監視されたくてこの世に生まれてきたあなたには、この記事は最高な記事の一つになることでしょう。
こんな下手な翻訳のような文章を使ったのにはわけがあります。そう、それは、あなたの気を引くためです。なんたること。
…さてさて。監視って嫌ですよね。しかし、そんな監視をされたいあなた! そんなあなたにぴったりなのがこの記事です!
はい。動画編集ソフトAfterEffectsを使用して、ビデオで適当に撮った動画をまあまあ簡単に監視カメラ風の映像にしてしまおう…と、そういう記事なのですから。
そんな奇想天外なことをする私。何を隠そう…
自主映画の監督なのです!! がはははは!!!
自主映画って。めちゃくちゃ響きがしょぼいですよね。しかも名乗ったもん勝ちだし。
ま、とにかく紹介します。映画を撮ってるとけっこう監視カメラ風・防犯カメラ風の映像って必要になるんです。映画制作中に監視カメラ風の映像を作ったので、それをそのままチュートリアルとして解説しちゃおう、という記事です。
After Effectsで監視カメラ風の映像を作る講座・チュートリアル的なもの
ここからは真面目です。大抵の動画はこの方法で監視カメラ風の映像にすることができます。そのまんま真似すれば、さほど難しくありません。
白黒・ノイズ・走査線・ビネット・テキスト辺りが重要になってきます。
あと、After Effectsを持ってるのが前提で話を進めていきますが、似た機能のあるソフトであれば再現できると思います。たとえば、無料ソフトのAviutlでも全然できると思います。
チュートリアル動画
動画での解説も用意してます。
内容はブログとほぼほぼ同じですが、実際の操作画面を見てみたい、という方は動画の方が分かりやすいと思います。
定期的にYouTubeでチュートリアル投稿してるのでよかったら登録してください。よくなくても。
①動画を用意する
まずは基本中の基本ですが、適当に撮ったものでもよいので、なにかしら動画を用意しましょう。
ただ、三脚などで固定して撮った動画が好ましいです。なぜなら、監視カメラやら防犯カメラやらというのは、基本的には固定されているからです。
用意したらパソコンに取り込みましょう。そして、After Effectsで読み込みましょう。
私が選んだのはこんな感じの動画です。アングル的にも監視カメラ感がありますよね。これをここからどんどん監視カメラ風にしていきます。
制作中の映画で実際に使用する予定のカットです。
②動画を白黒にする
どんな方法でも良いので、とにかく動画を白黒にします。
私は、「カラー補正」内の「自然な彩度」エフェクトを使用して動画を白黒にしました。
これは好みの問題ですが、私は監視カメラっぽい暗さを出すために、更に動画をトーンカーブで暗くしました。ついでにコントラストも上げています。
なんとなく監視カメラのような不穏感が出た気がします。これはお好みで。
③ブラーで少しだけぼかす
監視カメラというのは大抵画質が悪いもの。この時代に白黒な時点でご察しだが、映像は決して鮮明ではないのであります。
というわけで、「ブラー&シャープ」内の「ブラー系」エフェクトで、若干ぼかします。どのブラーを使用しても問題はないですが、私は「ブラー(ボックス)」を使用しました。
エフェクト設定値
設定値は、プレビュー画面を見ていじるのがよいですが、私はこうしました。「エッジピクセルを繰り返す」の項目は私はオフにしていますが、オンにした方が良い場合もあると思います。
ブラー前
ブラー後
ほぼ違いはわからないですね。よく見ると下の方がぼやけて鮮明さが薄れています。
④ビネットを加える
ビネットというのは、画面の四隅が暗くなってる、あの現象のことです。回想シーンなんかで多用されています。
After Effectsでのビネットの作り方は、こちらの動画チュートリアルが非常に参考になります。
動画を見たら通信料がやばいよ! という方のために文章でもまとめました。
簡単解説
①ブラックの平面レイヤーを作成
②その平面レイヤーを選択
③その状態で、「マスク(楕円形)」をダブルクリック
④「マスクの境界のぼかし」や「マスクの拡張」をプレビュー画面を見ながらお好みに調整
そうすると、こんな感じになります。
段々監視カメラ・防犯カメラっぽくなってきましたね。
マスク設定値
ちなみに、私はマスクの設定値はこうしました。
まあ、お好みでOKです。ほんとだよ。
⑤ノイズを加える
ここから仕上げにかかります。監視カメラの画質の悪さを表現するために、ノイズを追加します。わざわざ画質を下げるわけです。
というか、なんで監視カメラってあんなに画質悪いんでしょうね? 経費削減?監視カメラの画質が良ければ捕まえられてた犯人も結構いそうですよね。まあ、そんなの言い出したらきりないですが。
とにかく…「ノイズ&グレイン」内の「ノイズ」エフェクトを適用します。「グレイン(追加)」などのほかのエフェクトでも代用可能です。
エフェクト設定値
こちらもお好みですが、私はこうしました。
そうすると…
はい。大分いい感じに画質が悪くなってきましたね! これでも十分監視カメラ感出てます。ここでやめても問題ないと思います。
⑥走査線を加える
走査線を加えて、よりカメラの映像感を演出します。走査線というのは、
こんな感じのやつです。テレビ画面に現れる横線・縞模様のことです。
実際にはこれはブラウン管にしか現れないので、液晶画面が当たり前になった最近ではそぐわない演出なのですが、それでもフィクションの世界では結構通用する演出です。「これはカメラの映像ですよ!」というのを示せる、わかりやすい記号的な表現なんですよね。
走査線の再現は2通り
走査線を作るには、「トランジション」内の「ブラインド」を使用するか、「描画」内の「グリッド」エフェクトを使用します。
トランジションの方がはっきりした走査線を作れるのですが、作った動画をほかの動画に重ねたりする際に、トランジション故に透けてしまう不具合も出るので、私は「グリッド」を選びました。
エフェクト設定値
私は控えめな設定にしましたが、とりあえず設定は下記を真似してみください。
「アンカー」は動画サイズによって変える必要があると思います。変えないと余計な縦線が入ってしまいます。これはやりながら試してみください。
そうすると…
今回私は控えめにしたので、あまり違いが判らないかも知れませんが、拡大してみると走査線の有無がわかります。
走査線無し
走査線あり
横線が入ってますよね。これが走査線です。
古い監視カメラの映像っぽくなりました。
⑦テキストを加える
テキストってなんや、ということになると思いますが、こんな感じです。
カメラの動画記録画面でよく表示される、赤丸と「REC」という英語を表示しました。
さらにそれっぽくするのであれば、「2016/10/10 21:52」だとか、「CAMERA 3」だとかを表示すると良いと思います。私は映画で使う関係で、時間を表示すると非常に面倒なことになるので表示しませんでした。
そのほか、更にカメラ感を出すために、「ディストーション」エフェクトで歪ませる…なんて方法もあるのですが、正方形ではない動画でやると面倒だったので私はやりませんでした。
…なので、これで完成です!
元の状態と比べると、監視カメラ感満載になったのがよくわかると思います。
Before
After
もっと極端に暗くしたりノイズを足したりしてもいいかも知れませんね。
とにかく、これで完成です。お疲れ様でした!
制作中の映画では実際に監視カメラの映像として流すほか、さらにこの映像をパソコン上で見るような構造になっています。完成した暁にはお楽しみに!
追記:完成しました。
ここで紹介した動画を使った映画が完成しまして、以下のページで公開しております。
【予告編】
「リアル自宅警備員」という、自宅警備員がまじですごい武力で自宅を警備する設定の映画です。しかもネタ止まりではなく結構本気の真面目な映画としてつくった不思議作品。
ぜひどうぞ。
参考サイト
監視カメラ風の映像を作るにあたって参考にしたサイトです。
参考にしたサイト
- Realistic Security Camera Effect in Photoshop(フォトショップで監視カメラ風の画像を作るチュートリアル)
- After Effectsで行う画像編集 古いモニター風の加工
- 【tutorial】aftereffectsで超簡単にビネット効果を適用する方法
まとめ
さあ、これであなたも監視され放題ですね! 自撮りした動画をこの記事で紹介した通りに加工すればいつでも監視されてる気分に浸れること間違いなし!
さあみんな! 監視されよう!!!
ちなみに、アフターエフェクトを基礎からちゃんと勉強するならこの辺の本がおすすめ。
でも、それよりも私のYouTubeで定期的にチュートリアル動画を投稿してるので、それを見てくれたら嬉しいです。^^
-完-
アフターエフェクトはなんでもできる
アフターエフェクトで監視風の次はハッキング風もいかが