『リアル自宅警備員』制作記 自主制作映画

自主映画に人を誘うのが怖くて嫌になる話

2017年7月8日

 

こんにちは、自主映画撮ったり音楽素材配布したりグルメ記事書きまくったり、コンセプトがよくわからない管理人です。どうも。

この記事を書いてから二回寝たら自主映画の撮影を控えてる人です。

 

元をたどると自主映画の公開場所として始めた意味が強いこのブログなので、開始当初から拙さ残りながらもいろいろとムービーをアップしてきました。

 

なので自主映画撮るのは楽しいんです。楽しいんです…が。

 


人を誘うのが怖い

 

そうなんですよね。人を誘うのが怖いんですよね。

まあ、怖いというとちょっと煽りすぎですけど、緊張します。一回誘っちゃえば、しばらくはそこからその人に対しては誘いやすいんですけど、時間が空くとまた誘いにくくなります。

 

「この人が俺が撮る映画なんかに興味あるわけがない。実際はめんどくさいと思われるに決まってる」

という被害妄想だったり、

「断られたら映画が頓挫するかもしれない」

という恐れだったりします。特に役者に対してです。(…というか、スタッフを誘うほどの余裕がないので、基本的には役者以外は全部自分がほぼやります。)

 

勇気

普段、あんまり緊張とかしないつもりなんですが、しばらく誘ってない人か、初めての人を映画に誘うのは自分の中でなかなかに勇気がいる行為になってます。

普段の自分を知ってる人からすれば意外に思われる可能性が高いですね。さらに言うと自分でもいうと意外。

 

初作からずっと主演級をやってもらってる、当ブログゲストライターの三文享楽は誘いやすいというか、確実にやりたいと思ってることがわかるので当然のように誘うんですが、それ以外は気づいたら緊張するようになってました。

たまにこの記事で話題に出すことがある、現在フリーライターの女性の人でひとり誘いやすい人はいるんですが、その人も何年か誘わなかった後に誘ったときはちょい緊張しました。柄にもない。

 

周りには映画撮ってるというと「俺も出せよ!」とか「次はこれ撮りましょうよ」とか言ってくれる人もけっこういるんですけど、機材とか撮り方も超低予算でやっていて、ゲリラ的・場当たり的なことも多いので、当日のことを考えると気楽には誘えなかったりします。

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今までの作品はすべて完成させてきたので、「誘ったはいいけど監督が飽きて完成しない」みたいな心配はいらないという点では自分は信頼に値するとは思うんですが、どうも怖いんですよね。自信が出ない。

なんでこうも誘うのに躊躇するのか、自分でも謎です。

 

 

あれに似てる?

これだけ躊躇してると、たまにこれは”告白するときの緊張”に似た何かなのでは、とか思うことすらあります。キモイのでそれはすぐ頭の中で否定するんですが。

更に、誘って

「いいよ!」

と言ってくれた場合でも、セリフとか脚本とか説明しても読むのめんどいだろな、とか、作品の雰囲気が好みじゃなくてドタキャンされるかも…とか思ったりして、作品を細かく説明するのもなかなかにしにくいです。

これは怖いというのもありますし、もしかすると今更ながら恥ずかしいというのもあるのかも知れません。「完成時にはすごくいい作品になる」という自信はたいてい持って撮影してるんですが、演技のセリフだけを切り取ると恥ずかしくなるときもあります。これは監督としては大失格でしょう。

しかし何か抵抗感が出てしまうのです。

 

ネットとリアル

ネット上で作品を公開することにはもうほぼ抵抗はないんですが、それに反比例するようにリアルでの作品公開への耐性が弱くなってるのかも知れません。

大学時代にサークルで班ごとに分かれてお遊び程度ではあるものの劇をやることがあって、自分がほぼすべて考えたわけなのですが、そのときは”誘う”という行為はほぼ必要ないので(班ごとにやることが決定済みなので)、特に怖さはありませんでした。恥ずかしさは少しはありましたが、どちらかというと、劇を見てほしいくらいの気持ちがありました。

それが今となってはこのザマ!

 

もしかすると作ってる作品にどこか恥ずかしさを感じてるのかも…と分析してみたりもするんですが、それとは別に一つ大きな要因が頭に浮かぶことがあります。

年齢です。

 

年齢とともに

たとえば、20歳くらいで劇をみんなでワイワイやるのと、40歳になって急に「映画出ない?」と誘ってチマチマゲリラ的にやるのとではだいぶ違います。

「なんでこんなことやってんだろ」という余計な考えが年齢とともに出ると思います。

 

…というか、そう思われてるのでは?と自分が思っちゃってるんですよね。それで誘いづらい。

でも一度ほんとにすごいものを撮った実績ができれば、周りもそうは思わないのかも知れませんね。

 

更にいうと、私が音楽が少し関わらせていただいた「よろずや探偵談」という映画なんかは、40歳くらいで急に思い立って映画を撮り始めた人が監督です。それで新人監督賞候補になって、7/16に金沢21世紀美術館で上映されるんだからほんとにすごい。

(ぜひみんな見に行って投票してください! 面白いです)

 

内容は下手に伝えるとナンセンスと思われて終わってしまいかねないのですが、いざ見ると非常に面白い。娯楽がつまったナンセンスとそれが予備起こす不思議な感動と…。予告を貼っときます。

関連製作費は保険解約?究極の自主映画「よろずや探偵談」とは【音楽一部提供】

 

 

見ればわかりますが、自主映画というか商業映画レベルですよね。

これくらいのクオリティで撮るようになれば少なくとも”恥ずかしい”とか、”この年で何やってんだと思われたり、参加した人が自分でそう思いそう”とかの心配はなくなるんでしょうね。

そういう作品を目指して撮ってるのが今進めてる映画なんですが、まだそれが完成してない以上は現状はやはり誘いづらいのです。

 

ただ、映画に人を誘うのが怖い理由は、やはり年齢だけではないな、とも思います。あるもう一つの理由が頭に更に思い浮かぶのです。

 

本気だから

本気だから、です。

 

「よろずや探偵談」も当然本気も本気、超本気に決まってるので、本気だったら誘いづらい…なんてアホなことは言ってられないはずではあります。そう考えると自分は本気じゃないのかも? と逆にそこの自信がなくなりかねないのですが、本気には違いないのです。

本気だから、きっと怖い。私の場合は。

 

自分の中では使えるほぼすべての時間を注ぎ込んで、憑りつかれたように作っていた処女作『抜本-BAPPON-』に関しても、最初は気楽にサークルの友人を誘って楽しく撮っていたんですが、後半になればなるほど誘いづらくなっていきました。

 

どんどん”本気”になったから、そしてその”本気”は出る人には求められてないとわかってるからだと思います。

 

そう。

私は友人ばかりに頼んでいます。そして友人たちは、当然のように内輪ネタの方が楽しいんだろうと思います。そうなると、私の「創作性」「本気の作品性」「真の面白さの追求」なんてのはうっとうしいことでしょう。

そして、一つ可能性があるのは、私を”なめてる”、ということ。

周りには、少なくとも「内輪で楽しむくらいのものはつくれる」とは思われてると思います。それよりちょっと上くらいの期待値はあると思います。いろいろやってきたので。

でも、本格的な映画を撮れるとはきっと思われてません。そして、確かにまだまだ撮れてません。

 

そう思われてるやつから「本気の映画」の誘いが来たら、ただうっとうしいのではないでしょうか?

遊びでやるなら余興ムービーみたいなもんなので楽しいですが、期待のできない脚本にまじめに従うのはつまらないでしょう。それがもし完成したら素晴らしくなるはずのものだったとしても。

 

色々な理由が複合的にあって怖いんだとは思いますが、恐らく、本気だから怖いんです。

そして、「本気だけど周りはその本気にそこまで期待値がない」と自分で勝手に思い込んでるから怖い。それは裏を返すと自分の作品に対してその程度の想いだという意味で、本気じゃないのかも知れませんね。なんだかよくわからなくなってきました。

 

 

端的に言うと

そんなわけで私は本気だけど自信がないということです。

完成すればいいものになる! という自信はありますが、「ほんとにうまくいくのか?」「撮影現場で問題が起きないか?」「参加する人が作品を気に入ってくれるか?」というあたりに自信がありません。

これは準備不足、PR技術不足なのかも知れません。そして、ドタキャン(リアルな体調不良)が起こったこともあって、より自信がなくなっているのでありました。

とにもかくにも私は7/9に控えた撮影がうまくいくのか、みんな来てくれるのか、撮影内容を細かく知ってやる気をなくさないのか…といった不安を抱えている今なわけです。

 

果たして7/9どうなるのか…何かしら記事にはするので、みなさんご期待を。

いやあ、早く撮りたいもんです。撮ってしまえば重荷も降りて、編集に没頭もできて、作品もほぼ完成しますからね。ほんと、うまくいくといいなあ。

 

ではなく、うまくいかせなくてはならないもんです。

頑張ろう。