クラシック 音楽紹介

久石譲・ジブリの音楽に似てる曲まとめ!【元ネタ・オマージュ】

2017年3月9日

日本を代表する作曲家…というとまた「〇〇の方が代表的だ!」とかいう有益な批判も出てきそうですが、日本を代表する人気作曲家なのは間違いがない”久石 譲”さん。

特にジブリで有名ですが、彼は多くの人に愛される名曲を大量に生み出しています。本当にすごいことです。私も作曲をする身ですが、あれだけ多くの人に愛される音楽を作るというのは素晴らしいと思いますね。

 

…しかし、人々に受け入れられる音楽というのは似るものなのか、名曲というのはしばしば「あれのパクリだ!」と言われたりするもの。

実際にパクリなこともありますが、作曲側からすると「これはあからさまにパロディーだ」というものや、「これは超有名な和音進行なだけや」とかいう感じのものもあります。(逆に「これは本当にパクリかも…」というのもたまにありますが。)

私の好きなドラクエの作曲家”すぎやまこういち”なんか各所でパクリ扱いされまくりですが、パクっただけじゃ作れないような名曲、クラシックを元ネタにはしてそうだけどパクるだけではこうはできないような工夫された曲だったりするわけです。

 

でも、「実際のところどうなの!?」というのが気になる方もいるでしょうし、「単純に似てる曲を見つけると面白い」という人もいると思うので、今回こうして記事にすることにしました。

”似てる”にもいろいろなタイプがあることがわかることと思います。

 


ジブリで有名な久石譲の曲に似てる曲まとめ【偶然? オマージュ? 元ネタ?】

それでは紹介していきます。

久石譲さんの曲と、似てるといわれている曲の両方を貼っているので、比較しながら読んでみてください。

 

「ナウシカ・レクイエム」→ヘンデル「サラバンド」(有名)

有名な奴。出だしが似てます。ほぼ同じにも聞こえますが、まあ、和音メインなので似ることもあるかなという気も。

映画音楽でよくあるのが、既存の音楽を先に監督が映像にはめ込んで、「こんなイメージの曲」と指定するやつ。それで、結局それに似てしまうというパターン。これがそうなのかはわかりませんが、イントロが似てます。

というわけで、まずは風の谷のナウシカの「ナウシカ・レクイエム」をどうぞ。

お次はクラシックのヘンデル作曲「サラバンド」。

重厚で悲しみを感じる響き。

こちらの動画では、風の谷のナウシカの曲かのように「サラバンド」の曲が投稿されています。わざとか勘違いかはわかりませんが、出だしはそれだけ似ているということですね。

ただ、「ナウシカ・レクイエム」はどちらかというとその後の「らん らんらららっらっらん♪」みたいな女の子の歌声が有名ですよね。この曲のアイデンティティはその歌部分にあると思ってます。

「ナウシカ・レクイエム」別バージョン

ちなみに、「ナウシカ・レクイエム」はイントロが違うバージョンもあるようです。

こちらのバージョンだと全然似てませんね。イントロだけ変えてるので、あまりにも似てたからピアノアレンジの際に変えたんですかね。真相は謎です。

 

「ポニョの飛行」→ワーグナー「ワルキューレの騎行」(意図的に似せてると思う)

これは個人的に興味深い似かたです。

36分56秒辺りから。

伴奏は相当似ていますが、メロディーもあえて似せにいってる感じがします。黙ってたらバレないだろ的なパクリだったらここまでやらない気がします。

どちらも飛行しているようなイメージということで、遊び心でやったのかも知れません。ドラクエ2の「王城」が「G線上のアリア」をオマージュしてるのと同じような感じでしょう。もしくは、映画やアニメでよくある、監督が「〇〇の曲みたいな感じで」という指示を出して、結果似た曲になった…というパターンかも知れませんね。

 

で、こちらがワーグナー作曲「ワルキューレの騎行」。

雰囲気・曲調・作曲技法的なところはそっくりで、メロディーもまあ似てますよね。

ジブリの方の38分14秒辺りと、ワルキューレの方の1分27秒からはもはや同じです。これは遊び心的なのと、一種の挑戦的なパロディーだと思います。パクリだったら逆に度胸があるなあ、という感じ。

あえて言うのであれば、曲名を「ポニョの騎行」にすべきでしたね。そうすればパクリとはまた違う何かだ、というのがわかりやすかったと思います。面白い比較でした。

 

「崖の上のポニョ」→シューマン「楽しき農夫」(微妙)

ちょっと似てます…が、これは偶然な気がしますね。

「楽しき農夫」のメロディーの反行系という話もありますが、恐らく特に似てるのは、「崖の上のポニョ」の「青い海からやってきた」の歌詞の部分と思われます。

まずは「崖の上のポニョ」からどうぞ。

楽し気で元気な曲です。

お次はシューマン作曲の「楽しき農夫」。有名な曲なので聞けばわかると思います。

まあ、似てるといえば似てますが、これでパクリと言われてちゃあ世のすべての曲は何かのパクリでしょう。仮に参考にしていたとしても、これは似てないとも言えるくらいのレベルだと個人的には思います。

 

「Summer」→「夏影 -summer lights-(AIR)」→「you(ひぐらしのなく頃に)」(影響を与えた?)

それぞれ夏をイメージしたピアノメインの切ない感動系の曲ですが、伴奏系、メロディーの雰囲気、コード進行などがちょっとずつ似ています。

これは恐らく久石譲作曲の「Summer」が元ネタ側で、それに影響を受けたのが「夏影 -summer lights-」で、更にそれに影響を受けたのが「you」…という流れと思われます。

パクリと言うほどではありませんが、オリジナリティに溢れてるとは言えない程度には影響を受けてるな、というくらいですかね。ネット上ではよく言われているようなのですが、実はそれぞれ全く関係なく作られた…という可能性もなくはないですが、「Summer」をオマージュしたと公言していたという話も。

まずは「Summer」から。イントロはキンコンカンコンと頭で鳴ってしまいます。

テンポよく展開する曲調、切なさと明るさと感動が入り混じった、なにか懐かしく思いを巡らせるようなメロディーがいいですね。歯切れのいい、スタッカートの伴奏系が個性になってます。

”スタッカート”とは、音を一音符ずつ短く切るように演奏することです。

 

次は「夏影 -summer lights-(AIR)」

最後に「you(ひぐらしのなく頃に)」

まあ、似てますよね。それぞれいい曲な感じはしますけどね。

ただ、個人的には感動・切なさのある曲でありながら伴奏がスタッカートで歯切れ良い…というところが「Summer」の持ち味だと思っているので、ほかの2曲はいい曲だけど個性は薄めだなという印象です。

「Spring」

最後におまけ。

こちらも「Summer」になかなか似ていますね。…しかし、これはそもそも久石譲作曲の曲なのです。”夏”と”春”…意図的に似た要素を入れつつ、季節の違いを表現したというところですかね。

 

 

ひとこと

音楽の表現テクニックや、その人のルーツを知るには、似てる曲を並べるというのは結構面白いと思います。パクリ云々の話に終始してしまいがちなのですが、研究的な目線や楽しむ視点から見るとまた違った感想が得られるのではないでしょうか。

以上、デリケートな感じで語った記事でした。

ドラクエの似てる曲に興味がある方は以下の記事をどうぞ。

 

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久石譲作曲のベストアルバムなんかもあります。