こう見えても教員免許を持っていると言うと、だれからも驚かれる三文享楽です。
私は教育的な人間と思われていないようです。
ところで、教育的って何でしょうかね。
教える人間にだって失敗はあり、正解なんてない。それをどうやって教えていくというのでしょうか。
答えなんてどこにもない。でも、人間社会で生きるならばこういう生き方が一般的であり、妥協点である。だから折り合いを見て起動修正しつつ、はみ出さない程度に生きることが無難だよ。
こうやって教えればいいのでしょうか。
間違ってはいないと思いますが、子どもにこれを分かってもらえるでしょうか?
『教育ってムズカしい』
いい? ジュンちゃん。悪いことをたくさんして、死んじゃうと地獄に行っちゃうのよ。
地獄ってなあに?
スゴく恐いとこなの。角をはやしたオニっていう生き物がいて、ジュンちゃんの体を食べちゃうのよ。
へえ、怖いね。ボク、そんなとこ行きたくないよ。
だからね、生きている間にたくさん良いことをするの。他の人がうれしいって思うことをね。
そうすれば、平気なの?
ええ。良いことをたくさんすると天国っていうところに行けるのよ。
天国?
ええ。ここはとっても平和で、ジュンちゃんが楽しく過ごせるところなの。
ボク、そこに行きたい!
そのためにはね、良いことをたくさんするの。生きている以上はね、悪いことをするかもしれないけど、それ以上に良いことをすれば、天国に行けるのよ。
今のボクは良いことと悪いこと、どっちをたくさんやってるかな?
まだジュンちゃんはどっちも同じくらい。だから、これからたくさん良いことをすればいいのよ。
うん、分かった。ボク、がんばる。ママ、肩をもんであげる。
まあ、さっそく、良いことね。
その後、ジュンちゃんは食器洗い、せんたく、床のお掃除を手伝った。
一日でこんなにもいい子になるとは思っていなかったので、ママもビックリである。
その日の夕方、ジュンちゃんはマンションの屋上にいた。
屋上のさくを乗り越えちゃダメって、あれだけ言われてたけど、良いことを四つもしたんだ。一回くらい悪いことをしてもいいよね。
直後、一人の幼稚園児が宙を舞った。
三文ぼやき
幼稚園児のみなさん、屋上のさくを越えてはダメですよ。
絶対に押すなよ!と言われたら、絶対に押したらダメですよ。
人の言うことを信じるな、ということを信じて、言葉のジレンマに陥ってはダメですよ。
教育的な人のセリフは指導ばかり。息がつまりそうですわな。
↓死んだって辛いことばかり。じゃあ、生きていたっていいじゃないですか。
↓幼稚園児が宙に舞ったけど瞬間移動して屋上に戻ってきた、という話の展開にして実写化したいならこれ。
↓教育を含めた精神世界。理想を頭の中で思い描き続けて向かう先。