ゲーム 考察

ポケモンGOって何が面白いんだろと考えたらスタンプラリーに行き付いた話

2016年7月29日

キャプチャ

またポケモンGOの記事です。

ここ最近、ポケモンGOが大流行。いつまで続くかはまだ予想できませんが、多少は減っても息長く残るんじゃないかと予想できます。自主映画を撮るにとってはあらゆるところに人がいると困るんですが、相手からすれば自主映画に困ってるかも知れないのでお互いさまでしょう。

 

ここまで流行ると色々なことを言い出す人が現れます。

 

「ポケモンGOおもしれーー!!」

「ポケモンGOやったけどつまらんわ」

「ポケモンGOは外に出向かせるゲームという点で、非常に画期的だ」

「ポケモンGOは単なるIngressの劣化であり、クソゲーだ」

「ポケモンGOは幅広い世代に受け入れられている普遍的なゲームだ」

 

 

などなど、色々あるでしょう。

その中でも、「ポケモンGOはゲーム性に乏しく、何が面白いかまったくわからない」、「外に出てもスマホいじってばかりで危ないし、どこにいってもポケモン目当てだから結局場所は飾りに過ぎない」的な意見を見て思ったことがあるので、ここではそれについて書きます。

ちなみに、私はポケモンGOをまあまあやってます。

 


ポケモンGOの面白さはスタンプラリーではないか

はい。そもそもこの記事のタイトルに私が言いたいことは既に発表されているわけですが、改めて。

ポケモンGOの面白さってスタンプラリーなんじゃないの?

ということです。

他にも似た意見の記事を見つけました。…が、こちらは否定的意見で、私は特に否定的な意味でスタンプラリーと言っているわけではありません。

 

 

反論もたくさんあるでしょう。私もこれが全てとは決して思っていません。ですが、似た要素があるなーと思ったわけです。

ポケモンGOの面白さの要素

ポケモンGOって、やってみると細かいことを気にしなければ確かに面白いです。

ポケモンのレベルアップや進化は基本的に同じポケモンを捕まえ続けるだけ、レベルアップで技を覚えない(進化で技がいきなり変わるけど)、ポケモンに遭遇しても基本的にボールを投げるだけ、ストーリーがほぼ皆無、バトルもたいして戦略性がない…

などなど、ゲーマーから見れば確かにものたりないでしょう。ですが、もっと違うところに面白さはあります。

現実と連動したマップ・画面上にポケモンが出現するとか、マップ上にポケストップがあってそこを実際に歩いて目指すとアイテムがもらえるとか、色んなポケモンを集めていくコレクション要素とか…

 

あれ? これってやっぱりあれに似てない?

 

スタンプラリー

stamp-1415724_640

 

スタンプラリーの面白さ・ゲーム性

だって、スタンプラリーって子供の頃夢中になったし、大人でも意外と楽しいけど、あれってゲーム性ないよね。ほぼ0じゃないでしょうか。

ただただ時間をかけて移動して、スタンプを押して集める。それだけです。なんでか楽しいけど、それだけ。

でも、意外と幅広い層が楽しめる。

 

スタンプラリーとポケモンGOに共通すること

わかりやすいのでポケモンスタンプラリーで考えましょう。

ポケモンスタンプラリーとポケモンGOで考えてみる

現実には存在しないポケモン。それが単なるスタンプとはわかっていても、現実にいつも使ってる駅にそれは存在しているわけです。現実世界とのリンクですね。子供にとっては、いつも使って駅というよりは知らない駅に(スタンプとして)ポケモンがいるという風になるかも知れませんが、それはそれで興奮する理由になり得ます。

そして、ポケモンスタンプを押していく=ポケモンを捕まえていくのとほぼ同じ、コレクション&達成感的なミッションですよね。実際にスタンプが置いてあるか、ARでスマホ画面にポケモンが出るかの違いや、現実の地図を見るか、スマホでポケモンアプリ上のグーグルマップを見るか、の違いはありますが、根本は同じ面白さじゃないかなと思います。

ポケモンはランダムに出たり、ボールを投げたりしますが、それは付随要素と見れそうです。

 

そうなると、後は、普通のお出かけ・散歩・旅行とかと同じ楽しみです。

  • 目的地を目指す楽しみ
  • 色んな景色を見る楽しみ
  • 知らないところに行く楽しみ

 

”移動する”という行為そのものに伴う楽しみですよね。複数人でやると今度は、行く途中の会話やら、協力する楽しみやらも出てきます。全てポケモンGOにも当てはまりますね。

ポケモンGOの場合は、それに加えて対戦要素コレクションの競争要素(どっちが多く集めてるかなど)などもあります。ただ、スタンプラリーも複数日に渡って集め、なおかつ同時期にたくさんの人がやるようなものであれば、それらの要素が生まれるんじゃないでしょうか。

 

あとは、スタンプがどこにあるか探す要素も少しはあると思います。これは、「ポケスポットこっちのはずなんだけどな…」という状態や、「あのポケモンどこにいるんだろ、やっぱ水辺かな」みたいなのと似てると言えそうです。

更に、スタンプでランダムエンカウントを再現したら…

駅ごとのポケモンスタンプを、法則性を持たせつつ日によって変えたりすれば、より一層ポケモンGOに近づくと思います。例えば、山手線沿いは岩タイプ・地面タイプが多くて、丸の内線はプリンやらビリリダマやら丸っこいやつが多いとか…。

面倒ですけどね。

 

なぜどちらも幅広い層・世代が楽しめるのか

group_people_smartphone

幅広い世代が夢中になってる度合いは正直、ポケモンGOの方が何倍も上な気はします。が、スタンプラリーも家族・カップルで行って、なんだかんだみんな楽しみますよね。いわゆるオタクだってやります。

それは何故か?

 

①単純なルール&普遍的欲求への訴求

とにかくルールが単純!

色んなとこに行って、”何か”を集めるだけ

基本ルールはこれだけですからね。このルールなら、幼稚園生でもじいさんばあさんでも取り込めます。

そして、これは人間の収集欲に関わるので、結構根源的なところにモチベーションがあります。いざ集め始めると、大抵は「もっと集めたい」ってなります。だから、基本ルールは超単純だけど、十分すぎるパワー・誘引力があるのです。

スタンプか、ポケモンかの違いです。

 

②現実とのリンク

何度もしつこいですが、やっぱりこれ。

現実世界っていうのは全員がそこに生きてる共通世界です。「俺は二次元に生きる!」と高らかに叫んだところで、叫んでるその声は三次元の現実世界の空間を震わせます。

その現実世界に仮想世界・空想世界がはみ出てリンクしてくると、ちょっと面白いんですよね。みんな「現実世界から逃げ出したい」とか、軽くは思ってますから。いつものラーメン屋にコイキングが出現し、職場にピカチュウが出現し、吊革にズバットが出現すればテンション上がります。

スタンプラリーだと、ものによっては仮想世界までは行かないかも知れません。が、いつも通ってる単なる駅や場所が、スタンプラリーというゲームにおける”意味ある目的地”となり、そこで”スタンプという褒章”がもらえる訳ですからちょっとは日常から外れます。

 

③旅行要素

上では「いつも通ってる駅」とか書きましたが、逆に、普段行かないようなところに行くこともあります。スタンプのために。もしくは出現するレアポケモンのために。

そうなるとスタンプやポケモンの楽しみとは別に、一般的な旅行的ワクワク感が生まれるはずです。

旅行は幼稚園でもじいさんでも楽しめる行為ですから、これもまた幅広い世代・層に受け入れられる普遍的要素の一つと言えます。

 

と、本当に基本的なことではありますが、改めて振り返るとどちらにも普遍的要素が多いのが確認できます。

 

④主人公は自分

そして、自分の足やら車やらを使って移動するこのスタイルの場合、ストーリーはなくても最初のちょっとした設定さえあれば、あとは自分が主人公ですから。脳内補完で勝手にある程度は盛り上がれるんですよね。

スタンプラリーもポケモンGOも、ストーリーはおおざっぱでよく、むしろだからこそ小難しくなくてハマれるんじゃないでしょうか。

 

 

普遍的面白さ

…と、このようにポケモンから努力値やら、ストーリーやら、わざマシンやら、きあいのタスキやら、メガシンカやら、弱らせて眠らせると捕まえやすいやらと、様々なポケモンのゲーム性・戦略性を除いてもポケモンGOには上記のような普遍的な面白さが残されているわけです。

むしろ、作を追うごとに複雑化していったシステムを潔くさっぱり切り捨てて、スタンプラリーのような普遍的な面白さに焦点を絞ったからこそ大ヒットしてるのかな、とすら思います。

なにせ、うちの親もやってますからね。

なんとなーく移動してて珍しそうなポケモンが出て、それをスワイプして捕まえるだけで十分面白そうです。CPすら気にしてないのに楽しそうにやっています。何故それで楽しめるかというと、スタンプラリーのような楽しさがあるからですね。

つまり、ポケモンGOはゲーム性の増したポケモンスタンプラリーのようなものなのではないでしょうか。

 

でもそれだけでは終わらない

しかし、これだけではここまで皆が熱中しないでしょう。ポケモンではなく、たとえばその地域を模したメダルを掘り当てるようなゲームだったら流行ってないでしょう。

ポケモンGOにはこれ以外にも面白さが色々あるのです。スタンプラリーの話からは少し外れ、それはポケモンというゲーム全体の話に繋がってくるものですが、せっかくなので語ってしまいます。好き勝手語らせてください。

 

 

そもそもポケットモンスターはなぜ幅広い層・世代に受けるのか

pikachu-1207146_1280

ポケモンGOはポケモン以上に広い層にヒットしていますが、大元のポケモン、ポケットモンスターも負けてません。このゲームは男子にも女子にも広く受け入れられています。

これもまた普遍的な理由があります。先ほどと被るところもありますが、それも含めて書いていきます。

 

①コレクション要素(収集欲を刺激)

男子も女子も、おばさんもおじいさんも、何かしら集めるのにハマってる人は多いです。

虫を集めたり、リカちゃん人形を集めたり、ポイントカードを集めたり、自己啓発本を集めたり…老若男女問わず人間というものは色々コレクションしてます。

ポケモンを集めるという行為自体が普遍的な面白さになっています。

捕獲=狩り

ちなみに更に分析すると…

ポケモンを捕まえるという行為は、いわば狩りに近いです。殺さない狩り、狩猟行為です。というわけで、恐らく狩猟民族の精神はここでくすぐられます。農耕民族の精神はペット要素・対戦要素におけるポケモンの育成でくすぐられるはずです。

しかも、捕まえ方がモンスターボールでなんとなく平和でかわいい雰囲気なので、狩りに興味がない女子などでもすんなり受け入れられるわけですね。

まあ、これはちょっとおまけです。

 

②対戦要素

これは主に男子ですが、”戦う”という行為は現代の現実ではなかなかできないものの、やはり根底にはこういう欲望があると思います。強いやつと戦いたい、という悟空みたいな感じですね。

また、これはスマホゲームで結構顕著ですが、人と戦うというのには自己顕示欲もあります。人より強くなりたい、強いと知らしめたい、という想いがゲームのプレイを加速させます。強いポケモンを自由自在に扱う、という点も、自尊心をくすぐるかも知れません。

 

③ペット要素

今度はどちらかというと女子向けです。ポケモンは、はかいこうせんとかいう怖い技もありますが、結構デザインがかわいいです。かっこいいのもありますが、それもやっぱりどこか愛嬌があるかっこよさです。

かわいいポケモンを捕まえたい、というのはコレクション要素以上に、ペットを育てる要素に繋がります。ペットは老若男女に大人気ですから、これもまた普遍的です。

妖怪ウォッチにしろ、デジモンにしろ、たまごっちにしろ、大ブームには大抵コレクションとペット要素が絡みます。更に、うまくバトル要素が入ればなおよい、というわけです。

 

④ギャンブル要素

ポケモン捕獲時のつかまるのか、つかまらないのか!?

という雰囲気はギャンブルに似た面白さもあると思います。あれも普遍的といえば普遍的です。

 

その他

そのほか、ポケモンの育成要素や、主人公自身のトレーナーとしての成長要素なども普遍的な面白さですが、これはRPGには大抵あるので省きます。

そしてこれらに努力値やら個体値やらに始まる、様々なゲーム性・戦略性・カスタマイズ性が詰め込まれ、ゲーマーにも愛されているということになります。

ただ、ポケモンGOでは逆にそこを省くことでライト層の獲得・一度ポケモンを離れた人の呼び戻しに成功したわけですね。

 

 

まとめ

以上、ポケモンがそもそも幅広く受け入れらる理由の分析でした。

つまりポケモンGOは、スタンプラリーという普遍的なものにポケモンの普遍的面白さを入れ込んだ、超普遍的面白さを持つゲームということになります。

スタンプラリーのスタンプを、今まで築き上げてきた「ポケモンという超強力ブランドキャラクター」にすることで、スタンプラリーを従来の何十倍にも魅力的にしたわけです。「現実にポケモンがいる!」という感覚は夢の実現ですから。

ポケモンスタンプラリーでは到底再現しきれなかった、「ポケモンというゲームを現実でやる」というこの感覚が非常にうまくできてます。社会問題にもなってますが、それはまた別問題なのでここでは触れません。

 

超普遍的ってどんなゲームやねん、という感じではありますが、実際そうだと思います。

切り捨てたゲーム性によってゲーマーからは批判を受けるかも知れませんが、それは少なくとも最初の内は気にしなくていいということになると思います。思惑通りなのだと思います。ゲーマーには携帯ゲーム機のポケモンがありますからね。(徐々にゲーム性を拡張していく可能性はあるでしょうが。)

 

というわけで、以上! スタンプラリーよりは間違いなくかなり凝ったシステムですが、根本の面白さに相違はないかな、というお話でした。

それではポケモン世界で会いましょう。ゲットだぜ。

 


 

ポケモンGOの攻略ならこちら

ピカチュウ版の話はこちら

64の話はこちら