(↑こちらも伊豆の東郷博物館にて。将棋だけでなく、碁も本人が使っていたものを触らせてもらえました。)
どうも、全国の中学校に将棋部が少ないことを不満に思っている三文享楽です。
いやあ、中学、高校、大学とずっと将棋してましたねえ。大学では紅葉葉くんのケータイに向かってやっていたものです。
さて、今日は石田流という将棋の戦法についての記事です。
石田流…
どんな流派でしょうか。
それはあまりに強烈な戦法、少しの間、語調でも変えてみますか。ふふ。
石田流とは
江戸時代中期の盲目の棋士、石田検校が生み出した将棋の戦法である。
升田幸三や鈴木大介といったプロたちが後に改良を重ねるほど、研究対象としても素晴らしい戦法、なのである。
ざっくりとどんな戦法?
戦法としては、三間飛車に分類される。
そして、なにより急戦なのである。
居飛車党だろうと、振り飛車だろうと、多くは6七と角道を開ける。先手が6七と角道を開ければ、8四なり、5四なり、3四なり、各々が歩を突くであろう。もちろん、この段階では相手が急戦を狙っているとは想像もついていないのである。
そして、3手目で5筋まであがってきた歩を見て驚愕するのである。
「こいつ急戦を仕掛ける気だ…」
6四を守るでは時間も遅く、6三の歩を守るために駒を上昇させる。いやいや、急戦なら急戦、相がかり覚悟でこちらも攻め始める。相手が石田流の素振りを見せた時点で、その将棋…
焼け野原必至なのである。
たとえば、こんな展開。。
相居玉も起こりうる殺るか殺られるかの勝負なのです。
↓1分で殺るか殺られるか?1分切れ負け将棋についてはこちら。
石田流どうやって指すの?
さてさて。
こちらの棋譜のページが分かりやすいですが、ざっと説明させていただきます。
まず、角道開けの7六歩、相手が角道開けようが飛車先突こうが、次は7五歩。
石田流か?そう勘ぐられても先手の3手目には飛車が7八に回ります。
定跡をおさえている攻撃的な方ならば、ここで居飛車の歩を突き捨てにかかってきます。
こちらはかまわず、9五や8六の角ラインに備えて6八金で防ぎます。
さあ、相手が何をしていても7四に歩を突き進めて開戦です。
飛車がいるのにこの歩をあげること自体が大きなリスクを背負うことは、以前のつばめ返しをご紹介した記事で触れました。
そちらはあえて危険な駒損覚悟で反撃を狙うわけですから、当然に危険なわけです。
こう攻めてきても、角をきって、いいタイミングでぶち込むのが石田流の気持ちよさです。
まあ、5手まではこちらはほぼ変わりないので、あとは攻め続けたい気持ちが大事です。
石田流をやるうえでの注意点。
ええ、ちょこまかといじめるのはいいですが、将棋は逃げも固めも表裏一体であることを忘れずに。
こちらが意味のない攻めをすれば、それは相手に手番を渡したことになり、半端な追う手は相手の囲い駒組のお手伝いになってしまうわけです。
のらりくらりと王様が角側に逃げて舟囲いから穴熊もどきになる可能性だってあります。
こちらも守り無視で攻め続けているわけですから、籠られた後の王様の近衛を比較すれば弱いことは明白です。
特に注意すべきは相手が相がかりでくるでもなく、テッキトーに無視を続けて、守って反撃してきた時です。相手に大駒を引き渡しているわけですから、こちらも両どりに注意して将棋を進めていかねばなりませんね。
常に注意しています。プロの将棋、タイトル戦についてはこちら
さて、石田流を経て
将棋熱の赴くまま、石田流について書きなぐってしまいました。
私はたいした将棋の研究者ではありませんが、本も読まずにこのくらいは調べました。
だって、いきなりこんな戦法食らったらビビりますよね。
そう、私、だいの居飛車党。石田流を研究してみたのも当然、やられたときにどう防ぐかを考えるためです。
7三の歩を守って、飛車が7六まで出てきても、桂馬の援軍を呼んでも、角切りで暴れだしても、私はじっと耐え、角交換で得た角で馬を作り、相手に急戦を仕掛けたことを後悔させるようにじっと待つのです。
石田流を使うことはなくとも、石田流からの見方を学んだことにより、私はまた一つ将棋に強くなった気がします、きっと。
↓さらに深く石田流を研究するには。
↓石田流は奥深いです。