汁物【難易度★★】
火を通して、具材の柔らかさを見て、全体の味を調えます。
汁の味を良くするだけではダメ、汁の中の具材を旨くするだけでもダメ。具材を含めた汁全体の味の調和を見る、そして混ぜるだけでなく汁の中で熱を加えつつ調理するのだから奥が深いわけです。
ミネストローネ
大根と油揚げの味噌汁
わかめと玉ねぎの味噌汁
コーンスープ
コンソメスープ
大根の葉、ほうれん草、チンゲン菜の卵スープ
全くどれもこれも汁物が奥が深いですよ。
汁と具材の調和。一杯にかける思いは長年ラーメンを研究してきただけに、大変さが分かります。どれもこれもただ作るだけならできますが、本当に美味しい汁物を作るとなると本当に難しいものです。
鍋【難易度★★】
単純に用意する材料が増えます。
鉄板を熱くして火を通すという作業はなくなりますが、常に鍋全体の味を気にしなくてはいけませんし、途中で味を変えるという気遣いも頭の片隅に置いておかなければなりません。
といっても、自由気ままに食べて気が向いたら他の味にできるという、これこそが鍋の楽しみでもあります。
水炊きから始めて、鶏肉などでダシをとり、途中にキムチをぶちこんでキムチ鍋にしたり、ポーションや固形の味付けの元を入れて味を変えていくのも手です。
ちなみに、ここ最近の私の記録などで言えば、
水炊き
キムチ鍋
塩ちゃんこ鍋
などなどです。
まずは全体的に見た野菜や肉、魚の分量なども分かりません。
本当に初心者の方であれば、まず鍋の元を買うといいでしょう。
スーパーに行き、鍋の元を手にとります。裏を見れば、用意するべき材料が書いてありますので、その通りにカゴに肉や野菜を入れて集めていくだけです。
切り方も含めて、作る順序など掲載されていると思いますので、あくまでそれに従って、作り続けるだけで大丈夫です。
おすすめジャンルで最初にご紹介した炒めと同じですね。
慣れてくれば、ポーションを買い、水炊きをするといいでしょう。
海鮮の鍋セットなどを買って、ポン酢などで食べるのもいいでしょう。
最後には、うどんやラーメンを入れたり、翌日に白米を入れたりするのもありでしょう。
ただし、序盤に入れると鍋の領域を独占され、他の具材を食べにくくなるので、入れるタイミングには注意が必要です。
漬物【難易度★★】
火を通さない方法がまたしても出現したので、めんどくさいところ。
だって、甘みが出るなどの味の変化が起こることなく食材で勝負しなければならないのだから、難しいわけです。
大根のみ浅漬け
大根と大根の葉の浅漬け
ぬか漬けなど、そんな難しい高等テクニックに挑戦することもできずに、まずは浅漬けの元を使って、マニュアル通りにやってみるのみ。
大根、白菜、きゅうり、ニンジン
この辺の野菜を全体が浸るくらいに、浅漬けの元につけておけばできるようです。
実際にやってみたら、30分程度でしっかりと昆布だしの味がついていたので、満足です。しかし、固かったので、もう少しつけておいたら味が濃くなる始末。うーん、塩梅が難しい。そして、
案外、傷みが早いので、早く食べる様に。
かけ(あんかけ)【難易度★★★】
これがまた、ジャンル分けしにくいものではありますが、個別の調理法を抜かし、最終的な調理ではどれとも違う気がしたので、同列でわけてみました。
こちらは基本的に、野菜なり肉なりを焼くなり茹でるなりして片栗粉なり薄力粉なりを混ぜて、丹精込めてあんを作り、それをかけるというものです。最もポピュラーなところでいえば、かた焼きそばなどが該当するでしょうかね。
ブロッコリーのひき肉あんかけ
私はこんなものを作ってみました。まあ、結果的に言えば、
軽く失敗しています。
ブロッコリーが固かったのです。そして、
見た目が汚らしい。
これだけあえて載せないのも、卑怯な気がしたので、掲載しました。料理人は見た目が良いものを作るのも大事なので、なんとなく汚らしい見た目のこちらを作ってしまったのは失敗です。写真が小さいのも、見た目があまり良くないからです。
やはり難しいですよ。
だって、上にかけるものと下にあるものが全く別の工程で作られ、最終段階において初めて融合し、味を調えなくてはならないのですから。想像するだけで出会った時のマッチングを作り上げられるのは、本当の料理人のはずです。
私もいずれそうなりたい。
これなんかは良いでしょう。
オムライス
ケチャップのライスに、ほんわりとのっかった玉子。こういうやつですよ、美味しいのは。
チキン南蛮
うひひ。油を多めに焼いて、こういう手の込んだタルタルソース。
これは単純な焼きではありません。それぞれに作り上げて、かけて美味しさを作り上げたものなのです。
つけ(田楽などタレ付け)【難易度★★★】
かけと同じで、難しいんですよ。
これもまあ、別々の工程で作られたものが食べられる最終段階で組み合わさるのだから、不安なものです。
ふろふき大根とこんにゃく
これに関しては、食膳に並ぶまでも別々に存在し、いざ食べられる間際に味ができあがるのだから、本当に計算的に味の調和が作られていなければ成功しないわけです。その点で料理初心者には難しいもの。
下の麺類よりも難しいところもあるとは思いますが、つけるものを用意する調理自体はそれほどでもないので、この順位。
麺類【難易度★★★】
これがまたピンからキリであって、どこにも分類しにくいものです。
うどんをただ茹でて食べてもそれはそれで美味しいわけですし、このように、
シーフードとチンゲン菜焼きそば
といった具材を準備して、炒め物のように調理して軽く蒸すようなものならば、ちょっと手間はかかれど、それほど難しくなくできるものです。
また、
ミートソーススパゲティ
ミートソースともなれば、ミートソースを作ること自体が非常に難しくなるのです。
具材を刻み、色んなソースで絡めるということがやはり手間がかかり、やること自体が難しくなるというのがあるのですかな。
鶏肉とほうれん草のクリームスパゲティ
案外こちらの方が簡単。鶏肉とほうれん草から調理を始め、牛乳や小麦を加えていけば案外いけるもの。
クリーム味っていうのは、初心者にとってはハードル高そうなものではありますが、意外とやってみればいけるものです。
煮物【難易度★★★★】
これがまた台所につきっきりとなって、時間も労力も使うものですな。
よく「おふくろの味」なんぞ言って、肉じゃがやブリ大根など煮物というジャンルそのものが好まれるものですが、それはなにより手間暇をかけないと作れない料理であって、一人暮らしではなかなかできずに、昔を懐かしむものだからでしょう。
ひき肉入りジャガイモの煮っころがし
調理方法通りにやれば、できなくはありません。
しかしまあ、最初のハードル通り、きっかりと決まったことをこなさず大変だなというイメージですわな。
豚バラ大根 すき焼き煮
肉みそ大根 3種のブレンド味噌
豚コマと大根の煮物
右下の大根が軽く白いのがお分かりになるでしょうか。これは煮込みが足りないからこそなる状態です。
もうこれ以上煮込めば、肉の脂が全て抜け落ち、単なる固い筋の塊になってしまいそうになり、煮込むのを辞めた結果です。
失敗なわけです。
対処法としては、大根をかつら剥きにする際に、もっと厚く皮をむけばよかった。あるいは、肉でダシをとったのちに、肉をいったん出しておけばよかった。あるいは、大根を電子レンジなどで事前に柔らかくしておけばよかった。ということなどの原因が挙げられます。
しかし、こうした失敗と対処法を考えられるのだから、早いうちに煮物に挑戦して失敗を重ねるのもいいことだと思います。
失敗を重ねた結果、こうした
ブリ大根
を作れるようにもなれました。
いわゆる「おふくろの味」の代表格であって、作り出す挑戦にも勇気がいりましたよ。しかし、これまた便利で「ぶり大根の元」が売っているわけですな。
こちらを手に取り、必要な具材を買ってみます。料理初心者がいきなり加熱調理用のブリを手にするのは勇気がいるかもしれません。しかし、意外と簡単にできることを信じてみるのです。
最初から大根を分厚くするのは、気がひけます。だから、まずは、いちょう切り程度。慣れたら、半月切り、輪切りとコマを進めていけばいいだけの話です。
そして、あとはブリ大根の元に同梱されているであろう、ブリに振りかける粉と一緒に鍋に入れて、たれ的なものを入れてグツグツ煮るだけなのです。もう30分くらい経って様子見して、加熱の具合を調整するだけ。…こうしてみると、麺類の柔らかさを気にするよりもずっと楽かもしれません。柔らかくなりすぎることはブリ大根はあまりないので、柔らかくなったかを確認するくらいでいいのです。
煮物、難しくない!
揚げ物【難易度★★★★】
きました、花形!
すみません、たぶん料理的に言えば花形でもないし、これより難易度の高い調理方法はたくさんあるはずですが、何を隠そう
三文享楽の大好き料理ジャンルの到来というわけです。
そう、多くの自宅で料理する方にとって、なんとなくハードルの高いものだとは思います。
油がはねるといった危険なイメージがあり、炒め物と違って火の通り具合が分かりにくくできているか不安だと思います。
ただ、やってみて実感するのは、調理自体はそこまで難しくないはずです。
かき揚げなどをいきなりするのは、やはり難易度は高いですが、ソーセージやピーマンを揚げるのはなんら難しいことはありません。
天ぷら
この時は、ハムは油を吸い過ぎて失敗。
ソーセージ、じゃがいも、ピーマンは成功。
ニンジンはくっつけることができずに、拍子切りを揚げるに留まり、若干固かったため失敗。
かき揚げは最後の一つだけ丹精込めて揚げたもの以外分離してしまい失敗。
結果的に、失敗は多かったのですが、そこまで難しくないことが分かりました。経験を積めばもっと上手くいくはず!
唐揚げだって、やはりスーパーに行って、まず唐揚げの元をとり、その裏面に記載されている用意するべき材料を買い集めて手順通りにすすめれば、そこまで難しくありません。
唐揚げ
やってみて、我ながら思いました。
これは旨い!思ったよりも、上手くできるもの。
白身魚フライ
これくらいでできるのならば、毎日でも唐揚げパーティーをしたいくらいです。
ひき肉とシソ揚げ
レンコンのはさみ揚げ
このように目的の揚げ物があるのに、その工程で発生した食材を単発で揚げちゃえるのも揚げ物のいいところ。
だって、食材それぞれに味があって、揚げるという調理方法でどれも味がつくのだから、サイコーです。
アジフライ
エビフライ
もちろん、つなぎを作って、パン粉をまぶして、完全に最初の食材下処理から作っていくのが王道。この一連の揚げ物調理を全てこなしてこそ、揚げ物を作ったと言える。しかし、このように、
スーパーなどで売られている、パン粉までつけられた状態で冷凍保存されているものを揚げているのでも、十分に揚げ物という調理方法であり、既製品よりも安く、健康的に食べられるはずなのです。だって、
食材からパン粉つけるまでいくのは、時間も労力もかかりますよ。
パン粉がつけられた状態からの調理でも、まずは一人暮らしの料理初心者が揚げ物というハードルを下げるためにはもってこいです。揚げるという調理方法自体はそこまで難しくないのです。
調理自体はそこまで難しくないと書きました。そう、やっかいなのは、
油の管理なのです。
揚げ物をした後に残る油をどのように管理していくのかが、厄介なわけです。
- 最初に使ってから一カ月が経ったから油を捨てる。
- 4回くらい使ったから油を捨てる。
- イカや春菊など油が汚れる系の揚げ物を仕方ら捨てる。
目安がそれぞれあると思いますが、いずれいしろ凝固剤を入れるなり、吸収させるものを入れるなりして捨てるわけです。実際に使う時は、熱してから揚げたいものを入れるだけ、ああ簡単。
グラタン皿調理【難易度★★★★★】
ええ、ハードルが大分上がりますが、こちらです。
難しそうという感覚は更に上がりますが、実際のところできなくはありません。
ポテトグラタン
私は料理を始めて、3回目の料理でこれを作ってみました。
いえいえ、なにも早い段階から挑戦しようと決めていたからとかではありません。
フライパン、鍋と初期の調理器具を買い集める段階で、
私はとりあえずグラタン皿を買ってみたのです。
もちろん、その時はすぐにやろうという気など毛頭ありませんでした。
買っておけばいつかやるだろう、いつかやるかもしれないから買っておこう、それくらいの簡単な気持ちで買ったものでした。
ミートソースのドリア
ブロッコリーと鶏肉のグラタン
ただいつかやろうと思って買っただけでも、そこにあれば調理したくなるのが料理の楽しみを覚えだした駆け出しの宿命。
グラタンやドリアといったグラタン皿で料理するものをやりたくなって衝動が止まらなくなるわけですな。
ランキングを経て
いやはや、こうしてみると、料理って調理方法だけでもたくさんあるものですね。
よく「料理はするけど、揚げ物や煮物はできないなあ」なんていうことを聞きます。そういうのを聞けば、「そうは言うけど、揚げ物や煮物が難しくて何なら簡単なの? というより、他にどんな料理方法があるの?」と気になってしまいます。
今回こうした疑問を私なりに料理して、解明できた気がします。
しかし、これはもちろんあくまでも料理初心者の私が感じたままにまとめたものです。
本当に料理初心者の方ならば、まずは色々と挑戦してみて難しさを肌で実感しないとですよね。その際におおまかでも、料理ジャンルの難易度順としてこの記事を参考にしていただければ幸いです。
↓記事を書いといてなんですが、料理をしっかり学ぶならなんだかんだ本を片手に…が便利ですわな。初心者向けの本はこの辺り。
↓会席料理の謎がここに明かされる!
↓日本人としておせちについては知っておいた方が…。