動画編集 自主制作映画

Aviutlでマズルフラッシュを合成する方法【実例つきの動画編集講座!】

2015年7月12日

マズルフラッシュ合成
こんにちは管理人(@kaiten_keima)です。
初心者向け動画編集の解説講座です。

早速ですが、今回はAviutlというソフトを使ってマズルフラッシュを付けるやり方を解説します!
Aviutlに関しては以前、「自主制作映画に役立つおすすめフリーソフト」の記事で紹介しているので併せてご覧ください。


マズルフラッシュとは

まず根本的なところですが、マズルフラッシュの説明をします。
この頁に来てる方はご存知の可能性が高いので、さらっといきます。

マズルフラッシュとは簡単に言うと、拳銃を撃つときに銃口から出る、炎みたいな光のことです!
恐らく見ればわかるので、画像を貼ります。

マズルフラッシュ1

マズルフラッシュ例

マズルフラッシュ例2
※下二点の画像は、自主制作映画『抜本-BAPPON-』より抜粋

こういうやつです。
ハリウッド映画なんかではバンバン見ると思います。

銃撃戦ではこれがあるかないかで迫力が相当変わります。マズルフラッシュがなかったら、バンバン音が鳴るだけで絵面はけっこう地味になってしまうことでしょう。

 

マズルフラッシュの素材を手に入れる

これでマズルフラッシュがなんだかわかったと思います。なので、次はマズルフラッシュの素材を手に入れます!

ここに来た方は、拳銃の銃口にマズルフラッシュを付けるにはどうしたらいいかを知りたい方が大半だと思います。それには最低限「銃かなんかを撃っている動画」と「マズルフラッシュの画像か動画」が必要になります。

なぜかというと、「銃かなんかを撃っている動画」「マズルフラッシュの画像か動画」を合成するからです。その合成する作業をAviutlで行うわけです。

なので、とにかく画像でも動画でも構いませんが、マズルフラッシュの素材を手に入れることにします。動画の素材だとマズルフラッシュの後に煙も付いてきたりするので、動画素材の方がお勧めです。(すでにマズルフラッシュの素材を持っている方は読み飛ばしちゃってください。)

 

私は色々調べた結果、「free green screen」というワードでYoutubeとかを検索すると、色んなフリーの動画素材が手に入ることを突き止めたので、そこから素材を調達しました。ただ、違法に素材をアップしている人もいる可能性があるので、注意は必要です。

とにかくどこかからマズルフラッシュの素材をゲットしましょう。マズルフラッシュ事態をAviutlで作成することもできるので、そういった方法を調べて実施しても構いません。

一応今回の講座では「背景が黒」なことを想定して話を進めるので、そういう素材にしたほうがわかりやすいとは思います。

それではマズルフラッシュの素材をゲットしたら、とうとうAviutlの出番です!

 

Aviutlを使ってマズルフラッシュを付ける

さて、素材もそろったところで、早速Aviutlを使いましょう!

ここで注意しなくてはいけないのはAviutlの「拡張編集」という機能を使わなくてはならないことです。
その辺りについては私は電脳世界「AviUtlに拡張編集プラグインを導入する方法」というサイトさんを参考にしました。

ということで、ここからは拡張編集が使えるようになった前提で話を進めます!
まずはAviutlをダブルクリックです。ダブクリです。

aviutlダブルクリック

すると、こんな画面になります。赤枠内が拡張編集の作業ゾーンです。
ここに動画を取り込んでいきます。

素材を取り込む

まずは、先ほどの赤枠内に「銃かなんかを撃っている動画」をドラッグ&ドロップします。
銃がない人は、やり方を覚えるためであれば、指で銃を作って動画を撮っても大丈夫です。そういう人も多いと想定して、今回は私もそうします。(映ってる人は私ではなく、友人の役者です)

aviutl 銃を撃ってる動画

注意点ですが、この動画は、必ず拡張編集の一番上の列に入れてください。
そしてここに、更に先ほど手に入れた「マズルフラッシュの画像か動画」をまたドラッグ&ドロップします。ドラッグ&ドロップってプロレスの技でありそうですね。

aviutl マズルフラッシュ取り込み

するとこんな感じになります。

マズルフラッシュは現れましたが、なんだかマズルフラッシュの背景まで入ってしまって邪魔ですね。
背景が黒のマズルフラッシュ動画の場合は、「合成モード」という項目を「加算」にすると背景の黒が消えてくれます。
(背景が緑などの場合は「クロマキー」や「カラーキー」という効果を使って背景を消します。)

aviutl マズルフラッシュ加算項目

aviutl マズルフラッシュ加算選ぶ

どうでしょう?
背景の黒が消えて、マズルフラッシュだけになったと思います。
これで次のステップに進めます。

タイミングと位置を調整する

動画を取り込むことには成功したので、次は表示するタイミングと位置を調整します。

マズルフラッシュ 位置・タイミング

マズルフラッシュの位置は、マズルフラッシュの部分をクリックすれば動かせるようになります。ほか、細かい調整は数値で入力も可能となっています。さらに、上記のように「回転」という項目をいじれば、マズルフラッシュの角度も調整できます。

表示するタイミングは、拡張編集枠内のマズルフラッシュのとこをクリックすれば移動ができます。

マズルフラッシュ タイミング

これで基本は完成です。
ここからは早くも演出の仕上げ段階です。

マズルフラッシュを光らせる

マズルフラッシュというからには光ってないといけません!
というわけで、早速光らせたいと思います。

Aviutlでは、動画や画像を光らせるための特殊効果が「発光」「グロー」「閃光」…と、色々用意されています。
閃光はちょっと特殊なのでここでは除外します(文字タイトルとかに使うことが多いです)。

「発光」「グロー」はどちらでもよいのですが、グローの方がより使いやすいと思います。
「発光」は光らせる対象(オブジェクトと呼ぶ)には色は付けられず、光そのものにしか色を付けられませんが、「グロー」はどちらにも色を付けられます。また、「発光」は基本的には対象が白くないと効果が出にくいです。

というわけで、今回は「グロー」という特殊効果を使用してみます。

マズルフラッシュ 特殊効果

上記画面の「+」ボタンをクリックして、「グロー」という項目をクリックします。

マズルフラッシュ グロー効果比較

比較画像を見ると、グロー効果ありの方がマズルフラッシュが明るいことがわかると思います。
ですが、これだとまだ微妙なので、色々とここから手を加えていきます。

パラメータの説明

グローに限らず全ての特殊効果に言えることですが、各効果には効果を調整するためのパラーメータや調整項目が用意されています。わかりやすいものだと位置とか、長さとかがあります。

グローにもそういった設定項目があるので、それをいじって色々と調整をしていきます。

グロー効果 設定項目

・強さ
名前の通り、グローの光の強さの度合いを表します。この数値が大きいほど強く光ります。

・拡散
光の広がり具合を表します。この数値を大きくすると光の範囲が広がります。
その副作用的に、結果、光の強さも強くなります。

・しきい値
光らせる色の範囲を調整するときに使います。どの程度の明るさに「グロー」効果を適用するかを決められます。
この数値が小さいと、暗い部分も光るので結果的に光が強くなります。数値を大きくしすぎると、どこも光らなくなってしまいます。(0で全ての色が発光し、100ですべて発光しなくなります。)

・ぼかし
この数値を大きくすると光がぼやけて、やわらかい光になります。

・形状
光の形状を選択できます。
光を斜め方向に放射させたり、縦方向のみに放射させたりすることができます。

・光色の設定
光の色を変えられます。
普通のマズルフラッシュであれば、白か薄い黄色でよいと思います。(私は指の銃なので、特殊能力っぽく紫にしてみます)

・光成分のみ
これにチェックを入れるとオブジェクト(光らせる対象)が消えて、「グロー」の光だけが表示されます。
マズルフラッシュのときは使わないと思います。

これらを調整した結果、こんな感じになりました!
マズルフラッシュのサイズも「拡大率」の項目をいじって少し大きくしてみました。

いい感じに光ってきて、指から銃が出てるみたいになってきました。

グロー調整

…ということで、あまり凝らない場合は、ひとまずこれで完成としてもOKだと思います。

ただ、細かく調整したとは言っても、大して変わってないじゃん!と思う人もいるレベルだと思います。
なので、この先は「まだまだ凝りたいぞ!」という人のためにも解説を続けることとします。

マズルフラッシュ以外も光らせる

ここまではずっとマズルフラッシュを光らせる話をしてきました。
ただ、それだけだと派手さや演出的に限界があります。

もっとかっこよくするためには、マズルフラッシュによって照らされるはずの場所を光らせる必要があります。

たとえばこの場合であれば指(拳銃を撃っているなら銃のボディ)や、腕、顔のマズルフラッシュに近い側などです。ほかには、マズルフラッシュを囲うようにその周りをぼんやり明るくさせるというのも迫力が増します。

それらをするためには「部分フィルタ」という特殊効果を使用する必要があります。
「部分フィルタ」を使うには、拡張編集の枠内のどこかを右クリックして、下の画像のような一覧から選びます。

部分フィルタ

そして、この「部分フィルタ」を、マズルフラッシュが表示される瞬間(1~2フレーム程度)のタイミングに持っていきます。

部分フィルタとは

それではここでやっと「部分フィルタ」についての説明をします。

部分フィルタとは、名前の通り、部分的にフィルタ効果を適用させるものです。
ここで明かしますが、今まで「特殊効果」と呼んできたものは、正式にはフィルタオブジェクト、メディアオブジェクトなどと呼ばれるものなのです。その二つの違いに関しては、ここではとりあえずスルーしておきます。

なので、「グロー」というフィルタ効果を部分的に(たとえば腕だけとか、顔の左半分だけとか)適用したい場合は、「部分フィルタ」というフィルタオブジェクトを使用すればよい、ということになります。
(部分フィルタは「グロー」などのほかのフィルタオブジェクトと組み合わせて使わないと意味がないです)

部分フィルタの使い方

「部分フィルタ」についてわかったところで、またさっきのように「部分フィルタ」の「+」ボタンをクリックし、今度は「色調補正」を選択します。
(ここは私のやり方なので、ほかのやり方をする方もいると思います)

そして、色調補正の「明るさ」を150にします。ガーッと数値を上げます。

部分フィルタの範囲

そうすると、上記画像のように、一部分だけすごく明るくなると思いますが、その明るい部分が、「部分フィルタ」の適用されている範囲ということになります。
こうすると範囲がわかりやすいので、私は大抵この方法で「部分フィルタ」の範囲を確認しています。(最初から「グロー」で範囲を確認しもよいのですが、そうすると処理がけっこう重くなってしまうのです。)

「部分フィルタ」の効果範囲がわかりやすくなったので、次は効果範囲を調整します。

明るい四角部分をドラッグすると、効果範囲を移動できるので、腕の辺りに持っていってみます。そして、マスクの種類という項目を「円」にして、サイズ・縦横比・角度を調整して、腕に合うようにしていきます。(縦横比をいじると長方形や楕円等になります。)
だいたい合ってれば大丈夫です。

部分フィルッタ 腕

各自の動画の腕などに、こんな程度に合わせてみてください。
そうしたら、ここでやっと本命のフィルタ効果を付けます。

部分フィルタの効果範囲調整が終わったので、色調補正の役目は終わりです。色調補正のチェックを外して効果を消し、代わりに「+」ボタンをクリックしてまた「グロー」を選びます。

部分フィルタ 腕グロー

どうでしょう。いきなりいい感じになりましたね。
マズルフラッシュの光で腕が光ってる感じになってきました。

あとはまたここから微調整です。

「部分フィルタ」の効果範囲の輪郭がはっきり残ってしまうのを防ぐために、「ぼかし」を30とか適当な値に調整します。
また、このままだと明るすぎるので強さやしきい値等を調節し、色も変えます。

そんなこんなで調整をして…

部分フィルタ 腕グロー調整

こんな感じになりました。適度に光っています。

この辺の調整は個々人の好みでいいと思いますが、派手にしすぎると、どっちがマズルフラッシュやねん状態になるので、ほどほどにしましょう。

 

仕上げ

上記のようなことを地道に、顔やマズルフラッシュ周辺、手など、色々なところにやっていきます。
時間がかかりますが、こだわるときはこうして仕上げていくのです。(目立たないシーンだと少しは手を抜くときもありますが…)

とにかくそうして完成したのがこちら!

部分フィルタ 腕グロー仕上げ

どうでしょうか。
手間がかかった割には微妙と言う意見もあるかも知れませんが、最初の画像と比べるとけっこう雰囲気が違うと思います。

今回の解説はここで終わりますが、更にここにスパイス的にちがうフィルタオブジェクトを付けたり、画面全体の色・明るさを変えたりすると一気に引き締まります。
最後にそれを紹介して、「手間をかければ動画はすごくなる!」という、動画編集への希望を持ってもらって今回は終わろうと思います。
(でも、無駄な手間をかけない技も色々あるのでそれはこれから学んでいきましょう。)

更なる仕上げ

部分フィルタ 腕グロー更なる仕上げ

なかなかの迫力!

詳しくはここでは解説しませんが、「放射ブラー」というフィルタオブジェクトを使い、更に「図形オブジェクト」をオーバーレイで合成してこう仕上げました。
用語がわかりにくいとは思いますが、雰囲気だけでも覚えてもらえれば、その内使えることと思います。

完成形

これの動画バージョンが見たいと言う方は、『抜本-BAPPON-』という自主映画の一部にこのカットが使われているので、下記からご覧ください!(ネタバレ注意)

また、上記のものとは厳密には少し設定が違うのですが、ほぼ同じなのでご容赦ください!

↓<作例>自主制作アクション映画『抜本-BAPPON-』から、マズルフラッシュのシーン

部分フィルタ 腕グロー更なる仕上げ
↑ちなみに上記の映画は音楽作曲も行いました!

『抜本-BAPPON-』に関してはこちらの記事で全編公開&概要説明をしています。

 

まとめ

役に立ったな~という方がいらしたら、厚かましいですが、ツイッターやらなんやらで宣伝してくれると非常に嬉しいです。役に立たなかったな~という方がいらしたら、ツイッターで役に立たなかった記事として宣伝してくれても少しは嬉しいかも知れません。悲しいかも知れません。

…それではいいマズルフラッシュを作っていきましょう!

ではまた~

 

↓アフターエフェクトでのマズルフラッシュの作り方を解説してる記事。

↓AviUtilでいろいろ本格的にやるならこの辺がおすすめ。