「君はこの世に不必要な人間なんだ」
どんな勝負事にも共通するかもしれませんが、戦って負けると世界中が敵に回り、こう言い渡されているような気分になるときありますよね。
「君は弱いんだ。敗北を認めるんだ。カモとしておとなしく代償を払いなさい」
自分が今までに出合ってきたありとあらゆるネガティブな言葉が頭の中を巡ります。
そして、「勝てば官軍負ければ賊軍」という言葉があるように勝たなければ世の中には認められないわけです。
どうも、小説公募50敗、負け続けてきた人生を持つ男、三文享楽です。
こういう言い方すると、客観的に見て世の中でもっと負けている方に失礼なわけですが、私は私なりに負け続けている人生を送っているわけです。
目下、私が勝負し一喜一憂している世界は、そう将棋。
将棋ウォーズなのです。
将棋初段をとりたい方へ
ということで、今回は将棋の道についての記事です。
現在、私は将棋ウォーズというアプリにおいて、1級で、50~80%の達成率をうようよしています。
将棋ウォーズでは、達成率が100%にいけば、昇級あるいは昇段していくシステムです。達成率を上げるには、実戦で勝たなければならず、強い相手に勝てば達成率は大きく上がりますし、弱い相手に勝てば達成率は少し上がります。逆もまたしかりで、強い相手に負けてもそこまでは達成率は下がりませんが、弱い相手に負ければ割と下がります。あと、負け続けてもどんどん下がっていきます。
結果的に昇級・昇段するには、実戦で勝って強さを証明するしかないわけです。
さて。
私は昨年の冬に1級に昇進しました。
それから1年経った今でも、1級にいます。
それはどういうことでしょうか。
私は実力が上がるでもなく、実戦を重ねてもずーっと1級にふさわしい実力しかないということなのです。
「よく実戦がなければ強くはならない」と言いますが、実戦だけでは強くはならないというのも驚くほど実感することがあります。
将棋ウォーズでは対戦相手の対戦成績を見ることもできるのですが、1級の方で、2600勝2400敗みたいな5000局近くも将棋を指している方もいます。
これは単純に「すげえ、こんなに将棋やっているから強いんだな、俺も頑張らないと!」ではなく、「これほど将棋を続けても強くならなければ、1級のままなのだと実感し、絶望したことなのです。
ちなみに「驚くほど将棋が上達しない人たち」みたいな棋士団というのもいくつかあり、これがリアルな現場なのだなと思いました。
過去に「別に将勉強をしてまで強くならなくていい。実戦が好きだから、実戦で戦法を覚えていき、将棋を楽しめればいいや」と言っている自分の発言を思い出しました。
「小説論なんて知らなくてもいい、自分の書きたい小説が書ければいい。小説を読み漁って、好きな小説を何度も読みこんで、自然に書きたいこと書けるのが俺の小説なんだ」と言っている自分の発言や「大学受験の勝ち方なんて知らなくてもいい、自分の好奇心を満たし自分の頭が良くなるための勉強なんだ」と言っている自分の発言も思い出しました。
俺って、ずーっとこういう人生なんだな
と思いました。
身にならない自己流、これは我慢できない単なるお遊びです。
すみません、話がそれたので、将棋に戻しますが、
私は、2級から1級に上がる時に若干てこずりました。
また、1級に上がっても一時、低い達成率ですさんでいた時期もあります。
そして、ある時に将棋に対する接し方を変えて、達成率が上がり始めました。
こんな書き方をすると、詐欺っぽい持論が展開される雰囲気がありますが、私にはそれほどの知力も度胸もないので、ご安心を。
いつまでも、たいして将棋が強くもないアマチュアが将棋論を語っていても面白くないので、将棋に全力をそそぐでもないが将棋が強くなりたいと思っている方が昇級や昇段するにはどれほどのことをしないといけないか実感したことを記事にしてまいります。
本当に将棋が強くなりアマチュアの5段や6段いきたければ、プロの本を読むのがいいと思いますが、とっつきにくい、あまりに専門的すぎてモチベーションが続かない、そこまで強くならなくてもいいがまずは初段が欲しい、程度の方は同じくらいで将棋を指しているこの記事がリアルなものに思えると思います。
↓そもそもの将棋初段のとりかたとは?(実力というよりシステム)
詰将棋や手筋を知らなければ勝てない
これは改めて実感していることです。
藤井五段(2018年2月9日現在)をはじめ、強い棋士の誰もが詰将棋を得意とします。
詰将棋だけ上手くて実戦の将棋は強くない方はいますが、実戦の将棋が強くて詰将棋ができない方はいないです。いるのかもしれませんが、私はこう実感しています。
結局、将棋は勝たなければ負けます。
将棋で勝つというのは相手の王様を詰ますことです。
王様より飛車が大事なんていう皮肉な言葉もありますが、どんな駒を捨ててでも、どんなに自分の王様がピンチでも、最終的に相手の王様を先に詰ませれば将棋は勝ちです。
つまり序盤や中盤がひどくても、詰ませれば勝ちなのです。
これは映画や文学なんかとは違います。
作品では全てが良くなければなりません。
後半が非常に良くても、前半に素人っぽさがあるとダメです。
↓後半が素晴らしいが、前半が惜しい映画。
ゴルフとも似ているでしょうか。
前半いくらひでえ打ち方をしていても、数少なくホールにしっかり入れれば勝ちなわけです。パターが上手ければスコアはのびるわけです。
バターが旨ければ、パンも旨くなるという言葉もあります。
そう、将棋は詰まさなければ勝てません。
勝てなければ、負けます。
相手の反則や入玉で勝つこともありますが、そんなこと毎回起きるものでもありません。
ということで、難しい詰将棋をやるならば、まず寄せ方、手筋本を読むのが良いかと思います。
こんなアプリもあって、おすすめです。
↓私も利用しています。
グーグルプレイのアプリ【将棋の手筋】
3手先ではなく、5手か7手先を読めなければ、おそらく初段への道はないでしょう。
↓居飛車党の戦法ならばここから。
戦法一つのみでは生き残れない
これは万事に共通するかもしれませんが、世の中を渡り歩いていくうえで、絶対なんていうことはないわけです。
つまりは、絶対的な戦法なんてないわけで、強い戦法があれば必ずと言っていいほど、対処法が生まれます。私が偉そうにいうことではありませんが、これが人類の進化なわけです。
あの羽生さんだって、得意戦法を持ちつつも、最新の流行戦法を取り入れ、いつだってどんな相手にも戦えるように鍛え続けているわけです。
居飛車党、振り飛車党などという言葉もあり、特化していても勝ち進められるのではないかと思ってしまうかもしれませんが、党というだけであって、ここにはあらゆる戦法があるわけです。
ええ、たとえば、棒銀の急戦だけの戦法ではいつか勝てなくなる時が来ます。
実際に将棋ウォーズをやっていて、2級や3級の方で、棒銀の急戦だけで勝ち進んできたような方と何人もお相手させてもらいました。
戦法一つのみで勝ち荒しているだけあって、ぬかりない猛攻を見せるわけですが、いつか途切れてしまう時があります。それが対処法を知っている相手への弱い部分です。
得意戦法が3つくらいあったうえで、常に変わった手筋は覚えていかなければ強くならないと思います。
いつも同じ戦法をやって、勝ったり負けたり。手筋や寄せ、詰まし方を鍛えなければ、ずっと勝率5割がずーっと続いて、昇段なんてできないでしょう。
まずは将棋ウォーズで囲いや戦法のコレクションを増やすことを目的にするのもいいと思います。
この時は、コンピューターと対戦が多めになるように選んだり、弱い相手と戦うように選んだりするのもいいかと思います。
明らかに弱い相手に負けると落ち込むというのもあるかもしれませんが、形を最低限おさえておくのはこれから戦っていく中で重要なことだと思います。
見落としのような凡ミスは許されない
5手先が読めなかったというような先の話はないです。飛車が利いているところにタダで駒を打ってしまったような凡ミスは一切なくさなければなりません。
こうしたことをしているようでは、2級どまりです。
少なくとも3手先の凡ミスがなくならない限り、1級地獄からは抜け出せないと思います、
「思わずとってしまったが、これは両取りだった」というのではダメです。「これをとると両取りだが、そのうえでどう反撃するかを考えよう」でなければムリです。
早指しをしているだけでは強くならないと思います。あれは、戦法を多く知っているバックグラウンド的な土台があってこそ指せるもので、あくまで長時間の持ち時間がある将棋での終盤の練習に過ぎません。
実感しているのは7手先まで読んでいなければ、初段にはすすめないと思います。3手・5手は当たり前。こうなるとどうなる、という確率をつぶしていき、7手先を読んだうえで、将棋がさせるようになれば初段には近づくと思います。
↓居飛車穴熊の天敵対策にはこれだ。
大まかにも趨勢を見極められる
「ああ、こっちが優勢だな」
明らかに勝敗が決していなければ、私はこれすら分かりませんでした。
全体の駒数を把握して、どちらが何枚駒を多く持っているか。また、盤の良い位置に並べられているか、手持ちにしているか。離れ駒は役立っているのか。
駒得、駒損を理解し、どちらが優勢なのか見極められる力がついていないと勝てないでしょう。
それができなければ自分の勝負すら分析できないと思います。
試験などでも同じです。全体の問題量を見渡して、難しい問題を後回しにしてどれほどの時間を割けるか。これは把握しなければある程度のレ
ベルをもった試験をパスすることはできません。
王様の近くから離れた戦場でどれほどの犠牲を出して、相手を詰ましにかかるか。今、自分は勝負に出て良い時なのか、これが分からなければ次の段階には進めないでしょう。
私は「自分が初段にいけないのはこの力がないからだ」と思っています。
全体のバランスを考えて、「この戦況ならば、別の個所で開戦して平気だ」というのを見極めたいものです。
一生のうちで将棋にどっぷり漬かっていた時期がある
他のことをやっていても将棋のことを考えてしまうような一頃が必ずやある人たちだと思います。
本当に将棋だけをやり続ければ、我々は1級程度まですぐにいけると思います。
しかし、いけないのは我々は将棋だけをして生きていくことができないからです。
プロになっていない我々は、他のことをせねばならず、ずっと将棋を指しているわけにはいきません。
それでも私の周りで将棋の強い方々は必ず将棋のことしか考えていない一頃があります。
そして、「負け続けても辞めない」ことです。
これは本当にその通りで、私は「もう二度と将棋なんてやらない」と思ったことが少なくとも10回はあります。しばらくして結局やるから今があるわけですが、確実に再開したときには腕が落ちています。
そんな時に、あの悔しさをバネにもう少しやり続けていればよかったなんて思います。
小説しかり、ヒップホップしかり、「辞めなければ負けない」というのがありますが、本当にその通りだと思います。そして、向き合わなければ勝てないと思います。もちろん、全く違う作戦で根本を覆せばいいわけですが、少なくとも研究され尽くされた将棋界で升田幸三賞をもらえるような新たな戦法を
我々素人が見つけ出せるわけもありません。
ということで、敗因を見つけ出して、そこの研究、またそれ以前の研究を含めてやらなければ次の段階には進めないと思います。
「全力でやったけれど負けてしまった。でも楽しかった」
少なくとも将棋でこれでは絶対に勝てないでしょう。
勝負の世界において、「でも楽しかった」で勝ち上がれることなんて少数の珍しい世界だと思います。
センター試験の国語で正解の選択肢を納得するまで読み込んでも次に生かせない可能性はありますが、確率の問題である将棋ならば必ずや答えまでたどり着いとかないといけないでしょう。
絶対ではないが将棋界への造詣があり知識がある
これは絶対ではないと思います。
戦法を頭に叩き込んだコンピューター将棋的な方ならば、他のプロの名前なんて知らなくても初段まで簡単にいけると思います。
しかし、四間飛車の誕生と居飛車穴熊、それに対抗する藤井システムなど。
戦法を覚えるためにもある程度知らなければならない将棋の歴史というものは存在します。対抗する方法が進化して現在の将棋界があるわけです。
プロ棋士の名前をほとんど知らなくても将棋が強くなれますが、決して無駄な知識にはならないと思います。
棋士の趣味や顔なんかは覚えなくてもいいと思いますが、将棋好きの方と話すうえで知識がなさすぎて恥ずかしいというのはあると思います。
↓ということで絶対記憶必須な棋士はこちらから。
三文ぼやき
これだけ書いたって、将棋が上手くならないのは残念なものです。
これだけ書くほど将棋に思いがあるというよりかは、これは昔に少なからず文学に造詣があり小説を書きまくってたから文章に対するアレルギーがなく昔目指していた文学も役に立たなかったわけではなかったのだ、なんていう次の段階に進めないポジティブ思想は辞めることにします。
かといって、自分はもうダメなんだ、将棋なんて向いてないというネガティブ思想もしないことにします。
なんでもいいけど、自分には将棋しか居場所がないというのをぼんやりと思いながら、単純に「負けたから悔しい」という思いで、勝てる方法を研究することにします。
↓かつてはダイヤモンドゲームにも力を入れていました。
↓将棋の強い方で、私のような大食いはあまり知り合いにいないのですが、とんかつを。
↓どちらかというと、肉より魚を好む方が私の周りの棋士には多いです。