製作費は保険解約?究極の自主映画「よろずや探偵談」とは【音楽提供】 - フリーBGM&自主映画ブログ|"もみじば"のMOMIZizm

自主制作映画

製作費は保険解約?究極の自主映画「よろずや探偵談」とは【音楽提供】

2017年6月17日

このブログで紹介したりもしているのですが、今年に入って「よろずや探偵談」という自主制作映画に楽曲をいくつか使用してもらうこととなりました。というか、使ってもらってます。

DEPTH OF FIELD INTERNATIONAL FILM FESTIVAL2018にて「Outstanding Excellence」を受賞、SALTO INDEPENDENT FILM FESTIVAL 2018にて「AWARD FOR BEST EXPERIMENTAL FEATURE」を受賞した映画です。

2019/5/25 追記:

スペインにて開催された「South Film and Arts Academy Festival」にて8つの賞も受賞

横文字長いですが、とにかく国際的にすげーって評価を受けたということになりますね。嬉しいです。

 

ほとんどはこのブログで公開している曲ですが、一曲、重要なオルゴールのテーマ曲的なものだけ専用で作らせていただきました。重要テーマなのでやる気500%で作曲した書き下ろしです。

というわけで、そんな「よろずや探偵談」に関して下記のような気になるニュースがフェイスブックで流れてきたので、今日はちょいと「よろずや探偵談」とはなんなのか、そして私はどう関わったのか…の記事を書きたくなった次第です。

参考生命保険を解約して制作費を捻出 本業は実は…「よろずや探偵談」沢村東次監督のロマン

 

やばいですね!


究極の自主制作映画「よろずや探偵談」とは

そんなやばい「よろずや探偵談」ですが、内容もかなりやばいです。沢村東次監督による自主映画なのですが、かなりすごいです。

個性豊かすぎる出演者(セーラー服おじさん、伝説のホスト、ELVIS吉川、西く、マメ山田、七菜乃etc… ※敬称略)たちもすごいですし、笑いもエロスも若干のSFも詰め込んだとにかく濃い映画。

ただ、やばいすごいといっても、好き放題詰めただけの自己満足ではなく、ストーリーを通す一本のテーマというか、登場人物の想いには感動するし、全体としてみても結局まとまっていて、「濃く面白い!」となっています。

「濃いだけでわけわからない」というのとは一線も二線も画しています。もっと画しています。

 

出演者に関してはそれぞれ調べていただくか、よろずや探偵談 公式HPを見れば「こりゃ個性的だわ」となると思います。

 

制作費とクオリティと中身と魂と

そして冒頭で触れた制作費です。

制作費は〇百万円だそうですが、まさかここまでしているとは…ロマンの骨頂ですね。家族がどう思っているかは計り知れないところですが、よろずや探偵談は公開が近づくにつれて徐々にいろんなニュースサイト等で取り上げられているのをみかけるので、これで一発逆転してほしいなと思います。

音楽を提供した立場からもですが、同じく規模は違えど自主映画を撮ってる立場からとしても、そして試写会で映画を見て「素晴らしい!」と思った観客という立場からしても応援したいです。とりあえず、傑作です。唯一無二でもあり、なおかつ傑作。よかった。

自主映画というと、面白いかハラハラしてしまうものですが、何度も見たくなる作品でした。

 

で、自主制作映画といえば私も『抜本-BAPPON-』をはじめとして色々撮っているわけですが、それは本当に予算なしです。脚本の良しあしは予算に関係ないですが、ぱっと見のクオリティを上げるのはなかなかにノウハウが必要です。

▲処女作『抜本-BAPPON-』の予告編。本編も面白いと私は思っているが、仕上がりにムラがあるの否めない。

 

「よろずや探偵談」はぱっと見…というか、じっくり見ても完全にプロの映画にしか見えません。予告編の時点で自主映画的な独特感はちょいと感じられるとは思いますが、そこが自主映画の強み。

予告の最初っから「なるほどね」となるかも知れません。インパクトだけじゃなくて、深い中身もあるので、ぜひ本編も見てほしいところです。

本編は

「よろずや探偵談」6月29日~7月2日、東京・ザムザ阿佐谷で公開後、7月15日から金沢21世紀美術館(石川県金沢市)で開催されるカナザワ映画祭2017でも上映される。

引用:生命保険を解約して制作費を捻出 本業は実は…「よろずや探偵談」沢村東次監督のロマン

となっています。

詳しい上映情報はよろずや探偵談 公式HPよりどうぞ。

見たら監督の魂を感じてしまうと思います。魂目当てに見るものなのかはわかりませんが、商業映画では撮れないような”なにか”を感じると思います。

役者の使い方も商業映画だと「この人悪役にしないのでは」とか、いろいろとこだわりと世界観を感じて面白かったです。人生を揺さぶってきます。

 

なぜ一部の音楽を提供することになったのか?

…ちなみに、なんで私がこの映画に音楽を提供することになったかという話をします。したいのでします。

元々私はこのブログで曲を音楽素材・無料BGMなどと称して無料で配信しています。そこから、毎日ちょいちょい曲がダウンロードされたり使われたりしてるわけです。されないときもありますけど。

で、お問い合わせフォーム的なところから連絡があったわけです。監督じきじき、音楽素材ブログのフォームから連絡してるわけですね。一番動くのはやはり監督というわけです。私が自主映画を撮るときも動きまくりですから。きっとその何倍も動いてるのでしょう…。

どんな連絡が来たか、さらっと流れを書きます。ブログバカはもちろん私です。

監督「曲を使わせていただきたいのですが、よろしいでしょうか?」

ブログバカ「もちろんそのために公開してるので全然大丈夫ですよ」

監督「ありがとうございます。英断に感謝します」

ブログバカ「こちらこそありがとうございます(そこまで感謝されるとは…)」

…あれ?(メールの名前を見て気付く)

ブログバカ「もしかして昔千葉映画祭をやってた方ですか?」

監督「な、なぜそれを!? よければ試写会にも来てください」

 

…というわけです。

つまり、

無料BGMの使用許可を出したら試写会に呼ばれた

 

という、至極幸運な展開だったわけです。

それだけであのレベルの映画の試写会にまで呼ばれるというのは完全にラッキーです。まあ、映画の曲を探す際に検索でヒットしたのは私がこれまで地道にブログを運営してきたからなんですけどね。でも幸運でしたね。

今思うと、ほかのクオリティが非常に高いだけあって、自分の無料BGMが使われてOKなんだろうか? と不安もありましたが、試写会後の感想だと、特に問題なさそうでした。

まあ、絵面がインパクトあるシーンが多いので曲の音質がどうだとかまで頭がいかないというのもあると思います。そして、音質には不安があるものの、曲の出来やらメロディーだとか雰囲気には特に自信ないわけでもなかったのでまあいいのかなと。

ただ、かなり昔に作ってとりあえず公開していた曲が結構使われていて、もうちょい自信作が使われてたらよかったなと思ったのはここだけ(全世界配信のこのブログ記事上だけで)の秘密。

 

試写会後

試写会後がどうとかと言いましたが、実は音楽を提供した関係で試写会に呼んでいただきました。

その後も迷ったのですがお誘いいただいたのでそのまま打ち上げにも参加させていただきました。そこでも沢村東次監督のぶっ飛び具合を感じられて、素晴らしい打ち上げとなりました。

参加しといてよかったなと思うばかり。本物の役者さんたちやら、その他個性豊かすぎる出演者の方々と同じ場にいれたというのは刺激的過ぎて不思議な感じでした。

 

で、打ち上げの中で主演の方と同じテーブルになったのですが、こんな会話が最後の方に繰り広げられました。

主演の方「〇〇のシーンの曲はあのオルゴールの曲が流れているという設定なんだけどわかった?」

音楽素材バカ「ぼく、わからないでした」(隣には当ブログのゲストライターも同席したが、そのものもわからなかった様子)

主演の方「そこだけが少しもったいないと思ってるんだよね」

少しの間

主演の方「○○さん(監督の本名)! オルゴールのシーンなんですけど… 」

監督「うんうん」

 

というのがあり、打ち上げ後、またメールが送られてきました。

監督「オルゴールの曲をつくっていただけませんでしょうか?」

ブログ音楽素材バカ「はい」

 

というわけで、非常に重要なテーマでもあるオルゴール曲を、試写会後の感情が消えない内に想いをぶつけてつくり、本公開では新たにそれが使われることとなりました。

二回目の試写会でもオルゴール曲は使われたたらしく、主演の方は「オルゴールの曲、成功ですね」と言ってくれていたようで、非常に嬉しい限り。

ブログをやってるとこんな話も舞い込んでくることがあるんだなあ、と思いました。

「よろずや探偵談」の音楽には三人が関わっているのですが、どちらかというとRocketshipといういアメリカのバンドが曲を書き下ろしたことの方がフォーカスされています。というか、音楽に関してはニュースサイト等では基本、それしか書かれていません。

…が、一番わかりやすいシーンで曲を使われるのは恐らくそのオルゴールなので、私は堂々と音楽に関わったと自信を持って言っていこうと思います。何かの作品のテーマ曲が音楽が有名になるための一番のチャンスだと私は思ってるので、本当に幸運だなと感じています。

 

そして監督がどこかぶっ飛んでるというのが非常にツボでもあるので、よろずや探偵談がもっと世に広まればいいなという感じです。こういう記事もほんの少しは力の足しになればいいですね。

 

ひとこと

自主制作映画で有名になるというのはかなり苦難の道に思えますが、よろずや探偵談はそれを成し遂げつつあるので、私は私で頑張らなくてはな、と気持ちを奮い立たされました。

さて、頑張るかな。

過去の自主映画制作記でも見返すか。こちらは商業映画と比べる見た目ではないですが、徐々にレベルを上げていって頑張ってるところです。