どうも、もみじみたいな顔してるもみじばです。
最近このブログを読んでいる方はご存知だと思いますが、私はふつうのサラリーマンでありながら、オーディオストックという音楽素材販売サイトを使って作曲である程度お金を稼ごうと四苦八苦している人物です。いわゆる四苦八苦マンです。
元々趣味で作曲をしていて、さらには自主映画を撮るのも趣味なのでその映画に自分で曲付けたりなんかをしてきました。
最近は趣味から商業レベルにスキルアップしようと思い、素材として売れるものをつくろうとしている次第です。次第人間です。
で、いろいろと高価なソフト音源を買い集めてきましたが…
やっぱり生演奏は強い
んですよね。
オーディオストックでも生演奏の曲はサイト内検索上位に表示されてますし、やっぱりクオリティが一段上がります。
なので、自分の曲に生演奏を取り入れてみようと思い、実行しました。
…というか、オーディオストックがバイオリン生演奏コンペを開催してたのですが、落選したので自力で生演奏しちまおうと思い立ったわけです。
そんなわけで、この記事では、ランサーズで演奏者に依頼して生演奏データをもらうまでの流れを紹介しますので、参考にしてみてください。
※出品者(演奏者)である奥村みのりさんにも許可をいただいて、記事化させていただいています。
ランサーズでバイオリン生演奏の録音を依頼してみた
今まで、ピアノを弾いてイメージを固めてからDTMで打ち込みすることはあっても、生演奏を作曲に取り入れたことはありませんでした。
生演奏が嫌いなわけではなく、演奏技術・録音技術ともに足りていない&持ってない楽器を使った曲ばっかりつくっていることが理由です。
ですが、別に何も自分で演奏して録音する必要はないわけですよね。誰かに演奏も録音も依頼すればよいだけのことです。
…というわけで、今回はネットを介して生演奏&録音を依頼することにしたわけです。楽器は、冒頭の理由によりバイオリンです。演奏を頼める知人がいるならそれでもいいですね。
演奏を依頼する曲はこちらです。
出だしの方はホルンやトランペットの方がメロディーなのですが、全体を通してバイオリンが活躍する曲です。次に依頼するときはバイオリンが全編メロディーにしたいなと思います。
ネットで検索
まず、「バイオリン 生演奏 録音」と検索しました。
一番上に出たのがこちら。
ランサーズが一番上にヒットしました。
ランサーズとは、クラウドソーシングサービスのひとつです。この手のサービスだと、クラウドワークスも有名ですね。
簡単に言うと、仕事を募集している人と依頼したい人をネット上でマッチングさせるようなサービスだと私は思ってます。
クリックしてみると、奥村みのりさんというバイオリン演奏者さんのページでした。
奥村みのりさん:バイオリン演奏 録音します【試演無料】【リテイク可】
金額や納期感、演奏の実績、その他プロフィールをここで見ることができます。
私は「ググって一番上でそのまま発注」という最短経路でしたが、もっと色々検索&比較してから発注するのが普通かも知れませんね。
奥村みのりさんは、フリー音楽素材サイトの超絶大手「魔王魂」さんの曲も演奏されていました。その他、演奏会も多数やられているようです。
ランサーズの出品者とメッセージでやりとり
ただ、比較検討しないとはいえ、いきなりワンボタンで発注するわけではありません。最初に、何通かメッセージでやりとりをします。
ランサーズでは出品者にメッセージを送ることができるので、最初に相談をしました。こういった発注をしたことがなく色々わからなかったので、気になる点を聞きました。
バイオリンの演奏を依頼できないかのご相談で、ご連絡いたしました。
依頼したいと考えているのは、こちらの曲のバイオリン部分です。
難易度が高い部分を多少変更するなどは問題ございません。また、依頼に際しては楽譜データをお渡しすればよろしいでしょうか。
生演奏を自作曲に取り入れたく、依頼しております。
また、完成した曲はオーディオストックという音楽素材販売サイトにて販売予定です。ご確認のほど、
よろしくお願いいたします。添付:楽曲のwavファイル
あまり整理されていない文章なので、依頼者としての私のレベルが問われるメッセージですが、とにかくこういった感じでメッセージを送りました。
で、その後、1時間ちょっとですぐ返事をいただけました。
はじめまして! 奥村みのりと申します。
この度はお問合せ誠にありがとうございます。
オーディオストックで販売される楽曲なのですね。曲の添付をありがとうございました。聴かせていただきました。題名通り雄大で素敵な曲ですね。私をお使いいただくことをご検討いただき光栄です。
まずはお見積もり・所用日数を出させていただきたいのですが、もう少し詳細に内容を検討したいため(演奏時間など)、バイオリンだけの音源を別途いただいてよろしいでしょうか。お手数をお掛けします。
何卒よろしくお願い申し上げます。'ᴗ'
˚₊ 奥村みのり ‧˚
この時点で私の中で、親しみやすさと信頼感がすでにマックスでした。
本題とはずれますが、ストレスまみれのギスギスした責任の所在をいかに自分に置かないかにばかり配慮している人が多いサラリーマン仕事とは違い、私に決定権があるこの演奏依頼においては、お互い配慮をして楽しく仕事にしたい、と思ったりもするわけです。
そんな、音楽と関係ない勝手な崇高もどきな思想を持ちつつメッセージでやりとりをしたのですが、信頼感ある人間的な優しさを感じまくりまして、比較検討とかする気は更になくなりました。
見積・納期確認 & 必要なデータ確認
…と、話がそれましたが、まずはバイオリンだけの音源を送り、それを元に見積&納期を算出してくれる、という流れになりました。
また、併せて、必要なデータも教えてもらいました。
楽譜に関しましては、こちらよりお伝えする見積もり・所用日数にご了承いただけるようでしたらラフ演奏の作成に入らせていただきますので、その段階でご用意いただければと思います。
また、その際には、楽譜の他に、バイオリンの音を除いたカラオケ音源、midiファイル(テンポを取得しクリック音を出すのが目的ですので音データはなくても構いませんし、バイオリントラックのmidiファイルをお送りいただくなどでも構いません)
~ 後略 ~
なるほど。バイオリンのみの音源は見積&納期確認用で、演奏時はカラオケ音源をバックに演奏するわけですね。そりゃそうか、という感じなのかも知れませんが、初依頼だとそんなことも発見で新鮮です。
最終的には、私がお渡ししたmidiファイルから楽譜をつくっていただいたようで、楽譜を渡さずに演奏していただくこととなりました。ただ、細かい演奏のニュアンス指定がある場合はもちろん楽譜を渡すべきですね。
とにかく、音源を送って見積&納期を教えてもらいました。
- 金額:●●円(重複部分をコピペした場合▲▲円)
- 納期:3・4日前後
金額はなんとなく伏せました…。とりあえず、かなり安いと私は思いました。
ラフ演奏
また、上のメッセージにも書いてありますが、今回の出品者さん(奥村 みのりさん)は、発注前にラフ演奏をしてくださいます。(今後方針が変わる可能性はあると思いますが。)
見積・納期ともにOKだったので、音源を送って、ラフ演奏(=正式発注前に演奏の雰囲気やレベルを知るためのサンプル)をしていただきました。
お世話になります。
お待たせしました、ラフ演奏ができましたので添付させていただきます。
いかがでしょうか。・だいぶ本録りに近い感じでやらせていただきました。本録りの時はもう少しフィンガリングノイズなども抑えたいと思っています。
・頭とその後の2ヵ所、素早く駆け上がる所で弦鳴りしてしまっていますが、本録りの際はもう少し気を付けます。(すみませんが完全に防ぐのは難しいかもしれません・・)
弾き方、音質、その他、お気付きの点がありましたらなんなりとおっしゃっていただければと思います。直して再度提出した方がよければまたいたします。
※ラフ演奏だけは恥ずかしいのでアップしないで!とのことでしたので、この記事では紹介しませんが、私が聞いた限りでは決して恥ずかしい演奏ではなかったので、読者の方々はご安心ください笑。
今回依頼した曲は、演奏しやすくはなさそうな駆け上がりパッセージが多いので、そこで弦鳴りがしてしまっているようでした
…が、ノイズ系はプラグインでどうにかできると思うので、たいした問題とは思いませんでした。むしろ、もっと楽器の特性を深く理解して、弾きやすい作曲をする必要性も感じました。
あと、個人的にはノイズも生演奏のリアルさの内だと思ってます(オーディオストックで売る場合ははじかれちゃうんですけどね)。
正式発注
というわけで、ノイズや弦鳴りは多少ありましたが個人的にはあまり問題と思わなかったので、一部気になる点を一応お伝えしつつ、正式に発注をしました。
ラフ演奏がなくても私は発注していたと思いますが、あるとより安心です。
駆け上がる部分、正直ちょっと弾きにくいだろうと思ってはおりました。なるべくの範囲で防いでいただければ幸いです。そして、やはり生だと表現力が違いますね。元々そのつもりではありましたが、正式に発注させていただきたいと思います。
急ぎがちに送ったメッセージですが、若干偉そうな気もしますね笑。気にし過ぎかな…。
まあとにかくこの後は、ランサーズのシステムにのっとって、発注手続きをします。
今回は、最初に見た出品ページの単価からの計算では出せない端数が生じたので、「直接依頼」という形で、金額を指定して依頼しました。
~ 前略 ~
1.私のプロフィールアイコンをクリックするなどして私についての詳細ページを表示する
2.右上の「依頼する」をクリック
3.「固定報酬」をクリック
4.カテゴリを選択(写真・動画・ナレーション→音楽・音源・ナレーション→作曲・音源・BGM制作)
5.依頼タイトルなど適宜入力
6.発注金額欄に●●と入力(税込で■■円お支払いいただくよう表示されると思います)~ 後略 ~
そのやり方も丁寧に教えてくださいました。
仮払い→案件完了→正式な支払い
という流れがランサーズにはあるので、それにのっとって手続きを進行しました。
途中、以下のような嬉しいコメントをいただいたりしながら、本録音の演奏データを待ちます。
ラフ演奏、カラオケにはめていただいたのですね。オーケストラが華々しくて雄大な
感じなので、私も正直、とても気持ちがいいです。♪
まあ、発注者がけなされることは普通ないのでしょうけど、淡々と演奏が進むよりも曲自体への感想をもらえると嬉しいものです。
納品
発注後は、演奏データがいつ頃もらえそうか連絡をもらい、納期的にもスムーズに録音していただけました。
5/12に相談し、5/17には本録音のデータを納品していただけましたね。正式発注の翌日でした。丁寧で早くて助かります…。
お時間いただきありがとうございました。
本録音ができあがりましたので、添付させていただきます。
いかがでしょうか。
こちらが、本録音のデータです。
生演奏はやはり表現力が違いますね!
自分の曲をほかの人に演奏してもらうというのは初だったので、感慨を覚えながら、音源に取り込みます。ドライな音で録音されているので、リバーブ等のエフェクトでなじませやすかったです。
生演奏を入れた音源の完成
そんなこんなで完成したのが、こちらの音源です! 比較のために元の音源も再度載せます。
バイオリン生演奏ver
全部ソフト音源ver
やはりソフト音源オンリーの音源と比べると、奥行き・広がりがちがいますね…! 奥村みのりさんの演奏も、とても表現豊かです。個人的にはラストの低音気味な辺りが特に好きです。
せっかく先月くらいからEastwestのComposer Cloudを契約して、Hollywood solo violinなんかを使ったりしていたのですが、本物生演奏の前には太刀打ちできないようです…(私の打ち込み技術が拙いのも大きな一因ですが)。
生演奏を入れてミックスをしたことがないので、もしかするとバイオリンだけ浮いているとかあるのかも知れませんが、なんにせよ元の曲よりぐっと引き締まったと思います。
ひとつ問題があるとすれば、フルートやホルン、トランペット等、ほかのメロディー担当楽器と存在感が釣り合わなくなりそうなので、1楽器だけ生演奏にするときはその楽器がずっとメロディーな構成にするのが無難そうです。わかっていながらやったのでいいんですけどね。
納品後のやりとり
納品後も実は「リテイクがあればします」的な話ではあったのですが、1発OKさせていただきました。
最後の方、「駆け上がった直後に跳躍下降」という、ソフト音源の時点からちょっと無理のある箇所があり、そこだけやっぱりちょい無理やりな感じにはなっているな~と思いはしたのですが、それは演奏ではなく作曲の問題なのでリテイクはお願いしませんでした。
そして、納品後も曲の感想を再度いただけるなど、最後まで丁寧に対応していただきました。
~ 前略 ~
今回の作品は胸がわくわくするような物語性を感じる楽曲で、音もとてもキラキラしていて、その中に入らせていただけてとても嬉しかったです。
~ 後略 ~
で、私が最後に
~ 前略 ~
また、オーディオストックの楽曲ページにて「演奏者:奥村みのり」と記載してもよろしいでしょうか?
ほか、もし可能でしたらブログで今回の発注の流れと完成品を紹介させていただけると嬉しいです。初の試みだったのと、生演奏をもっといろんな方が取り入れるようになったらよいな、という気持ちがあります。↓ブログはこのような感じです
https://storyinvention.com/audiostock-1/長くなってしまいましたが、ご確認いただけますと幸いです。
素敵な演奏をありがとうございました。
こんな感じで記事化の依頼をし、ご了承いただき、この記事に至る…ということになります。
で、現在この曲はオーディオストックにて審査中となっています。実はノイズで一回はじかれてしまったので、再申請中です。生演奏はいいけど取り扱いもむずいですね。
2019/5/21 追記:審査通過しました!
色々書きましたが、とりあえず一つ言えるのは、
やってみてよかった。
これに尽きます。
生演奏トライは今後もしていきたいと思います。
まとめ
オーディオストックで生演奏が必要とされているということもあり、この曲が売れたらいいなあ、と思います。BGMにしては曲が全体的に主張が強めなので、オープニングなどの目立つシーンでの使用がハマりやすいかなと思ってます。
ただ、売れても売れなくても今回のチャレンジは満足でした。
もしこの曲がバシバシ売れたらこの記事に追記するなどで、また紹介したいと思います。
それでは奥村みのりさん、改めてありがとうございました! バイオリンの演奏依頼を考えている方は、相談してみるとよいかも知れません。