10/20夜に発表された、任天堂の次世代ゲーム機「ニンテンドースイッチ(Nintendo Switch)」の話題に、世間がざわついている。まあ、一部界隈といった印象だが。
どうやら、新型ゲーム機に”失望”し、下部が安くなりまくり…らしい。
そんなニュースを目にして、一体どんだけひどいゲーム機を出したのかと思って調べてみた。
そこで私は”失望”した。
失望した人たちに。
任天堂の次世代ゲーム機「ニンテンドースイッチ」は生活を変えに来ている
失望だの、「サプライズがない」だのと散々な様子がネットニュースでは散見された。…が、調べてみるとそんなことはないではないか。新しいだろ!
発想としてはWiiUの頃からあったものだし、もしかするとみんな一度は考えるのかも知れない。だが、そこを譲歩したとしても、完成度が高い!
金だけ出してなんも考えなくなると感覚だけ肥えて「私を驚かせてみなさい」みたいな気持ち悪い状態になってしまうのかも知れない。…と、そこまで批判するほどのことでもないのでこの辺でやめよう。
フォローを入れるとすると、彼らは期待感を最大に高めた状態でニンテンドースイッチを見た。私は期待感をかなり下げた状態でニンテンドースイッチを見た。その差は大きいだろう。
さて、ニンテンドースイッチがどういうものなのか、素晴らしく完璧に表現したコンセプトムービーが公開されているのでそれを見て欲しい。このムービーを通して、ニンテンドースイッチがゲームという文化、ひいては私たちの生活を変えようとしている…ということを熱く語ろうと思う。
初公開映像 コンセプトムービー
どうだろうか?
私は素晴らしいと思った。
据え置き機はもう古い。腰を据え、テレビを何時間も占拠してゲームをやる時代ではない。だが、スマホで刹那の快感を求めるだけのゲームばかりではゲーム業界にも未来がないし、携帯ゲーム機にしたって、それだと大作を堪能するような深いゲーム体験、そして友達みんなと共有するゲーム体験が難しい。
というわけで、それらをカチャカチャと切り替え(スイッチ)できるものを創ったというわけだ。発想的にはマーケティング的な部分もあるし、もしかするとさほど新しくないのかも知れない…が、私は十分に新しいと思う。そして、細かいところにもアイディが行き届いている。
人とゲームの在り方につっこんだゲーム機
このムービーを見ると、ニンテンドースイッチには色々な形態があり、様々な遊び方、ゲームとの関わり方、そしてコミュニケーションツールとしての在り方までを考えて作られていることがわかる。
その辺りのコンセプトを、このムービーは完璧に物語り、ブランディングしている。Apple Watch みたいな感じを受けた。ただスペックを語るような何の工夫もない、つまらんCMとは打ち出し方が全然違う。
人々のゲームとの関わり方、ひいては生活そのものを変えよう! というような意気込みが感じられる。
具体的な形態変化の仕組みはというと、
家庭のテレビとHDMIケーブルで接続された「Nintendo Switchドック」から本体を取り外すだけで、ゲーム画面はモニターから本体上の画面に瞬時に「スイッチ(切り替わり)」し、据え置き型ゲーム機の品質のゲーム体験を外出先でも楽しめるのが特徴。
二つの本体着脱可能コントローラー「Joy-Con(ジョイコン)」を用いることで、モニターがついて本体1台で、2人プレーも楽しめる。
引用:新型ゲーム機「ニンテンドースイッチ」に決定 携帯、据え置きが併用可能|毎日新聞
端的に言うと上記の通りなのだが、それぞれ紹介しよう。「Joy-Con(ジョイコン)」が重要なポイントだ。
①腰を据えてテレビでゲーム
まずはこれ。これが一番。一人でじっくりテレビで楽しむ形態。
この場合、コントローラーはこれを使う。
②いつでもどこでも熱中ゲーム
次はこれ。これも今となっては基本。持ち運んで気軽にいつでもどこでもゲームができるという形態。
この携帯ゲーム機の左右についているコントローラーは取り外しが可能なわけである。それで色々な形態に変形すると。
③いつでもどこでも優雅にゲーム
裏側にこんな簡易的スタンドがあり…
この左右のコントローラー部分を外せることにより…
携帯ゲーム機でもこんな優雅なスタイルでゲームができてしまう。画期的。「サプライズがない」ということは、こういうのは既にあるんだろうか? まあ、「サプライズがない」というのは、ユニークなソフトがない的な意味もあるようだが…。
④複数人でいつでもどこでもゲーム
従来は携帯ゲームと言えば、一人で没頭するイメージだった。もしくは、複数人でやるといっても、ポケモンバトルやマリオカートのように、それぞれが別の画面で熱中するイメージだろう。
しかし…
このように
持ち運びつつみんなで楽しめるような機構になっている。左右のコントローラーがそれぞれ独立したコントローラーになるのもミソ。それによって、四人対戦するのにも、ニンテンドースイッチが二つあれば十分になっている。
これは、ゲームをもっとフランクに楽しめるものに変える可能性を持っているように思う。生活の中にスムーズに馴染んでいくポテンシャルがありそうだ。
⑤いつでもどこでも据え置き気分
このように、持ち運びつつ、最初に紹介した、しっかりしたコントローラーがやる…ということもできる。みんなで持ち寄ってトーナメントだ! というようなときによさそうだ。
そして、これらを駆使して…
選手(プレイヤー)たちが集まり、大規模チームバトル!
のようなこともできるのでは?
…という、ここまでの可能性をこのムービーに説明臭くなく詰め込み、物語っている。まあ、トーナメントはぶっちゃけ別に64やらゲームキューブでもできるのだが、持ち運べるゲームであれば、作戦会議やら練習なんかもしやすくて、部活やサークル感覚でできる気がするだろう。
友達がゲームして集まってるところに、自分も参戦! なんてのもできるだろうし、スマホと同じで「みんな持ち歩くのが当たり前」という文化を作ろうとしている感じがある。「ゲーム脳」だとか、「引き籠ってゲーム」だとかのくだらんイメージをぶち壊して刷新しようとしているのだ。
なおかつ、「どこでも一人でゲームに没頭」という、携帯ゲーム機の暗さも払しょくしている。その上で、一応任天堂も「“家庭用据置型テレビゲーム機”」と言っているだけあり、スマホゲームのような「いつでもどこでも中毒的にはまってるだけ」みたいな勝手な不健全イメージも薄いだろう。
ゲームを生活の中の一部にもっともっと深く浸透させたい。そんな想いを私はこのムービーから感じ取った。
ちなみに
ゲームソフトはカードだそうだ。読み込みが早くなるのでは?と期待している。
だいたいゲーム離れの一因には絶対に「起動が面倒」というのが入っていると私は睨んでいる。昔は「カチャッ ピコーン!」だったのが、今じゃあ
「……ホワーンウワオーーーン ブーン ピッ(選択肢とか) ピッ(選択肢とか)」⇒ロード⇒「ブオワーン」⇒アップデート⇒パスワード入力⇒「プワーーーン」
みたいな感じで本当にめんどくさい!
付けたらすぐゲーム! 余計なネットだとかアップデートだとかトロフィーだとかは完全になしにするのが無理だとしても任意にして、なしに設定したらすぐゲームに入れるようにして欲しい。あれではやる気にならん。
あと、一点残念な点を言うとすれば、今までの据え置きゲーム機との互換性はないこと。まあ、媒体がカードな時点で当然かなとは思う。そもそもWiiやWiiUとの互換はその特性上、難しいゲームが多そうだ。この程度では”失望”にはならない。
更に…
ネット上には失望の声ばかりではない。
まだすべてのベールを脱いだわけではないNintendo Switchには、わかりにくい特徴がある。
そのひとつが脱着できるコントローラと本体の接続方法だ。通常の電子機器では、ボタン操作の信号は電気信号となって本体に伝わる。ところが、2016年1月に提出した脱着可能なコントローラの特許によると、この当たり前の設計をしていないものと思われる。つまり、本体とコントローラは電気信号ではなく、カメラによってつながっている。電気回路の制約を受けないということは、「ねじる」「つかむ」など特殊な操作をするコントローラ、Wii Fitで見られた体重計のような装置、最近話題のVRゲーム用のゴーグルなど。理論上、どんなモノとでも信号のやり取りができるのだ。
こうした拡張機能があるとすれば、かつてなかったゲームを企画することができる。
こんな更なる先を読み取った記事もあった。私は携帯と据え置きの兼用というよりは、様々な変形が人とのコミュニケーションの在り方を前提に作られている風なところに気合を感じたのだが、そんなのよりも更に色々読み取り、先を予想している人もいるものだ。
まとめ
もう語りたいことは語りつくしたのだが、とにかくこのニンテンドースイッチには期待だ。肝心なのはゲームソフトの方なのだとも思うが、操作形態はWiiのときのような斬新さは確かにないので、オーソドックスに面白いゲームを待つことになろう。
そして、そのオーソドックスに面白いゲームを、一人でじっくりもできるし、好きなタイミングでそれを持ち運べるし、そしていつでもどこでも気軽に、ときに優雅にみんなで遊べる。そうなれば、ゲームへの新しいアプローチだと十分言えるだろう。
以上をもって、私はニンテンドースイッチに、”期待”する。
~To be continued...~
私はドラクエが好きなのであった。
64も名作ぞろいだった。そして、当時は画期的だった。