日本の食卓に愛も愛されるカレーライス。ランチを食べ歩きまわる私も愛する料理である。遡れば長いもの。
1905年に大阪道修町の薬種問屋、2代目今村弥兵衛が日本初のカレー「蜂カレー」というものを発売して以来、カレーは日本の食文化に深く、そして強く根付いてきた。
そして、そんなカレーが特に深く根付いているのが、
ここ、古本でも有名な神保町である。
神保町は美味しいカレー屋が勢揃いだが、中でも欧風カレーの印象が強い。
そして、神保町で欧風カレーと言えば圧倒的に有名なのが「ボンディー」である(HPは少し印象が違う)。だが、美味しいのはボンディーだけじゃない。
そのようなわけで、今回はボンディーならぬ「ガヴィアル(GAVIAL)」という欧風カレー屋を紹介しようと思う。こちらも実は結構有名なお店である。
神保町の美味しい欧風カレーはボンディだけじゃない。皆、ガヴィアル(GAVIAL)に目を向けよ。
ちょいと神保町に寄る用事があった私は、せっかくだからカレーを食べよう。それも、今まで行ったことがないところに。と思い立ったわけである。
それで駅から近くて美味しそうだったのが「ガヴィアル(GAVIAL)」だったわけだ。
しかし、これがやられた。
「名店は看板がないか、かなりわかりにくい」という私の中のジンクスを忠実に守っていたのである。
というわけで、歩き回ってやっと見つけたのがこの看板。
なんか看板の色合いや置かれている場所からして、廃れゆくマッサージ屋の看板かと思ってしまい通り過ぎること必至な看板だ。建物と建物の間の狭い空間に入っていくと、ガヴィアルがある。
実際、三回くらいここの前を素通りしてグルグル回ってしまった。
そして、この空間に入っても怪しい空気感が続く。
このような階段が続く。
これは階段の途中の窓から見下ろす景色。特に良くも悪くもないところが良い。
店の入り口はこのような感じ。二重のドアになっている。
事前に調べていなかったら階段の途中で諦めていたかも知れない。先日行った池袋の豚カツ屋「清水屋」に通ずるものを感じるロケーションだった。
などとぶつぶつ思いながら、中に入る。
店内は落ち着いたカフェのような雰囲気
店の外観はなんとも不安な感じでだったが、中は違っていて、RPGでダンジョンの奥に宿屋を見つけたようなそんな感覚に陥った。そう、私はカレーのみならず、ドラクエ好きでもあるのだ。レベルアップ。
そして、そろそろカレーの話に移らないと読者の皆さんが記事を閉じて明太子をほうばり始めてしまいそうなので、食レポに移ろうと思う。
机にはこういった手作りメニューが置いてある。私は王道鉄板のビーフカレーを注文した。
一般的なカレーの相場で考えると1500円を平気で越えてきているこのメニューはかなり高いが、伝統的な欧風カレー屋ではこれくらいが相場の様子。この日は贅沢すると思って身銭を切った。
ガヴィアルのビーフカレーはマイルドで口当たりの良い美味しいカレー
注文して少し待つ間に机にこんなものが。
開けてみると…
あらかわいい。
さて、そんなこんなでビーフカレーがやってきた。
ビーフカレー 1500円(税込)
おお、これは!
ぼ、
ボンディ!!
かと思うような雰囲気だ。
チーズの入ったご飯に、バターの添えられたじゃがいも。そして、
とろみの強いこのルー。
期待がかかるカレーである。わかりにく店構えに、名店ボンディのオーラを纏ったこのカレー。期待値は高まる。
高まる期待値を胸に一口。
…感想はというと、マイルドで口当たりの良い、美味しいカレーだ。とろみのあるルーにはチーズが合うものだな、と思わされる。クリーミーさもあり、カフェのような店内の雰囲気にマッチした上品な味だ。ただ、気取ったような風味ではなく、庶民的な優しさも感じた。
マイルドが勝っているものの、意外にも28種使用しているという香辛料。これが効いているのか、次の一口を促す良い刺激が常にある。
1982年の創業時以来継ぎ足しのソースをベースとして、28種類の香辛料をブレンドしています。
引用:ガヴィアル 公式HP
そしてビーフカレーに肝心なビーフも一口。
…これまた感想はというと、柔らかく、ホロホロ感もあるこれまた美味しいビーフ。少しのパサつきが逆にルーを染み込ませて、良い塩梅になる。
じゃがいも
そして、
ボンディではおなじみのじゃがいも。こちらも美味しく頂いた。
お祭りなんかでも毎回じゃがバターが食べたくなる私としては嬉しい一品である。ホクホクでお腹が温まる。この日は猛暑だったが、厚いのが結構好きな私には問題ないことだ。
というわけで、先ほどの福神漬け、らっきょもたまに混ぜつつ、最後まで美味しく欧風ビーフカレーを食べた。
まとめ
「名店は看板がないか、かなりわかりにくい」という私の中の感覚に関しては、これでまた一つ統計サンプルが増えたことになる。
以前食べた、スマトラカレー共栄堂の複雑で苦み渋みもある、限界ぎりぎりの絶妙なスパイス具合と比べると、そういった刺激を求めている人には少々物足りない味わいかも知れない。ただ、欧風カレーを求めて食べる人の舌は大いに満足させることと思う。
個人的には、①ハードルが上がり過ぎたこと、②以前ボンディで欧風カレーを食べており、そのときに「うまい!」と感動済みだったことから、「超絶満足!」という域には達しなかった。だが、十分美味しかったのは間違いない。
ちなみに…
ボンディだけじゃない!と言ったが…
ガヴィアルについて後から調べて驚いたことがある。これを読んでみて欲しい。
マイルドでボリューム満点な欧風カレーの老舗
1982年創業の欧風カレーの老舗。 日本に欧風カレーというジャンルを作ったとされる神保町「ボンディ」の創業時から働いていた方が独立して作ったお店。人気のビーフカレーはマイルドな上にビーフがごろごろ入っていて、ボリュームもある。店内は清潔感あるお洒落な感じで、料理を注文してからすぐに出てくるところも魅力的。
引用:Retty
そう。ガヴィアルもボンディで働いていた方が作った店だったという、そういう仕掛けだったのだ。どうりで似てると思った!
このような謎も解け、満足なランチであった。まだまだカレーは開拓していきたいと思う私であった。
神保町なんか遠いよ…という方は家で楽しむという手もある。
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