人が少なくて静かなところ(蝉もいない)で撮影となると「絶好の場所だ!!」とテンションが上がるようになります。
これはよいこととも悪いこととも言えませんが、自分の中に面白い視点が植えつけられたなあ、とたまに思います笑
まとめ
このように、自主制作映画はあなたに様々なメリットをもたらす素晴らしいものなのです!
もはや人生を変えるレベルです!
とか言うと怪しい勧誘になりますが、自主制作映画なんぞを撮ってる時点で怪しいので気にしません。
みなさんも街中で自主制作映画撮ってそうな人を見かけたら、大きな声でしゃべりながらずっと近くに立ち尽くしつつ警備員を呼び、蝉を放ってください。
そうすれば彼らはその嫌なことをネタに、また新たに自主制作映画を撮り始めることでしょうから…