カラオケはみんなで行くもの。他人の知らない歌にのってるフリをして首を動かし、手を適当に叩き、自分の番を待つもの。
そんな風にお考えのあなた!
もうそんな時代は終わりました。そんなのは安土桃山時代の話です。現代には「一人カラオケ専門店」なるものがあるのです!
でも、どんな雰囲気なんだろう?と不安で入れない方もいることでしょう。
ここでは、そこに初めて入った際のレポートを書くので、ぜひ参考にして頂きたい。
一人カラオケという選択肢
池袋での仕事帰り、ふとカラオケに行きたくなった私。しかし、学生やはっちゃけた社会人蠢くカラオケ店に一人で乗り込む勇気が私にはなかった。私は…ちっぽけだった。
ふう。諦めて今日もトボトボと家に帰るか。そう思い、私はネオン輝く夜の街で、自分のちっぽけさを確かめるかのように寂しげに夜空を仰いだ。
そのとき私は気づいてしまった。
黄色く輝く月の美しさに…ではない。黄色く、そして堂々と光る看板にだ。
それは…
「ワンカラ|ひとりカラオケ専門店」の看板だった。
な、なんだこれは!? 一人カラオケ専門店…? そんなものがあるのか…。
このとき私は、「一人カラオケに行く」という選択肢を得たのである。
入店
気が付くと私は入店していた。ひとりものを歓迎するカラオケ店があるなんて、入る以外に選択肢はない。脳が無意識に足を運ばせたのだろう。
エレベーターを出ると、目の前には小綺麗な、黄色を基調としたカウンターがあった。店員の方もすでに感じが良い。
↑ワンカラの公式フェイスブックの写真。むしろ実際の方がこれより小綺麗だった。また、店員はさすがにこんなにフランクではないので安心してほしい。
そんな中、早速ほかの客と出くわした。なんとなく「あ、あなたも一人カラオケ来てるのね」的な雰囲気をほかの客から感じる、一体感とよそよそしさが混ざったなんとも言えない空気感が店内にはあった。
しかし今思えば、むしろそれを私は楽しんでいたように思う。それも醍醐味の一つかもしれない。
ワンカラのシステム
どういうシステムかもわからず、飛び込みで来た私はおどおどしながらカウンターに赴いた。「どうされますか?」的な雰囲気の店員と、そもそもどうすりゃいいのかわからん私が、カウンターを挟んで対峙することとなる。多分、常連が多いのだと思われる。
「一時間で…そもそもどういうシステムでしょうか?」
勇者のごとく勇気を振り絞って私が尋ねると、「あ、初めてのお客様ですね、ありがとうございます」的な感じになり、色々説明してくれた。
すると、下記のことがわかった。
- 普通のカラオケ同様に時間制
- 後払い
- ヘッドフォンを装着して歌う
- ヘッドフォンは持ち込むか、有料レンタルを借りる
- 完全会員制なので、初回はカードを作成する
- ドリンクは無料
- 部屋はオートロックで、カードキー制
ということで、ヘッドフォンを着用・オートロック、というのが大きな違いのようである。逆に、他はさして変わりなさそうだ。
ちなみに、ヘッドフォンはいくつか種類があり、その中から選べるようになっている。
しかし、まずはカードを作成してからとのことだったので、会員カードを作成することに。
こんな感じで名前などを入力して、会員カードを作成する(写真に少し指が入ってしまった…)。ちなみに、本人確認が必要となるので、免許証などを持って行く必要がある。
ともあれ、手続きを終えた私はカードキーを受け取り、念願の部屋へと向かう。
こんな感じのカードキーをもらえるのだ。
ワンカラの個室
さて、通常と違うシステムに少しワクワクしつつ、しかし一人カラオケなのでそれを誰かに話すことはできないという心理状況の中、部屋へと向かう私。
恐る恐る部屋のドアを開けると…
こんな感じだった。
雰囲気は満喫みたいな感じである。また、この写真よりも実際には背後が広いので、圧迫感はない。
なんだかわからないが、普通のマイクとは別にこんなマイクやらもあり、録音とかもできそうな空気だった。あまりよくわからないので、これには触れなかった。演歌歌謡♪歌唱指導映像にも触れない。
システムは通常の最近のカラオケと同じで、機械で選曲してそれを歌う。ただそれだけである。ただ、一人カラオケなので、タンバリンなどはなかった。照明の明るさは調整できた。
↑ワンカラの公式フェイスブックの写真。こんな雰囲気の部屋もあるようだ。
早速ヘッドフォンを付けて選曲し、歌い始める。しかし、ヘッドフォンがなければ静かな個室で一人で叫んでいることになるわけであり、その点は最初は気になるかも知れない。カウンターの近くの部屋だった場合は、なおさらだろう。幸い私はカウンターとは違う階だった。
ドアはちゃんとあるし外から顔は見えないが、ドアにはガラス部分もあるので、後姿は見えなくはない。また、大声で歌っているっぽい人の声は少し漏れていた。この辺りは「他人は思ったほど自分を気にしていない」という事実を知り、割り切るのが良いだろう。
そう思い、私は満を持して一曲目の「粉雪」を歌った。こーなーゆきー舞うー
個室に声が舞い散った。
ハプニング
一曲目を歌い終わる私。さて、次の曲はなんにしようかな…せっかくだから普段歌わない曲を練習するか! 「壊れかけのRadio」にしてしまおうかな。ピッ!
…とここで、なんとハプニング!
「エラー発生」「再起動します」
そんな感じの文言が表示され、機械が再起動を始めてしまった!
初めての一人カラオケだったため、何か接続を間違えたかな?とか色々探りましたが、よくわからない。とりあえず待つこと数分。無事にシステムが起動を始めた。
なんか調子悪かったのかな…そう思い、再び恐る恐る「壊れかけのRadio」を入れると今度はすんなりいきました。こわれーかけの~♪
壊れかけの声が個室に響く。
さてさて、気分も乗ってきたところで次はそろそろアップテンポに行くで! …と思ったけどまだやめとこう。次は蟹江一平もテレビで歌ってた「木蓮の涙 」や!
…と、ここでまたもやハプニング発生。
「エラー発生」「再起動します」
そんな感じの文言が表示され、機械が再起動を始めてしまった!
ガーン。
店員を呼ぼうかとも思ったが、ワンカラには店員を呼ぶボタンがないようなので、とりあえずドリンクを飲んでもう一回だけ待つことにする。孤独の私、そしてそれすらも楽しむ気持ち悪い私。
そして起動が終わり、スターダストレビューの「木蓮の涙」を歌う私。あなたはうーそーつきだね~
嘘つきの声が個室に充満する。
そしてそれも歌い終わり、次の曲を探し始める。しかし、ここは慎重になる。なにか選び方がおかしかったのでは? そう思い、ボタンを慎重に押し、恐る恐る「シングルベッド」を入力…すると
ということで、店員のところに行くことにしました。
丁寧な対応をしてくださる店員でござった
ひとまず状況を伝えると、次に同じ機種の部屋が空いたらそこに移動できることとなった。なおかつ、その分の時間は無料で延長までしてくれた。
帰るのが遅くなるので素直にラッキーかはわからないものの、ひとまず丁寧に対応してくれて良かったと言える。店舗によって対応はちがうとは思うが、とりあえずサービスが悪いということはなかった。
しかしここでもまたハプニング!?
恐れていたことが現実に! なんと、次に移動した先の部屋はカウンターの結構近くになってしまった…。ちょっと歌いづらい!!
しかし移動先の部屋では連続して選曲が可能となったので、徐々に気分はのってきて、店員に聞こえてもまあいいか的なテンションで、GOINGSTEADYの「STAND BY ME」を歌ったりして楽しく歌うことができた。
感想
ちょっとハプニングもあったが、恐らくかなり珍しいケースだと思われる。また、その後の対応も丁寧だったので個人的にはあまり問題ない。
また、一人で歌う空間の異様さも面白かった。今後もまた、たまに行ってみたいと思えるものだった。みなさんもたまには一人カラオケに行ってみると面白いかも知れない。