自主制作映画 音声編集

簡単!音程・ピッチを変えるならフリーソフトのAudacity

2016年2月7日

キャプチャ

音声を加工したい! というか、音声の音程を高くしたい! いや、低くしたい!

そんな時に役に立つのが、高機能な無料音声編集ソフトAudacity」です。

Audacityは無料とは思えぬ使いやすさっぷり、万能っぷりを発揮する優れたフリーソフトです。よっぽどこだわるのでなければ、音声の編集・加工はこのソフトでこと足りると思います。

そんなAudacityを使って、「音声の音程・ピッチを変更する方法」を画像付きで詳しく解説したいと思います。思うだけではなく、ちゃんと実際に解説します。ほんとだよ。

 

ちなみに、Audacityでノイズを除去する方法については、下記の記事で解説しています。


まずはAudacityをダウンロード!

まずはソフトをダウンロードしなくちゃ始まりません。こちらからダウンロードをしましょう!
Audacityダウンロードページ

細かいダウンロードやインストールの方法はこちらのサイトがわかりやすく解説してくださっています。→Audacityのダウンロードとインストール(無料効果音 小森平)

※ちなみに、こちらのサイトの効果音は私が制作した自主映画でも使用させて頂いています。

 

Audacityで音程・ピッチを高くしたり低くしたりしよう

さて、ダウンロードしたらAudacityをダブルクリックして、操作画面に音声ファイルをドラッグ&ドロップします。すると、こんな風になります。

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今回は、以前制作した『抜本-BAPPON-』という自主制作映画の中の、とあるセリフの音程を上げたり下げたりしたいと思います。

『抜本-BAPPON-』は少子化による日本の滅亡を目論む組織と、少子化を『抜本的少子化対策』という伝説の本で救おうとする男の戦いの物語です。謎設定です。

話がそれましたが、とにかく今回はその映画の中のセリフを使って解説していきます。(実際には、このセリフはアフレコで撮りなおして違う音声を使用しています。)

 

謎のセリフです。

ピッチ変更」を選択

音声をAudacityに取り込んだら、次はエフェクトを選択します。今回はエフェクトメニューから「ピッチの変更」という項目を選択します。このエフェクトは、音声のスピード・テンポを変えることなく、音の高さだけを変えることができる優れ機能なのです。

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すると、こんなウィンドウが出てきます。

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色んな項目がありますが、どれをいじっても結局のところ音程(ピッチ)が変わるだけです。そして、すべての項目が連動しています。

項目説明 ①ピッチ

この項目は音楽の音程を上げ下げしたい人以外は読み飛ばしてもいいかも知れません。

音楽の音程を変えたい場合は、ドレミファソラシドで把握していると思うので、ピッチという欄の「F#/G♭」などと書いてあるところをいじると良いでしょう。

ただ、ドレミファソラシドをアルファベットで表記しているので、その対応を把握していないと意味がないかも知れません。

ド=C、レ=D、ミ=E、ファ=F、ソ=G、ラ=A、シ=B

上記のような対応となっています。

なので、例えばハ長調の曲をニ長調にしたいときなどは、下記のように設定するとOKです。

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このように設定すると、勝手にほかの項目の数値が連動して変わります。今回の場合はこんな感じになります。

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何長調とかがよくわからない場合は、「音程差(半音)」というところをいじると良いと思います。「音程差(半音)」のところに1と入力すると半音上がります。-1で半音下がります。単純ですね。

今回の結果を聞き比べてみましょう。

・元の音声

 

・音程変更後の音声

 

音声が高くなっているのがわかると思います。

 

ちなみに…

色々と細かく解説しましたが、音楽の音程をいじるわけじゃないときは、ドレミファソラシドとか無視して、適当にいじって試すほうが早いと思います。

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左下当たりの「Preview」というボタンを押すと、現在の設定でエフェクトを適用したらどうなるかを視聴することができるので、適当にいじりつつ、「Preview」で何回も聞く…という方法も十分にありです。

 

項目説明 ②周波数

音楽ではなく、セリフとか効果音とかの明確な音程がない音声の場合は、こっちの方法でいいと思います。「ドカーン!」という爆発音だとか、「人類は増えすぎた」とかのセリフの場合は、ドレミファソラシドで音程を把握しないのが普通ですからね。

こちらの場合はかなり感覚的になります。基本は「変更率」のスライダーを左右に適当に動かしては「Preview」して…の繰り返しで良いと思います。スライダーを右にするとピッチが高くなり、左にするとピッチが低くなります。

ということで、試しにやってみましょう。聞き比べように元の音声をここにも貼っておきます。

・元の音声

 

音声(ピッチ)を低くする

たとえばスライダーをこれくらい左にすると…

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音声はこうなります。

 

そんなに左にしてなくても結構低くなるので注意です。下の画像くらい左にすると、一気に使い道ないくらい低くなってしまいます。

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何言ってるかわかりませんね。しいて言うなら、ダースベイダーみたいな感じです。

ちなみに、スライダーを動かすと、「変更率(%)」の数字とか、「○○Hz」とかの数字は連動して勝手に変わります。

 

音声(ピッチ)を高くする

さて、今度はスライダーをこれくらい右にしてみると…

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音声はこうなります。

 

スライダーをもうちょい右にすると…

キャプチャ

音声はこうなります。

 

高すぎて宇宙人状態ですね。ベタな宇宙人としてなら使えなくはないかも?

 

細かく調整するなら…

このようにスライダーで調整するのもいいのですが、意外と微妙なスライド加減で音の高さが結構変わってしまいます。なので、微調整をしたい場合は、「変更率(%)」に直接数字を打ち込むのがお勧めです。

試しに4%低くしてみます。「変更率(%)」に「-4」と打ちます。

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さて、これで元の音声と比較してみます。

・元の音声

 

・4%低くした音声

 

これはよく聞き比べないとわからないかも知れませんね!

ですが、何回か聞き比べると、低くした音声のほうが少し渋くて威厳ある感じになっていると思います。効果音やセリフの雰囲気が微妙に求める印象と違うときなんかには、これくらいの微調整が良い場合もあることでしょう。

少しずつ変更率を変えては「Preview」する…この地道な作業が結局は近道だったりするものです。

 

まとめ

以上、Audacityで音声の音程・ピッチを変える方法の解説でした!

かなりわかりやすいソフトなので、この解説をみなくてもわかる人も多いとは思いますが、誰かの役に立てば嬉しいです。できれば鈴木さんの役に立つともっと嬉しいです。田山さんの役に立つと少し悲しいです。

というわけで、これで解説は終わりです! …では最後に、『抜本-BAPPON-』の予告編を貼り付けておしまいにしたいと思います。思うだけじゃなくて本当におしまいです。

映像編集で音声をうまく使う方法をもっと本格的に知りたい方は、こんな感じのちゃんとした本を買うと尚良いと思います。私の場合は、まずグーグルで検索して、その後に本を買うパターンが多いですね。

いきなり本買うより、先にネットのブログ記事とかで軽くかじっといた方が入りやすいです。

 

ほかにもAudacityで音声をラジオっぽくする方法や、ノイズ除去する方法についての記事もあるので、よかったらご覧ください。