先日ドラクエ30周年記念で開催されたドラゴンクエストライブスペクタクルツアーに行ってきました、ドラクエ好きが講じて作曲を始めた私です。
金谷かほり氏やレイ・ウィンクラー氏の演出、オーディションで決定した勇者を始めとする役者の演技ももちろん去ることながら、やはりすぎやまこういち氏の音楽の力を感じずにはいられませんでしたね。
新しい形の演劇ということなのでミュージカルほど音楽が重要なわけでもないのですが、音楽のパワーが凄かったです。音楽がストーリーテラーになってましたね。
そんな中でも特に感動したのが…
「おおぞらをとぶ」
が流れる場面です。
演出もあっての感動ではありますが、もうラーミアの神々しさ(最初ちょっと可愛い感じでしたが)が曲とマッチし過ぎていてとんでもない空間でした。ファミコンのドット絵でも、PS2の3D(ドラクエ8)でも、そして現実世界でも非常に合う曲なんだなあ、と思いましたね。名曲です。
というわけで、数あるドラクエの名曲の中でも屈指の名曲である「おおぞらをとぶ」。名曲は多くの人に愛され、その結果色々なアレンジ版が勝手に生まれたりします。
すぎやまこういちが生んだドラクエの名曲「おおぞらをとぶ」アレンジ・編曲まとめ
という想いがあり…
「おおぞらをとぶ」を愛する人たちが生み出した、新たなる「おおぞらをとぶ」をまとめてみたくなったのです。大げさに言ってますが、簡単に言うと「おおぞらをとぶ」のアレンジ曲動画をまとめたということです。
名曲はどうアレンジしても名曲なのでしょうか? それをこれらの動画を聴きながら感じてみるのも乙だと思います。おつ。
おおぞらをとぶ オーケストラ 耳コピ
最初にこちら。
手前味噌ですが、私が打ち込みをした「おおぞらをとぶ」です!
ピアノ楽譜と本物のオーケストラの耳コピ、ほかの方の打ち込みなどを参考にして、丁寧に打ち込みました。世に出回っている打ち込みの中で、最もリアルなのでは…と自負しています笑。
よかったら聴いてみてください。
おおぞらをとぶ×ファミマ入店音
こちらも自分のアレンジ動画ですみません笑。
一時期はやった、ファミマ入店音アレンジです。もしもラーミアがファーミマだったら…というテーマです。
メロディー、伴奏、盛り上がり部分のホルンなどなど、そこら中にファミマを忍ばせたので、こちらも面白いと思います。
チャンネル登録もお待ちしてます~。
おおぞらをとぶ フルート四重奏ver
おおぞらをとぶのオーケストラ版はフルートのソロから始まります。その後、オーボエへと旋律が受け継がれ、二週目では大オーケストラによる合奏となるのですが、全編フルートでの演奏です。
曲の澄んだ雰囲気が強調されるアレンジです。元々ファミコン版は壮大に盛り上がったりはしないので、意外と雰囲気は変わりません。「切なくも美しい」これにつきます。
おおぞらをとぶ フルート六重奏ver
先ほどのは四重奏で、こちらは六重奏。こちらの方が少し音が分厚いわけです。
先ほどの編曲と比べて大きく印象に差はありませんが、フルートの綺麗な音色が響くアレンジです。少しか細い感じの演奏が逆にこの曲の切なさ、不安などに合っているような気もします。
おおぞらをとぶ リコーダー六重奏ver
※動画削除されてしまいました。
フルートの次はリコーダー六重奏アレンジです。
フルートはオーケストラ的なイメージも強い楽器ですが、リコーダーはどちらかというとその単色的な響き、直線的で澄んだまっすぐな音色から、ファミコンと近いものを感じます。(かつてはオーケストラに使われていたこともあるのですが、大分昔の話です。)シンプルな響きがいいですよね。
ただ、このアレンジは結構重厚な編曲でした。
おおぞらをとぶ ピアノ&オーボエのデュエットver
今度は単一楽器ではなく、ピアノとオーボエのデュエット編曲です。
非常に短いですが、独特の良さがあります。オーボエはやっぱり抒情的で哀愁漂いますねえ。この曲は器楽曲でありながら歌うようななめらかなメロディーですが、オーボエがソロで吹くとそれが強調されます。そして、ちょっとオシャレです。
ピアノの優雅さが、オーボエの悲しさを引き立てます。哀しみを秘めながらも凛とした姿勢で別れるシーンのようです。私が勝手に思ってるだけですが。
おおぞらをとぶ オルゴールアレンジver
ここらでアレンジの王道。オルゴールさんの登場です。
オルゴールもファミコンやリコーダー同様にシンプルで真っすぐな音色ですよね。オルゴールは綺麗だけど、徐々にゆっくりになって最後は止まる…というところが悲しいですよね。「切なくも美しい」ですね。
関係ないですが、オルゴールは音に抑揚が付けられないところが逆に「徐々にゆっくりになり、最後は止まるゼンマイ式の機械的悲しさ」とマッチして、オルゴールの良さに一役買ってると思います。
おおぞらをとぶ マリンバ合奏ver
はい、マイナー楽器の登場です。マリンバ知ってますか? マリバンではありません、マンドリンでもないです。最近たまにバラエティに登場するようになったあの楽器。となりのトトロのまっくろくろすけの辺りで活躍する楽器です。
簡単に言うと、巨大な木琴です。
一見民族的な楽器ですが、見た目に反してふくよかな音色、そしてこちらは真っすぐで済んだ音とはまた違う、素朴な響きが良いのです。
これはマリンバを三人で演奏するという、楽器の構造をうまく利用した面白いアレンジになっています。オルゴールのようなポンポンポンっという、淡々とした良さもありつつ、トレモロによって抑揚も大きく付けられるのが面白いところです。
これだけなんでこんなに長く書くかというと、私が昔マリンバを習っていたからなのでありました。マリンバ男と呼んでください。必ず。 逃さず。
マリンバに興味が沸いたら上の記事をどうぞ。
おおぞらをとぶ マンドリンver
マリンバです。…ではなく、マンドリンです。
こちらもまあまあマイナーな楽器ですね。ただ、マンドリン合奏というのは何故だか意外とYoutubeで見かけるので、マリンバよりは有名なんじゃないでしょうか? というか、マリンバがマンドリンとよく間違えられる時点でそうでしょう。
出だしは一瞬フルートかと思うような音色の幅を持っています。吟遊詩人が集まって合奏したような、不思議な盛り上がりがあります。ちょっと民族的な響きです。
おおぞらをとぶ チェロ四重奏ver
マイナーな楽器が二つ続いたので、ここらで有名楽器に登場してもらいます。チェロ四重奏です。
まあ、バイオリンとかトランペットに比べれば大分マイナーにはなっちゃうんでしょうけど、『耳をすませば』で出てくるし有名と言っていいでしょう。
テンポ早めで流れるように進行していく感じがちょっとオシャレ気味です。オーケストラのように大胆にわかりやすく盛り上がらないからこそ滲み出る渋さが良いですね。チェロは低音なので、低音ボイスのような渋さがあるのです。
おおぞらをとぶ ジャズアレンジver
今度は楽器がどうこうというよりは、曲調自体を変えるタイプのアレンジです。というわけで、おおぞらをとぶのジャズアレンジです。
ジャズ系の人はプライド高めな人が多いのか、結構「こんなんジャズじゃねえ」という厳しい意見も出るものですが、ゆったりと聴くには素直に面白いと思います。
ジャズは素直にやらないものなので、おおぞらをとぶの「素朴で美しく力強いメロディー」を、敢えて癖のある捻ねたアレンジで演奏するのはギャップがあって楽しめます。この曲の良さの根源ってどこにあるんだろう? とかいう視点で聴くと、こういう大胆な解釈のアレンジは面白いです。
おおぞらをとぶ オカリナアレンジver
次はオカリナです。オカリナとシンセサイザーですかね。
シンセの宇宙的な音色とオカリナの純粋で透明感のある音色がよく合っています。この雄大なメロディーはアレンジによっては宇宙的にもなるんですね。名曲は幅が広いです。潜在的な引き出しがパンパンに詰まってます。
癒されたい方にはこれがイチオシのアレンジです。
おおぞらをとぶ オリジナルピアノ編曲ver
忘れてはいけません。アレンジで一番多いのはピアノ編曲バージョンです。
ちなみに、公式に楽譜発売されているものとは違います。オリジナルの編曲で、よりダイナミックかつロマンチックなアレンジが成されていて、若干ショパン的な風味を感じます。抜粋版になっていて、全編は聴けないのが残念。
おおぞらをとぶ 歌ってみたver
最後は”歌”です。歌ってみたというと、ハイボイスで何かアイドル風アレンジだったりするのかな、となんとなく思って聞いてみたら、かなりクラシックな歌ってみたでした笑。
オペラとかミュージカルのような雰囲気です。イタリア語の古い歌詩とのことです。この記事のどこかでも「歌うようなメロディーだ」とか、歌みたいな要素があるというようなことを言いましたが、まさに歌にしてみても違和感が全くありません。
途中、なぜか雑踏のせわしない都会が映るのが謎ですが、忘れてはいけないものを忘れた現代人への訴えなのかも知れません。非常に良い歌でした。
おおぞらをとぶ 本家オーケストラver
おおぞらをとぶ
カテゴリ: サウンドトラック
最後の最後。視聴なので一部だけですが、本家ドラクエ、すぎやまこういちによるオーケストラアレンジ版のおおぞらをとぶです。
これには野暮なコメントは無用でしょう。アレンジを色々聴いた後にもう一度これを聴くと二度楽しめます。むしろ、二度どころではないです。延々とループさせたいくらいです。
まとめ
ここまでただひたすらに「おおぞらをとぶ」という曲のアレンジをまとめてきました。そしてそれらすべてを何回も聴いた私。この曲のよさを解明できたかと思いきや、より一層この曲の懐の深さ・広さを知るばかりでありました。
クラシックや長く歌われるJ-POPもですが、名曲は色んなアレンジ・編曲・カバーがされても、色んな良さが出てくるんですよね。特にこの「おおぞらをとぶ」はファミコン版ではたった”2音”しか同時に鳴らしていないというのがまた凄い。
とりあえず派手に金管楽器と打楽器鳴らして低音ドゥンドゥン言わせとけ、という最近の潮流への問題提起にも感じてしまうようなシンプルな強い音楽です。別にそんなのはないと思いますが。
すぎやまこういちに強い影響を受けながらも色々と作曲してきた私も、いつかこのようなシンプルで深く、広く、美しい曲を作りたいものだと改めて思いました。
もしそんな私の曲が気になった方は楽曲公開ページから是非どうぞ。
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