なんだかほわ~っとしたような、キラキラしたような…そんな感じの「夢」っぽい感じの映像。そういう風な加工をしたいときってありますよね。
映画・ドラマ・アニメの夢のシーンや回想シーン、現実ではない異世界のシーン、結婚式のPVなどなど…
AviUtlで動画編集・加工をすれば、色調補正やグローなどを駆使して、そんな感じの加工ができてしまいます!
AfterEffecsを購入してからは使わなくなってしまったAviUtlですが、いまだにこっちの方が使い慣れてるんですよね~。三年くらい鬼のように使ったからな…。
まあ、自主映画の制作に使っていたので、3Dカメラ的なのは苦手なんですがそれはAEでも同じことなんですよね。
さてさて、そんなぼやきはゴミ焼却炉で燃やして早速解説に参ります!
AviUtlで動画を編集・加工して「夢・回想シーン風」にしようの巻
しようでござる~。
というわけで、まずはプロジェクトファイルを作成します。(ちなみにこの記事では、AviUtlの基本操作については解説してないのでご注意!)
まずは「夢・回想っぽい雰囲気にしたい動画」を読み込みます。AviUtlの拡張編集の操作画面に読み込みます。
今回、加工する動画はこれにします。
⇒自主制作映画『抜本-BAPPON-』前半のワンカットより(加工前)
以前制作した自主映画における夢のシーンの、夢っぽく加工する前の動画です。この動画が、この記事が終わるころには夢っぽくなっています。皆さんはそれぞれ手持ちの動画を読み込んでくださいね。
ただ、あまりにも暗い動画だと、設定値をかなりいじらないとうまくいかなくなると予想されるので、上記動画と同じくらいの明るさの動画で試すのが良いと思います。
ちなみに記事タイトルにはカラコレ(カラーコレクション)と書きましたが、色んなエフェクトを使うので、カラコレの域からは少し逸脱しているかな、と思います。…が、わかりやすく解説していきます!
それでは!
AviUtlの機能を使って「夢」や「回想」っぽくしていきましょう。(基本は夢っぽくする解説ですが、「美しい思い出」のような回想シーンにも使えるはずです。)
①「グロー」エフェクトで少しキラキラさせる
さて、まずはエフェクトの「グロー」で動画を少し光るような感じに加工します。
「グロー」というのは、オブジェクト(動画や図形など)を光らせるエフェクトです。似たようなエフェクトに「発光」というのがありますが、「グロー」の方が汎用性があります。
というわけで、動画に弱めにグローをかけることで微妙に光らせ、「キラキラ輝く夢の世界」的な演出をするのです。
エフェクトを追加
グローエフェクトは、編集画面を右クリックして、「メディアオブジェクトの作成→フィルタ効果の追加→グロー」で追加できます。
グローはここです。グローエフェクトを追加したら、次はグローの設定値を設定します。
設定値
読み込んだ動画の明るさによって設定値は変わってきますが、私の場合はこんな感じにします。
弱めに光らせたいので、「強さ」は低めにします。そして、全体的に光らせたいので、「しきい値」は低めにします。しきい値が低いほど、暗い部分も光るようになります。
最初に明るい動画を読み込んだ人は、これよりも「強さ」は低く、「しきい値」は高めにしてください。暗い動画を読み込んだ人はその逆です。
これでグローは完了です。さて、効果のほどは…
・Before
◆After(グロー)
どうでしょうか。すでに大分「キラキラ輝く夢の世界」感が出てますよね。世界全体が光っている感じです。麺続載人はこれで終わりでもOKなくらいです。くらいですが、ここから更に手を加えていき、より「夢の世界感」を強めていきます。
②「色調補正」で明るく・淡くする
お次は色調補正。少し明るくして、少しコントラストを弱めます。そうすることで、淡く・明るい雰囲気になります。
エフェクトを追加
色調補正は、グロー同様に編集画面を右クリックして、「メディアオブジェクトの作成→フィルタ効果の追加→色調補正」で追加できます。グローよりも上にあります。
設定値
設定値はこんな感じです。
少し明るくして、少しコントラスを弱めます。そしてこれは好みですが、私は彩度を上げてカラフルにして、華やかな夢の世界的にしています。
これで色調補正は完了です。さて、効果のほどは…
・Before(グローのみ)
◆After(グロー+色調補正)
どんどん夢っぽくなって来ましたね~。上は彩度が低いのでシビアな夢には合うかも知れませんね。シビアな夢のシーンなんかあんまなさそうですが。
③「拡散光」エフェクトでぼんやりと光をにじませる
お次は「拡散光」です。「グロー」とはまた違う光らせる系エフェクトです。ほわーっと、灯のように淡く光ります。
エフェクトを追加
拡散光も右クリックからの、「メディアオブジェクトの作成→フィルタ効果の追加→拡散光」で追加できます。グローの一つ上です。
設定値
設定値はこんな感じです。
ですが、お好みに応じて「強さ」を強くしたり弱くしたりして良いと思います。どれくらい「ぼんやり」させるか…っていう感じです。
これで拡散光も完了です。さて、効果のほどは…
・Before(グロー+色調補正)
◆After(グロー+色調補正+拡散光)
じわ~っと光がにじんでますよね。もっとわかりやすいように拡大verも。
・Before(グロー+色調補正)
◆After(グロー+色調補正+拡散光)
かなり夢っぽくなってきてると思います。遥か昔の思い出の回想っぽくもあります。ここまで来たら完成は間近…次で仕上げです! 仕上げでげす。
④「周辺ボケ光量」で別世界観をマックスに
最後の仕上げは、「周辺ボケ光量」です。あれ~光量はどこじゃったかのう? ばあさん、知らんかね? いやあねえおじいさん。顔にかけてるじゃないの!
…と、このボケではなく、「ぼかす」「ぼやかす」的な意味のボケです。
よく映画やゲームの回想シーンで見かけるやつです。画面の四隅が丸く・暗くなってたり、丸く・明るくなってるやつです。漫画でも回想シーンはコマの四隅が丸っぽくなってることがあると思います。
まあ、見ればわかると思うので進みます!
エフェクトを追加
周辺光量もおなじみ右クリックからの、「メディアオブジェクトの作成→フィルタ効果の追加→」…ではありません!
周辺光量は「カスタムオブジェクト」という分類になるので、「メディアオブジェクトの作成→カスタムオブジェクト」から追加します。
そして、カスタムオブジェクトの設定画面左下から、「周辺ボケ光量」を選択します。ひと手間多いですね。
これで「周辺ボケ光量」の追加ができました。次は設定値をいじります。
設定値
気になる設定値ですが、まず「合成モード」を「スクリーン」にします。そして、「光量」を100より高くするのがポイントです。
この二つをすることで、四隅をいい感じに明るくすることができます。その他、効果を弱めるために少し透明度を設定したり、ボケ量を調整したり…としています。
動画の明るさと個々人の好みに応じて設定値も変わりますが、だいたいこんな感じでOKだと思います。
さて、最後の仕上げの効果は…!?
・Before(グロー+色調補正+拡散光)
◆After(グロー+色調補正+拡散光+周辺光量)
完成です!
四隅を明るくすることで、「これは夢だよ」「これは回想だよ」というのを明示的にします。普通の回想シーンでは暗くすることが多いのですが、今回は夢風なので明るくしています。
では、最後に完成した動画を見てみましょうか。
完成動画
これが完成動画です!
⇒自主制作映画『抜本-BAPPON-』前半のワンカットより(加工後)
加工前とのBefore・Afterも貼っておきましょうか。
・Before
◆After
全然違いますよね。
効果が強すぎる! と思われる方はエフェクトの設定値を色々いじって調整して、自分のベストをみつけてみてくださいね。
追記:「そもそもBeforeとAfterで写真がちが…おや、BAPPONが来たようだ」的なコメントを頂いたので一応弁明すると、それぞれでフレームを合わせるのが面倒で妥協したからです! そして、早く記事を書き終えて寝たかった当時の気持ちも要因の一つです。
写真というか動画の1フレームを切り抜いただけなので、Before Afterの違いは動画で比べたほうがより正確なものです。これは写真の加工ではなく、あくまで動画の加工の記事なので、まあそれでいいでしょう!
by BAPPON男
そして、今回の加工のプロジェクトファイルを配布するので、自由にダウンロードして使ってください。特に著作権表記とかは必要ありませんが、書いてくれれば私は空に飛んで昇天した後に喜びます。
動画は同梱していないので、プロジェクトファイルに動画ファイルを読み込んで使ってください。(AviUtlを持ってないと使えません。)
あとがき
AviUtlは無料とは思えない、本当に色々できるフリーソフトです。AfterEffectsもやらなきゃなあ、と思いながらも、たまにAviUtlが懐かしくなる私でした。
書籍を一冊買って腰を据えて読むのもありだと思います。
私も動画編集系の本はいくつか買ってますが、本は本で便利なものです。
ではまた夢の世界で!
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