十代のときのアイドルは永遠のアイドル【石山恵三さん・猫】
生まれて二枚目に買ったLPレコードは、先日亡くなったかまやつひろしの「釜田質店」でした。初めて買ったレコードについては、今回は秘密にしておくことに決めたモーミンパパです。
三枚目に買ったのは、いまだ現役のバンドとして活動している、アメリカのカントリーロックバンドであるニッティー・グリッティー・ダート・バンドの「アンクル・チャーリーとその愛犬テディ」だったと思います。
いまでも年に何度かは聴いている名盤です。そして、四枚目に買ったのが猫の「猫」というアルバムでした。猫はバンドの名前で、当時は一枚目のアルバムはバンド名そのままというものが多かったのです。いまはどうなんですかね。
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早稲田大学 フォークソング研究会「猫」の「石山恵三」さん
猫というのは、早稲田大学のフォークソング研究会のメンバーがつくったバンドで、まずは吉田拓郎(当時はひらがなでよしだたくろう)のバックバンドとして活動していました。
その猫が「雪」というヒット曲を放ったあとに、四人目のメンバーとして参加したのが、ベースの石山恵三さんでした。
高校時代に高中正義とバンドを組んでいた石山さんは、本来フォークグループの猫でそれしかできないロックなベースを弾きまくりました。
当時のフォークのベースといえば、
♪ベーンベベーン、ベーンベベーン
と単調に繰り返すようなものだったなか、石山さんは
♪ブビビブビビーン、ブポブポブビンポポッ
と指任せに弾きまくり、ときにリードギターよりも目立っていました。
正直、その音に私は度肝を抜かれました。
度肝を抜くベース
三枚目に買ったアルバムからもわかるように、私は欧米のロックだって聴いていました。だけど、他のメンバーの出す音や曲調すらお構いなく、ベースを鳴らしまくる石山さんに、このひとバカなんじゃないかと痺れてしまいました。
もともとはリードボーカルの田口清さんの声に魅せられてファンになったのですが、気がつくとボーカルよりもベースの音を追っていました。いまでも、ほぼ猫の全曲歌えるだけでなく、ベースラインを口真似できます。
もちろん同じフォークでももっとメジャーな、吉田拓郎だって、井上陽水だって、かぐや姫だって、ガロだって好きでした。だけど、猫については惚れこんでしまいました。私にはマイナー志向があるらしく、海外のバンドでもひとにはわかりやすくイーグルスが好きと言っていますが、本当はイーグルスの母体となったポコのほうが好きです。わからない名前をたくさん出してすみません。
とにかく、田口さんと石山さんはティーンエイジの私にとってアイドルだったのです。
永遠のアイドルは…
四枚のアルバムを出して猫があっさり解散したあとも、ソロになった田口さんの歌は聴き続けましたし、吉田拓郎などのバックバンドを務める石山さんのベースもチェックし続けました。
拓郎のフォーライフ移籍第一弾アルバム「明日に向かって走れ」では、全曲石山さんがベースを弾いていますが、わりとまともなプレイをしていて拓郎には逆らえないんだなと少しがっかりしたりもしました。いま聴くと、なかなか味のあるベースです。
そのうち田口さんはミュージシャンからディレクターに転向し、音楽業界からも離れてしまいました。石山さんの名前も、フォーライフやユイ音楽工房関係のアルバムのクレジットを目を皿のようにして探しても、見当たらなくなりました。
のちに知ったのですが、石山さんも音楽業界から離れていました。
時は流れました。
田口さんは不慮の事故で亡くなったと知りました。
時は流れました。
時は流れ、流れ
田口さんの十回忌に猫のメンバーが集い、猫が再結成されることになりました。石山さんは再びベーシストに戻りました。
そして私は、再結成された猫のライブを見たときに、石山さんと知り合いになることができたのです。長生きはするものだと、今までの人生のなかで何度か思ったことがありますが、そのうちのひとつがこれです。
さすがに石山さんも年齢を重ねていて、昔のような長髪ではありませんでしたが、ベースの腕は相変わらずでした。
何年もベースに触れていない時期があったそうですが、私ごときの耳にはブランクは感じられませんでした。私の下手な歌とギターにベースをつけてくれたときは、まさに夢のようでした。ティーンエイジの私に、きみは遠い未来で石山さんと一緒に演奏できることになるよと教えてやりたかったです。
時は流れました。
石山さんには何度もベースを弾いてもらいました。つまらぬ行き違いで、石山さんとケンカしたこともありました。深酒をしていた石山さんは倒れ、酒を一滴も飲めないからだになりました。
モーミンパパの想い
いまでも石山さんはベーシストとして活動しています。そしていまでも石山さんは私のアイドルです。
先日、石山さんともうひとりの猫のメンバーであった内山修さん、小田和正のバックバンドで長年バンマスを務めた園山光博さんの三人のライブに足を運んできました。ベースがうなりまくることはありませんでしたが、肩の力が抜けたいいライブでした。
長生きしてもいいことばかりではありません。だけど、亡くなった田口さんの曲を演奏する石山さんのベースに、じっくりと耳を傾ける夜を過ごせたのだから、やはり長生きはするものなのです。田口さん、あなたとも知り会いたかったです。
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