尺知我。
漢文のような暗号を書いたところで90分の自主アクション映画『抜本-BAPPON-』の制作記、第六弾まいります!
今回は色々あった初撮影の編集も完了し、全撮影の中で最も人数が集まった二回目の撮影の話です。撮影シーンが多岐にわたるので、何回かに分けて書いていこうと思います。
前回までの制作記もよかったらご覧ください。
五人で撮る。色々撮る。
まあ、人数が最も多かったとか言っても、素人がゲリラ的に粘って撮っているだけなので5人しかいないのです。映画サークルなんかに所属してたら自由度がどれだけ上がるのか…と羨ましい限りです。羨ましくて財布を盗みそうです。
財布を盗んだところで撮影の話に戻りましょう。当初二回目の撮影で撮りたかったのは以下のシーンです。前回の記事では5シーンくらいといいましたが、6シーンでした。
①黒幕が部下に指示を出すシーン
②二回目のアクションシーン VS十手男
③怪しい情報屋との出会いのシーン
④紅一点、傘女との出会い
⑤父親の真実の回想
⑥黒幕とのラストバトル
ただ、さすがに③と④はきついかな~とは思ってました。しかもちょうど出演者もこれなくなってしまったのですが、今思えばそれはラッキーだったと思います。来ても撮れずに終わるところでしたからね…。
ただ、①と②と⑤と⑥は撮ろうとしていました。結論としては一応どうにかはなるのですが…「とにかく完成させる!」という想いのもと、色々知恵を絞って逆境を逆手に取った感じです。
プロの現場だったらあり得ない判断なんでしょうが、そんなことは当時の私にとってはどうでもいいです。金をもらってるわけでもなければ、撮影場所も役者のスケジュール(ドタキャンも大いにあり得る)もなにもかも一切保証されてないんですから、うだうだこだわり過ぎて完成しないよりは、なんとしても完成させる方が重要だったのです。
まずは「⑤父親の真実の回想」シーンの撮影を始めました
上記の番号はストーリーに沿った順番なので実際の撮影順とは異なります。わかりづらいですが、二回目の撮影日で最初に撮ったのは「⑤父親の真実の回想」のシーンでした。これは結構短いシーンなので結構簡単でした。
シーン説明
「抜本-BAPPON-」は、少子化による滅亡の危機に瀕した日本を救う伝説の本『抜本的少子化対策』を巡る、おバカアクション自主映画です。そして主人公である明智 享太は、その本を書いた人物の子孫で、本で戦う能力を持つのです。
物語が始まるとき、主人公 享太の父親はすでに死んでしまっています。その父親が生前何をしようとしていたのか? その真実が語られる回想シーンの撮影です。前回とは打ってかわっていきなり深刻なシーンで、結構重要なシーンとなります。
撮影時に起きた大問題
そんなシーンですが、撮影開始直後、大きな問題が一つ浮上しました。
それは…
父親役の演技がかなりしょぼいということです!!!
まあ、やってもらっといて非常に失礼な話ですが、全員が認める下手さで、本人もネタっぽいとは思っているようでしたので、あんまり気にせずに言ってしまいます。気心も知れている仲で、演技もうまいとは思ってはいなかったので予想はしてましたが、予想以上の演技でした…。
当時はせいぜい15分くらいの映画になると思っていたので、しょぼい演技でも楽しく撮影をしていましたが、映画が大作になるにつれこれが大分致命的になります笑。
その一方、元々演技がうまいと見込んでいたもう一人の友人。こちらは予想通り…いや、こちらもまた予想以上の演技でした! 彼は素晴らしい! 本人は恥ずかしいと言っているのですが、まったく彼を知らない他人からも好評です。(ハードル上げすぎもよくないのでこんなところにしておきます)
顔のアップを載せるのも嫌だと思うので小さめにします。なんとなく雰囲気があります。
そんなこんなで問題は起きつつも、父親役の友人も怒って机を叩くカットなんかはいい感じにやってくれたりしたので、まあなんとか収まりました。
ロケ地は二か所だったので、移動後も色々と撮りましたが、こちらは雑音が入る環境だったため、すべてアフレコにしたのですぐに終わりました。
サイレントでも二人の演技の差がかなりあったのが面白かったです。
まとめ
…と、このように、演技の難しさを肌に感じつつも、無事このシーンは撮影終了となりました。
ここまでは二回目の撮影も時間配分的にはいい感じに進んでいました。この後から結構厳しくなってくるのですが、ひとまず今回の記事はここでおしまいです! 次回の記事で我らは尺の配分について知ることになります。
ちなみに、演技が下手だとか文句を言ってしまった父親役の彼は、私に映画撮影のためにビデオを二年間も貸してくれる素晴らしい友人であることを添えておきます。素晴らしい!!!