グルメ・食 モーミンパパ

コロンブスの生卵「スパゲッティ・ロマン」でナポリタンの新大陸!?

2017年12月25日

ナポリタンのことばかり書いていますが、実は一番好きなパスタはカルボナーラという高カロリー万歳なモーミンパパです。

いろんなとこを食べ歩いていますが、ナポリタンは自分でもつくります。

おまけ話、私のナポリタンレシピ

パルメザンチーズとタバスコもちゃんと常備しています。

私の場合、具材はベーコン、ピーマン、マッシュルームです。

タマネギは入れません。ときどき書いていますが、あまりはっきりとかたちになっているタマネギの歯ざわりが得意ではないのです。それだけでなく、これはナポリタンに限りませんが、タマネギを使うと料理全体がタマネギの味になってしまいかねないのも理由のひとつです。タマネギも香味野菜といえばそうなので、仕方ないことではありますが。

かわりに、私は長ネギが好きです。なのでたまに長ネギを入れることはあります。長ネギも香味野菜といえばそうなので、長ネギ好きにしかおすすめしませんが。

マッシュルームはなるべく、缶詰ではなく生のものを使って炒めの最後に投入します。缶詰のフニャフニャの噛み応えも捨てがたいですが、軽く火を通して軽く油も吸わせた程度のマッシュルームの口のなかで砕けていく感じはいいものです。

ピーマンにこだわりはありませんが、細く刻むようにはしています。特有の青臭い刺激も嫌いではないのですが、強すぎると、途中で振りかけて味変をたのしむタバスコの刺激の邪魔になるので。

そして、ベーコン。これが大事です。私はハムやウィンナーは使いません。ケチャップの濃さに負けず、かといってケンカもしないのはベーコンです。ハムは負けるし、ウィンナーは過度の自己主張をやめません。

B級スパの王様づくりに小賢しいことはいいたくありませんが、ベーコンにはこだわります。安いベーコンは燻った香りがしないし、液体注入でぶよぶよにされていますのでご注意ください。

ケチャップは何種類か試しましたが、あまり高級でないもののほうがいいです。私はしっかり炒める派なので、どうせトマトの繊細さは消し飛んでしまうので。

 

以上、つい調子に乗って私のナポレシピを書いてしまいましたが、いいたかったのはこのあとです。


ナポリタンと卵の新発見。そして、スパゲッティ・ロマン。

ナポリタンをつくるときに、卵があったら目玉焼きを上に載せるということです。

ほら、インスタ映えするでしょう。

いや、それをねらったわけでもないのですが。

ハンバーグもそうですが、目玉焼きが載っているとごちそう感がぐぐーんとアップした気になりませんか。私はなります。このために、百円ショップで目玉焼きの白身を丸く焼き上げる枠まで買いました。

実際、目玉焼きをつけると口も変わるので、見た目だけでなく味の完成度も上がります。しかもB級感を損なうこともありません。

なので、私は目玉焼きナポリタンで大変に満足していました。ついでに思考停止してしまいました。

これでよし、としてしまったのです。

結論をいいます。

モーミンパパ、破れたり。

奢れる者は久しからず。

目玉焼きが脳内でデフォ化してしまい、知らず知らず固定観念に捉われてしまった私は、卵の食べ方は目玉焼きのみにあらずという事実さえ顧みなくなっていたのです。

しかも、私が一番好きなパスタ料理は前述のようにカルボナーラなのです。

カルボナーラとは、どんな料理か。

私はカルボナーラも自作しますが、そのへんはさらに長い寄り道になるので別の機会に譲ります。

なので、別の書き方をします。日本人はなぜ、イタリア人よりカルボナーラが好きなのか。

これは日本にイタリア料理を広めた料理人であるカルミネさんが、私に向かって嘆いたことなので真実と思われます。まあ、四半世紀ほど前の出来事ですが。

また脱線しかけました。

 

高田馬場の喫茶店「ロマン」は生卵?

さてさて、高田馬場に「ロマン」なる喫茶店があります。

駅前の交差点にある雑居ビルの二階と交通至便な店ですが、風景をじっくり見るひとでないと気づかないかもしれません。気づいても興味を持たないひとが多いでしょうし、持っても入りづらそうと敬遠するひとも多そうですが、昭和なクリームソーダが有名な喫茶店であります。

ここの二番人気の商品が、店名をそのまま冠したスパゲティ・ロマンです。

店名がついているのだから、自信作であり、オリジナルを主張したいのでしょう。

たしかに、オリジナルでした。

私は目から卵の殻が落ちました。

コロンブスの卵ならぬ、コロンブスの生卵でした。

そうです。ナポリタンの上に、生卵の黄身が載っていたのです。

ここにはナポリタンもメニューにありますが、違いは生卵の黄身のあるなしだけです。

考えてください。カルボナーラとはどんなスパゲティかを。

名前の由来からしてイタリア人にとってはまったく違うものと認識されているはずですが、日本人にとっては卵と粉チーズで混ぜ混ぜしたスパゲティです。

ナポリタンには粉チーズが欠かせません。そこに生卵も加えたら、ピーマンはともかくベーコンとマッシュルームという具材も共通しているのだから、ナポリタンとはケチャップ味のカルボナーラともいえるのです。

そこに私はまったく気づかなかった。ナポリタンの上に目玉焼きが胡坐をかいてしまっていた。

ポトリと黄身。

卵かけごはんが大好きな日本人にとって、このビジュアルはたまりません。

 

箸はないけど、フォークの先端で潰してパスタに混ぜ込んでいくと、毒々しい赤がやさしい橙色へと変わっていきます。

おいしいに決まってるやつです。

 

とろみとコクと深み。目玉焼きのような独立したおいしさではなく、ナポと混然一体となって舌にまとわりついてきます。

ナポリタンとカルボナーラのいいとこ取り、ただしナポ寄り。オリジナルです。まさにロマンです。

目玉焼きもいいですが、ロマンの勝ちです。オムライスのチキンライスのかわりにナポリタンを薄焼き卵でくるんだものがありますが、あれよりも勝っています。しかも簡単です。ポトリ、ですから。

 

モーミンパパのひとこと

高田馬場まで行くのが面倒なみなさんはぜひご家庭で、家でつくるのも面倒なみなさんは生卵をポケットに潜ませて近くに昭和喫茶へどうぞ。(怒られる可能性大なので、その気にならないでください)