みなさん、きゅうりにつけるのは塩ですか?それとも味噌ですか?
どうも、きゅうりは醤油をぶっかけて食う三文享楽です。
いやあ、最近は、フレンチドレッシングかけたり、しそドレッシングかけたりもしてますな。
あと、梅干しの果肉を混ぜたり、昆布茶を混ぜたりもいいですよね。
あとあと、ゴーヤチャンプルーのゴーヤの代わりにきゅうりを混ぜるとかもありですよ。両方とも瓜だから以外にいけるものですよ。
私は一時きゅうりの食べ過ぎできゅうりが嫌いになっていましたが、最近、色んな調理法のきゅうりを食べていたらまたきゅうりが好きになってきましたよ。えへ。
『カッパの川流れ』
ハイキング最中のタカが見たのは、上流から流れてくるカッパであった。
泳ぐことのできないタカにとって最善の策は、携帯電話で救助を求めることであったはずである。しかし、突如起きた事件ということに加えて、平生から見ることのなかったカッパに出くわしたことに対する動揺により、理性的な論理的思考が阻まれた。
ひとまず下流に向かって、川と並行する道を走り始めた。
どうしようか、自分は泳げない。
しかし、泳げないからと言って、見捨てるわけにはいかないであろう。
一人のカッパが生命の危機に瀕しているというのだ。
しかし、待て。
もしかしたら、カッパのコスプレをしたふざけた大学生かもしれない。
妖怪が困っていた時に果たしてどれほどの人間が救いの手を差し伸べてくれるか、というテーマに取り組んでいるだけだとしたら、いいように性善説のデータを取られたモルモットとなってしまう。
タカは、あらゆる状況を想定し、多岐にわたる偏見で眺めてみた。
しかしどれだけ見ても、流れているのはカッパ以外の何者でもないのだ。カッパについて見聞きした通りの生き物で、カッパの教科書とでも言うべき完成形である。
ところで、自分が助けにいくことによって、事態は改善するであろうか。
もしもの話である。
もしもサルが木から落ちてケガをしていれば、自分は助けに向かうであろう。それは木から落ちてきた事実が明白であり、ダメージを取り除いて回復させてやらなければ、サルの力ではどうにもならないからである。
時間をいじらない限り、すぐにサルの調子が良くなることはないであろう。
しかし、弘法大使が筆を誤ったならば?
達筆な書道家がただ書き損じをしたというだけで、書道にまったく無縁の自分が書き直してあげるのは、いささか無粋というものであろう。
弘法が筆を誤ったことにより、一枚の紙を無駄にして、結果的に取り除かなければならないダメージを紙に対して負わせたのは、事実であろう。
だが、紙を無駄にしたとはいえ、新しい紙を持ってきて最初から書き直せば済む話だし、万が一にタカが書き直してあげたところで、筆を誤った弘法大使を超える字が書けるとは到底なさそうである。
カッパの川流れという状況は、状況的に見て、この中間ではないだろうか。
もしかしたら、あの状態が下流へ流れ着くまでの新種の泳ぎ方かもしれない。はたまた、ただカッパの自由意思により、流れてみているだけかもしれない。
樹木の中間地点からやや下の枝にサルが飛び降りたところで、サルが木から落ちたと言って助けに行くことはないだろう。一番下まで落下し、救助の必要性のあるダメージを食らったように見えた場合に限り、それが事故と認識でき、救出の必要性が出るかもしれないのだ。
弘法大使の筆誤りの原因が慢性的な腱鞘炎(けんしょうえん)であることが発覚し、どうにもこうにも筆が執れなくなった場合に限り、代筆という代替手段を考える必要性が出てくるのだ。
カッパは……。
海まで流れ着き、裏表ひっくり返り、呼吸をしていないことが明らかになった場合に限り、救出の必要性が出るのだ。
さて、タカはどうすればよかったのか。
どのようにしてカッパの川流れに対応すればよかったのであろうか。
答えが明らかになることは、カッパと人間の権利について深く真剣に議論がなされるまで到来しないであろうが、タカがとった行動は次の瞬間には明らかになっていた。
たとえ泳げなくても、力になれるかもしれない。ええい、力になれなくてもいい。できるかできないかではない。どう思い、結果的にどういう行動をとったかだ。死んだってかまうものか。
というような顔をして、タカはカッパを見捨てた。
最後の勇気を振り絞って、川へ歩み寄るまでは助けようと思っていた。
自分を犠牲にしてでも生き物(カッパ)は助けるべきである、という倫理観に満ち満ちていた。
しかし、歩みよった直後には、カッパという存在を疑うまでになっていたのである。
カッパなんて本当にいるのだろうか。
この世の中にカッパなんて存在するのであろうか。
こうした常識から導き出せる結論にタカは負け、結局何もしなかった。
何もしないという結論を選択し現状から目をそらした直後にタカが川を見ると、カッパはいなくなっていた。あのまま行けば流れているはずであろう辺りを確認しても、そこからわずかに離れたところを探しても、カッパはいなかった。
数分間探しても、カッパは見当たらなかったのである。
タカは思っていた。
存在するかも確かでない生き物を助ける価値なんて存在しないんだ。
タカは今後カッパを見ることは一生なかった。
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なんかカッパが三味線弾いてたら似合いますよね