ミレニアム囲いがあれを倒す!?藤井システムへの対抗【三文】 - フリーBGM&自主映画ブログ|"もみじば"のMOMIZizm

ボード・カードゲーム 三文 享楽

ミレニアム囲いがあれを倒す!?藤井システムへの対抗【三文】

2017年6月15日

藤井聡太四段の連勝記録に将棋熱が高まり、

調子にのって将棋をやっては負けて、

結局俺はこんなものか

と落胆し続ける、ヘボ棋士の三文享楽です。

 

よくありますよね。

スポーツ観戦して、好プレーに感動して、自分でもできるんじゃないかと意気揚々とやってみたら全く思うようにいかず心が折れて諦めるみたいなこと。

這いずり回って辿り着いた他人の努力の結果だけを見て、勝手に自身への根拠ない自信をもって自滅。ああ、凡人ならではの「継続した努力」のできない精神。

でもヘボにはヘボなりの戦い方があるもんです。

さて、小市民であることを自覚しつつ、今更ではありますが、勝機への鍵となる”ミレニアム囲い”について紹介しましょう。

 


ミレニアム囲いの誕生

ミレニアム囲いについては、どうしても囲いの変遷についてから覚えなければなりません。

このブログでも度々触れていますが、将棋には大きく分けて居飛車と振り飛車があります。

 

三文享楽は居飛車党です。

と、大文字で表したところで、誰も興味が分かってはいますが、一応。

 

大まかに言うと、振り飛車は、

・相手の飛車の前に飛車を移動させる向かい飛車

・自分の角の隣にもってくる三間飛車

・自分の角の隣の隣にもってくる四間飛車

・ど真ん中にもってくる中飛車

に分かれます。

 

そして、こうした振り飛車対策として、1970~80年くらいから指されだしたのが、居飛車穴熊という囲いです。

こうした左奥に王様を避難させ、ガチガチに固めたのが穴熊です。守りができれば、あとは飛車を自由に移動させて、勝負するだけです。

 

棋士の田中虎彦氏がこの戦法を確立して以来、多くの振り飛車党の棋士たちが涙を飲むことになりました。

 

↓居飛車はつらいよ。これで対策しましょうか。

 

藤井システムの誕生

こうした振り飛車党が涙を飲んでいる現状を経て、

1990年代の後半に藤井猛(現・九段)が開発したのが、藤井システムです。

藤井システム…今でこそ、藤井姓の話題の人が出てきましたが、このシステムを確立したのは大御所藤井猛九段なのです。

 

なんと居玉のまま振り飛車の駒組を続け、相手がおかまいなしに穴熊に組もうものなら、速攻で潰すというものです。

そんな大惨事、こんな感じです。

もうここまで来たら最悪です。どうあがいても居飛車側の負け将棋です。

 

相手の角の睨みはしっかりと効き、その延長線上には王様がいる。

そしてそれを防ごうとしている味方の銀や角には、相手の歩や桂馬が迫って来る。

本来、穴熊の要となるべき位置にくるはずの銀左や左右の金たちはなすすべもなく、ただ遠方から見守っている

みっともない負け方です。

 

相手の出方によって独特の駒組を行い、居飛車側が穴熊にならないならならないで着々と駒組を行い有利にもっていき、これにより振り飛車党が息を吹き返したのです。

実際に、私も居飛車穴熊を覚えて将棋ウォーズをやりまくっていたころに、この戦法をやられてよく苦戦していたことを思い出し…すみません、苦戦どころか圧倒的に敗北していました。

 

↓将棋界で強い人が役員に。

 

ミレニアム囲いの誕生

こうした振り飛車対策の居飛車穴熊、居飛車穴熊対策の藤井システムがでてきて、居飛車側で考案された囲いの一つに、

ミレニアム囲いがあるのです。

 

2000年頃からこの戦法が使われ始めたために、ミレニアム囲いという名がつきました。

ちなみにこの囲いをプロ間で使われるように確立したのは、あらぬ疑惑で少し前に話題になってしまいました三浦弘行(現・九段)と言われています。

しかし、組むのに手数がかかるというのと、その間に振り飛車側に穴熊に組まれてしまいいざ戦いとなった時に囲いの固さで負けているということもあり、プロ間ではあまり指されなくなりました。

 

ミレニアム囲いって実際にどう?

しかし、指されなくなったのはプロ間の話で、アマチュアの将棋で効果的にゲームを進められるというのであれば指すのが良いでしょう。

 

実際に私が将棋ウォーズをやっていて、四間飛車戦法をとられ、居飛車穴熊に組んでいる時に、藤井システムで牽制してきたとすれば、ミレニアム囲いへと移行し、それで勝率は上がっているわけです。

 

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ミレニアム囲いの組み方

さて、ミレニアム囲いが分かったところで、組み方が分からねばどうにもなりません。

 

自分は居飛車、そして相手は飛車を振ってきました。

相手が飛車を四間飛車に振ってきたら、まずはこのような舟囲いに組んでいくでしょう。

 

そう、そして、相手が居玉であることに気づくのです。

角道を開けたまま、桂馬も迫ってきている。

これは藤井システムを起動しているのか?

 

そこで、こちらは角と桂馬をあげます。

相手の角の睨みから一段落ちた空間に王様がいけるように、桂馬をどかすのです。

いいですねえ。王様が隠れるべき空間がしっかりとあるではありませんか。

 

そうして、相手がソッコーで攻めてこないことを確認しつつ、こちらはミレニアム囲いに組んでいくのです。

こんな感じや

こんな感じに組めれば、もうミレニアム囲いの完成です。穴熊ほど奥地にいないとはいえ、相手の角の睨みを外して、銀や桂馬でガッチリと上部からの攻めに備えているので、安心なわけです。

 

ここまでするうちに、相手は藤井システムを変化させ、銀冠などに組み替えてきている可能性は十分にあります。藤井システムは囲いではなくあくまでシステムであり、こちらの出方次第ではすぐに様子を変えてきます。

 

しかし、

ここまで組めれば互角ですよね。

さっきみたくせっせと穴熊に組んでいき、隙をつかれて一瞬のうちに潰されるよりはずっといいはずです。

 

ううん、これで安心。

穴熊を組む上での急所となる角の睨みを外すことで、安心して我々は戦に挑めるわけです。

 

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三文ぼやき

実際にミレニアム囲いの勝率はどう?

私が使ってみた感触として、居飛車穴熊対策には藤井システムと判断し、こちらが穴熊風に組み出した瞬間にソッコーで攻めだすタイプの相手には勝率が上がります。

しかしながら、上からの攻めや角道からの攻撃ではなく、横から冷静に攻めてくる相手にはやはり苦戦いたします。

飛車が自陣になりこまれて、横から銀やら金やらで攻められると上層の金駒むなしく潰れます。

 

まあ、デメリットのない駒組はありません。

藤井システムで居飛車穴熊を牽制してくる相手には、序盤の駒組選択として十分に有効な手であるわけです。

 

単なる感想

どんな戦法でもそうですが、覚えたての戦法を使いだすのは楽しいです。

 

定石は確立されているのかもしれませんが、組みなれない体制からまだ見たこともない展開に進んでいき、81マスに無限に広がる小宇宙を再認識させられます。

 

 

同じ棋譜など存在しないとまで言われるくらいに無数に広がる組み合わせが将棋の世界です。

そこに広がる組み合わせの闇に踏み込めなくなった時、将棋が強くなる道は絶たれる

改めて実感しました。

 


 

↓四間でなく、右四間で来られたなら、こちら。

↓四間飛車と居飛車穴熊の全面戦争。再度勃発!

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