海に立ち並ぶちょんまげを見たら人はどんな感想を持つでしょうか?
助けなくては! と駆り立てられるのか、異様な光景にただただ圧倒されるのか、おかしくて笑ってしまうのか、すかさず写真を撮りSNSでいいねを獲得するのか。
ブロガー兼自主映画監督であるマイナー趣味な私であればすかさず写真に撮り、ブログの記事にしてアクセスを獲得しようと試み、ぼちぼちな結果に終わるのではないかと思う次第です。
さて、そんなちょんまげ話はここらで終わりです。
私は先日、海に立ち並ぶあるものを見てきたのであります。
見たのはちょんまげなどではありません。
それは…
岩
です。
ちょんまげよりもつまらなそうですね。
ですが、これが意外と面白いものでした。
そのようなわけで、ここでは和歌山県にある橋杭岩という場所をご紹介しようと思います。いつもの記事よりも穏やかな口調で書いて参ります。
和歌山のおすすめ観光名所「橋杭岩」とは
橋杭岩とはなんなのか?
それは和歌山県の海岸沿いに存在する、面白岩です。
由来に関しては公式HPから拝借すると、
その規則的な並び方が橋の杭に似ていることからこの名が付きました。
出典:串本町観光協会
とのことです。
橋の杭と言われても正直さほどピンと来ませんが、その実物は確かに面白いものなのです。
写真を撮ってきました。
例によって写真がさほどよくもない(趣味で映画撮影をしているのに写真はなかなかうまくならない。動画は上達した)ですが、広がる海をバックに立ち並ぶ不思議な形の巨岩群は、目の前にするとなかなか圧巻です。明らかに周りから浮いているわけです。
宙に浮いているわけではなく、存在として空気感が浮いています。宙に浮いている岩といえばドラクエ6のヘルクラウドを思い出す私は強めのドラクエファンです。
話を戻し、更にこの橋杭岩の面白いところは、潮の満ち引きによる表情の変化にもあります。
どちらかだけを見るだけでも十分面白いのですが、潮が引いてるときと満ちてる時の両方に行くと、その差に結構驚けます。驚きたい人はむしろこの記事を読まずに行くといいかも知れませんが(満ち引きそれぞれの写真を貼るので)。
潮の満ち引き(満潮・干潮)
一体満ち引きでどう変わるのか、現地で知りたい人以外は写真を貼るのでご覧ください。
潮が引いている時の橋杭岩
まず、潮が引いてるときは…
このようになっています。
地面に注目すると…
このようになっています。
見ようによってはコケが綺麗なようにも見えますね。
潮が引いているときは、歩いて岩の前まで行くことができます。というか、満潮のときにここに来てない人は、いつでも行けると思うかも知れません。
みんな奥にある大きな岩の前まで行って撮影してました。みんなといっても正確にはここに来た人の内の大勢です。100%の人類ではありません。
歩きづらい岩の上を探りながら進むのも楽しみのひとつ。
水位が高いところもありはします。
以上が、潮が引いているときの橋杭岩の表情です。景色に対して表情とか言うのってちょいと気恥ずかしさがありますが、いつもより若干穏やかなテイストにしているこの記事では恥じることなく使います。
潮が満ちている時の橋杭岩
…で、これが夕方に近づくにつれ満ちてくるとどうなるのか。
こうなります。
歩けません。
潮が引いている頃、道となり私を導いてくれた地面、更にはその頃障害物として立ちはだかったほどほどに大きい岩達も含め、すべてが水につかります。水はかなりきれいでした。
残されるのは橋杭岩のみ。
劇的ビフォアフターです。
Before
After
そして、これはこれで圧巻。単に景色だけで言うと、この状態で夕日が見えたとすれば、その方がわかりやすくていいかも知れませんね。
夕焼けに染まる橋杭岩は迫力があるだけなく、美しさもにじむことでしょう(私は夕焼けより早い時間だったので体験できませんでしたが)。季節によっては日の出が橋杭岩の奥から見えるようです。人気の写真撮影スポットなのではないでしょうか。
水位の上がった橋杭岩もまた面白いものです。
景色がガラッと変わります。
ゼルダの謎解きだとよくこういう満ち引き系ありますが、現実でもできそうです。
橋杭岩はどうやってできたのか?
ちなみに、なぜこんな不思議なトゲトゲした形で岩が立ち並ぶのか? どうやってこの岩はできたのかというと…
海の浸食により岩の硬い部分だけが残り、あたかも橋の杭だけが立っているように見えるこの奇岩には、その昔、弘法大師と天邪鬼が一晩で橋を架ける賭をして、一夜にして立てたという伝説も伝わっています。吉野熊野国立公園地域にあり、国の名勝天然記念物に指定されています。
出典:串本町観光協会
ということです。
弘法大師と天邪鬼が一晩で橋を架ける賭をして、一夜にして立てたのでありました。
ええ、わかってます。
夢なき現代において、そして特に検索で来るブログ生地読者には、このようなロマンあふれる伝説は求められていないと。例単なる情報収集者で構成されたネット社会に合わせ、科学的な成り立ちも書くのでご安心ください。
橋杭岩は,1500-1600万年前に堆積した熊野層群を貫いたマグマが冷却固結してできた岩石で す。
~中略~
やがてマグマは冷却固結して岩脈となりましたが,その後フィリッピン海プレートのも ぐり込みに伴う圧縮応力によって熊野層群と一緒に隆起して地上に現れました。 橋杭岩をつくった岩脈は元々は畳のように一枚の岩体であったのですが,地表に現れると風雨や波 による侵食によって,今のような海上に林立する岩体(上の写真)になったのです。
出典:地質100景
元はマグマだったわけです。岩と言っても色々あるわけです。
大自然の生んだ景勝地ですね。
橋杭岩のグルメ
ちなみにこのブログで日々更新しているグルメ情報ですが、ここ橋杭岩にもグルメなものがありました。
サザエのツボ焼き
中身は…
見た目で苦手な人もいますが、独特の旨味があるんですよね、サザエって。
このサザエは苦みと旨みが混然一体。普通の美味しさでした。
まぐろカツ
景色と一緒に撮ってしまいました。あまり伝わらないですね。
ただ、見た目はこの通り骨なしのファミチキです。
こちらは肉厚感がありつつチキンのようなパサつきもありつつで、面白い食べ物でした。こちらも美味しいです。
おまけの海霧
ちなみに、近くには写真家に更に人気な超絶景スポットもあります。「海霧」という本当に息を飲むような美しい絶景が見られる場所があるんですよね。
・海霧とは
海霧(うみぎり、かいむ)は、暖かく湿った空気が、冷たい海面に接することで生じる霧で、特に移流霧として陸上に達する濃霧。
出典:海霧|wikipedia
冬の早朝に何日も貼りついて粘ってやっと撮れるようなレベルのものみたいですが、その写真を見るとほんとに綺麗で驚きます。心がひねくれていても一瞬素直になってしまうレベルの綺麗さです。
海霧を求めて・・・というブログで紹介されている「国民宿舎あらふねリゾート★海霧★フォトコンテスト」の入賞作品の写真がすごかったので紹介させていただきます。
出典:海霧を求めて・・・
私は人が撮った写真でしか見たことがありませんが(そもそも橋杭岩に行ったときに看板で知っただけ)、チャレンジングな人は海霧を見ようとしてみるとよいのではないでしょうか。
まとめ
以上、おまけも含め、丁寧に紹介をしてきました。
二度楽しめてグルメも楽しめる和歌山の隠れ(?)スポット「橋杭岩」。機会があればぜひ行ってみてください。おすすめは、潮が引いてる昼早めに行き、夕方に再度行くことです。歩いてた場所が水浸し! という驚きを得られます。
最後に冷静な総評を書くと、
ここだけを目当てに和歌山に行くことはお勧めしませんが、和歌山に行って近くまで行ったならついでに寄って30分~1時間費やすのは大いにお勧め
です。
そして私はこの日の翌日に、和歌山の超人気スポット「和歌山アドベンチャーワールド」にてこれまた超人気動物である”パンダ”を見に行くわけですが、そちらもまた素晴らしい場所でしたので、色々と書いております。
とにもかくにも、和歌山は東京からだとなかなか遠いですが行って良かったと思っています。
では、たまにはこんな平和な感じで締めたいと思います。またどうぞ。
こういう本を見ながら和歌山県観光しました。
宮崎県に旅行した時の記事はこちら。
私ではなく、このブログで小説を連載しているライターが書いた日本の城の記事はこちら。
これまた私ではなく、このブログで主にグルメの深い洞察を書いているライターの記事はこちら。