まあまあそう言わずね、私の頭に照明を強く当ててくださいよ。
ほらね、反射しないでしょう? つまり私には髪の毛があるのです。
…というわけで、今回は照明に関する記事です。特に、私は自主制作映画を趣味で撮ってますので映画撮影の際の照明・ライティングに関してですね。
素人的には照明の重要さってのにはなかなか気付きづらく、蔑ろにしてしまいがちです。私もそうですから。
なにせ、優れた照明の映画というのは、「まるで照明を使っていないかのように自然に照明を使い、生よりも生っぽく演出している」ので、「照明なんかいらん」と思ってしまいがちです。プロの監督でもそういう勘違いはあるようです。
とりあえず、映画は”光と影の芸術”なーんて言われるくらいに照明が重要なので、この機会に学んでしまいましょう。というわけで、照明に関して勉強できるサイトをまとめました。
まずは照明の基本、三灯照明(三点照明)の簡単解説
まとめるだけだとしょうもないので、超基本的なところは最初に解説しておきます。照明は、三灯照明(三点照明)と呼ばれる、三つのライトを使うものが基本となります。
- キーライト
- フィルライト(おさえのライト)
- バックライト(タッチライト、ヘアライト)
キーライトが最も強いメインの光源で、屋外の場合は太陽にあたります。撮影対象の正面斜め45度くらいからライトを照らすのが基本。
フィルライトはキーライトの逆側からあてるライトで、キーライトによってできた強い影を弱める役割を担います。キーライトよりも若干正面寄りにするのがよいとされることも。
バックライトは撮影対象の背後からあてるライトで、輪郭を際立たせる効果があります。極端にいえば、まさに後光が差すような感じで、ドラマチックな雰囲気になります。
上記はあくまで基本で、なおかつ常に三つが必要というわけでもないのですが、まずはこれを知らないと話にならない…そんな感じです。
映画撮影の照明・ライティングを勉強できるサイトまとめ
ここからはまとめです。どれも参考になるものを選んでいます。
簡潔明確な解説!「一眼レフカメラでの動画撮影入門講座 【ライティングの基本】|Upitivity 4K」
一眼レフカメラでの動画撮影入門講座 第3章 【ライティングの基本】|Upitivity 4K
要点を簡潔にまとめつつ、わかりやすい写真で、照明・ライティングの基本を学べます。お勧め。
バックライトがヘアライトと説明されています。
しかし、ヘアがあまりありません。
このように、楽しみながら学べる良サイトです。
照明とは関係ないですが、「低予算での映像制作を成功させるためのコツ」という記事も自主制作映画初心者にはお勧め。私も似たトーンの、「自主制作映画を作る方法・そして完成させるための6つのコツ【超基礎編】」という記事を以前書いてます。完成させ、そして成功させましょう。
図と写真で解説「3灯照明の基本と応用|EDIUSの総合サイト」
映画撮影系のことに関して、体系的にいろいろ学べるサイト。まあ、ほかのサイトもそうなんですが、きれいにまとまっています。Upitivity 4Kで軽く勉強した後に読むのがお勧め。
図と写真でわかりやすく解説されています。今回紹介するサイトの中で最も癖がなく、基本的な基準となるサイトだと思います。一読はした方がよいでしょう。
基礎+実践!「照明基礎・レフとライト位置|映像制作裏ワザ入門」
一般的な照明の基礎解説から、屋外でのレフ板の使い方の体験談を交えたコツなど、客観的主観的両方の視点から参考になるような内容になっています。
さらに、
ライティングは予算のかけ方が如実に現れる分野でここでは20万円から30万円で15分位のショームービーを作っているぐらいの人たちを対象に想定して書いていこうと思います。
冒頭に上記のように書いてある通り、同程度の予算の人には特にためになることでしょう。ただ、予算10万以下の人的にも十分参考になります。
独自の映画論と共に学ぶなら「映画講座|MASUDA home page」
映画講座(24)照明技法(三灯照明)|MASUDA home page
※2017/9現在リンク切れ
体系だった丁寧な説明という感じではないので、別のところで基本を学んだ後に読むべきサイト。違った視点が得られる。
たとえば…
更に映画(ドラマ)を撮る場合、キーライト位置は、45度では駄目です。45度はあくまで被写体を綺麗に撮るためであります。映画におけるキーライトは、その場面における太陽の位置、夜の室内であれば、その室内灯の位置が、キーライトの位置となります。
こういったように。
大抵の解説サイトだと、キーライトは45度くらいと書いてあるので、こういった核心を突く、実践に即した解説は重要です。照明技法の解説はストーリーや場面設定などのない、単なる物撮りの写真撮影を想定している場合すらあるので、あくまでも映画での撮影ならば深い実情まで知るべきでしょう。
まあ、私も照明は学び立てなのですが、自分の部屋で自分を被写体にして色々試しているだけでも知識と実践の差・繋がりが感じられます。照明は奥が深いということですな。
照明の多様な力を知れる「ライティングの学校」
サイトの見た目は古い感じですが、内容は写真付きでわかりやすいです。
キーライトなどの説明はほかのサイトと似たような内容ですが、季節感をライティングで出す方法や、
・春
春というのはどこかほのぼのとのどかな印象があります。
天気が良くてもその陽射しはやわらかく、ライティングで春の雰囲気を出すときも、
コントラストはそれほど強くない方がいいと思います。・夏
夏といえばやはり一番の印象は、ギラつく太陽です。
陽射しは強く、コントラストは強い方が「熱い」という感じがします。
日中の太陽は高い位置にあるので、室内に差し込む直射は高い位置から光を流し込みます。
電車をライティング(照明)で走っているように見せる方法などの解説が特徴的です。
電車を走らせる
電車そのものではなく、電車の窓の光を走らせることで、電車が通過したように見せるのです。
~中略~
僕達が使う機材としては、六角ミラーというのがあります。それに光をあて、回転させると四角い光が流れ、電車の窓の光が通過しているように見えるのです。
学校というだけあって、照明の面白さまで感じられますね。低予算で撮影する自主映画なんかでは意外と役立つ場面もあるかも知れません。技術が追い付けばですが。
要点だけかいつまむなら「映像制作|ライティング・照明に関する基礎知識まとめ」
ここまでに紹介した各サイトを含む、照明解説系のサイトから、要点を引っ張ってまとめたまとめ記事。
これを紹介すると若干元も子もない感じはするが、照明は非常に奥が深いものと言われているので、これだけだと不十分だろう。もちろん、どんなに知識をつけまくっても実践がないとだめなのだが。
とにかく、最初にさらっと色々知りたいならここを見ればいいだろう。
動画で学ぶなら「プロが教えるライティングの基礎講座」
最後に、動画講座の紹介。
動画だとよりリアルに照明の力を見ながら学べるので、こちらもお勧め。この基礎講座シリーズはライトの組み立て方から始まるので、全部通しで見れば大分知識は着くでしょう。
そして、机上の空論ではなく、実際にモデルに照明を当てながらの動画解説なので、実践的な目線でも参考になります。もちろん、映画ではこんな風に一人の役者が真正面を向いているだけのカットなんてそんなにないですが。でも、非常に参考になるのは間違いないです。
まとめ
自主制作映画だと予算も人数も時間もかなりきついので、照明に力を入れすぎると完成しなくなる可能性もあります。ですが、室内での重要な短いシーンなんかではどうにか頑張りたいところです。明らかに作品の仕上がりに差が付きます。最近気づきました(2017/1頃のこと)。
屋外での照明使用は自主映画だとできないケースが大半な気もしますが、太陽光は素晴らしいキーライトなので、それを利用してレフ版でフィルライトを生み出すだけでも違うと思います。
照明は最低限以上のことを学ぼうとするとかなり奥深いようなので、ちゃんと勉強するなら一冊買うのがいいと思います。一冊で足りるのかは知りませんがまあまずは…
実際に照明を買うなら、予算が全くない人にはこれがお勧め。私が買った極安LEDライト。
さあ、泥沼のような奥深き照明世界に立ち入るとしますか…
↓とはいってもね、照明が優れた未完成作品よりは照明まで手の回らなかった完成作品の方が私は重要だと思います。
↓とはいっても照明は重要。合成動画においても重宝します。
↓自主映画系の記事一覧。素人が映画を撮るにはどうすればいいか、なんとなくわかるはず。