nendのネイティブアドを導入したので目的と問題点を丁寧に解説する - フリーBGM&自主映画ブログ|"もみじば"のMOMIZizm

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nendのネイティブアドを導入したので目的と問題点を丁寧に解説する

2016年5月11日

CMCMCMCMCMCMCMCMCMCMC…

最後MCになっちゃった。

 

今のでわかりましたでしょうか? 最近、世の中はCM・宣伝・広告だらけですよね!! 私は自主制作CMなんかを作る物好き宣伝男ですが、ひとの広告にまみれると嫌になるから勝手なもんです。

 

特にネット。ブログを見てれば「スポンサーリンク」とかいう文字とともに広告が貼られていて、Youtubeを見てればCMが流れ、Googleで検索すれば一番上には広告が表示され、スマホでネットサーフィンしてれば画面下部に永遠に付いてくる広告が表示され…

まさにネットは広告の海状態です。(かくいうこのブログにも…)

そして、最近頭角を現してきているのがネイティブアド(ネイティブ広告)」というやつです。(最近でもないか?)

 

これがまた議論を呼ぶ広告なわけですが、時代はバナー広告からネイティブアドに移っているのは確かなようなので、このブログでも試しに導入することとしました(2016/5/10時点)。

さて、どうなるものか…

 

それではここからはネイティブアドがなんなのかを説明しつつ、ネイティブアド導入に至った経緯なんかを語ります。語り部です。


まずは弁明

冒頭で偉そうに「ネットは広告の海。もはや宣伝山だ」などとのたまいましたが、広告がなくなったらそれはそれで困ります。

なぜか?

ネットにある多くの無料でなにかを提供・公開しているサイトやサービスは、広告費で運営をまかなっているからです。

無料ブログサービスのところどころに広告があるのは無料でブログができるようなサービスを提供するためですし、Youtubeに広告動画が流れたりバナーが表示されるのはYoutubeが無料で動画を提供するためでしょう。

まあ、最終的には儲けるためってのもありますが、ネット上で儲けちゃいけないなんて理由はないですからね。儲けるのがすべて悪なら八百屋も悪かって話です。あくどい儲け方をすると批判されますが、この辺の議論はひとまず放置。

 

とにかく…

今更なことですが、広告費というシステムがなければ消滅してしまうサービスというのは世にはたくさんあるよ、というお話でした。テレビのCMがわかりやすい例ですね。

 

ネイティブアドとは? ーコンテンツとの親和性ー

それでは本題です。ネイティブアドってなんや? こら。という人のために説明です。

実はこれ、定義が少し曖昧なんですが、とりあえずは「周りのコンテンツになじんだ広告」と覚えてください。

⇒参考:

本来目指す理想形としては、「見た目がなじんでるだけでなく広告の中身も周りのコンテンツに負けず劣らずな内容であり、内容的にもなじんでいる」というのがネイティブアドの目指すところだと思いますが、そこまでできているものはあまりないのも実情。

 

ネイティブアドが出てきた経緯

色々ありますが、まず、ネットユーザーが広告に慣れてきたというのが一つの理由です。いわゆるグーグルアドセンスとかに代表されるバナー広告は「いかにも広告」という感じで、見るからに邪魔です。

ネット黎明期はみんなネットの広告に慣れていなかったのでそれでもクリックされていましたが、最近はとにかくバナー広告のクリック率が低下しているというわけです。

更に、スマホユーザーが増えたのがそれに拍車をかけます。バナー広告はスマホで見るとでっかく画面を占有して、「いかにも邪魔」です。

まあ、言葉だけだとよくわからないので、バナー広告とネイティブアドを画像で比較してみましょう。

 

従来のバナー広告

キャプチャ

バナー広告というとこんな感じですからね、周りのコンテンツとは全く無関係に場所を占有するのがバナー広告です。多少は関係を持たせられますが、少なくともデザイン的には違和感がかなりあります。

むしろ、バナー広告の代名詞ともいえるグーグルアドセンスでは、「周りのコンテンツと明確に区別できるように設置しろ」という決まりがあります。

 

しかし、こういったバナー広告のクリック率が近年下がっているということで、そこで新たな施策として現れたのがネイティブアドというわけです。

期待されているネイティブアド

これがネイティブアドです。そして、いきなりですがこれは私のブログに掲載されているネイティブアドです。パッと見でどこが広告かわかりますか?

 

……。

 

……どうでしょうか。

 

真ん中の記事が、実は広告なのです。

 

[広告]と明記してますし、「インストール」というボタンもあるのでまあまあ分かりやすいですが、パっと見で明らかな違和感があったり、コンテンツと無関係に広告が画面を占有している…といった印象は受けないかと思います

このようにして、周りのコンテンツになじませることで、コンテンツの邪魔をせずに広告をする…というのがネイティブアドなのです。そうすることで、クリック率やらコンバージョン率がかなり増加するというわけです。

⇒参考:「アイコン広告と比べて収益が2.7倍に」「なじませるほど収益性が上がった」ネイティブ広告ネットワーク「Hike」が語るアプリマネタイズのコツ。|アプリマーケティング研究所

この記事はネイティブアドを推進しよう!という意図があって書かれた雰囲気もあるっちゃありますが、説得力はあります。特に、記事終盤の「ねこあつめ」のネイティブアドは納得です。

コンテンツと広告のいい形での融合ですね。

 

しかし議論は割れる

このようにいい感じに聞こえるネイティブアドですが…

実はこの「周りのコンテンツになじませる」ということに関しては、かなり議論が割れています。

⇒参考:割れる議論

 

なぜ議論を呼んでいるか? だいたい予想は付きますよね。

コンテンツになじませれば、バナー広告のような「いかにも邪魔」な感じは出ませんが、記事だと思ってクリックしたら広告かよ!紛らわしいんだよ詐欺師め!日本死ね!

となる可能性があるわけです。

⇒参考:

ネイティブ広告で騙された気分に? ジャストシステムがスマホ広告印象調査|INTERNET Watch

しかし、本来はそういう風に騙すために生まれたのがネイティブアドではありません。

 

ネイティブアドが目指す姿

読む側としては理想形は「広告ゼロ」だとは思います。

…が、現実問題としてそれだと色々運営できなくなるので、「どうしたら広告がユーザーにとって邪魔にならず、有益なものになるか?」というのを広告業界が考えた結果できたのがネイティブアドと言えます。(広告なしでもうまく回る仕組みを考えるのはさらに上の次元の話なので、これまた一旦放置します。)

 

レイアウト・デザイン的に邪魔しないようになじませ、その上でネイティブアドをクリックしたらその先にあるのも広告だけどちゃんとしたコンテンツになっている、もしくは満足のいく商品やアプリのページに飛ぶ…というのが理想なわけです。

そして、それが実現されれば、広告を出す側も広告を掲載する側もユーザーも全員にとって有益な素晴らしい状態になるわけです。そうなれば、もはや広告か広告ではないかなんてことはどうでもいいくらいのレベルにすらなります。

音楽素材やらムービーやら小説やらを配信している当ブログ的には広告がコンテンツ的になっていく時代というのはまあ、面白そうには感じますね。

 

現実は…

しかし、現実はそうなっていません。多くのユーザーはネイティブアドをクリックしたときに、「騙された」と思うそうです。

その理由は簡単です。

 

ネット上に誤クリック狙いのネイティブアドが氾濫している。

ほぼ、このせいです。

ユーザーのためではなく、記事やコンテンツと思わせて誤クリックさせるためにコンテンツになじませる広告が氾濫してしまっているため、ユーザーがネイティブアドに対して悪い印象を持つわけです。そして、そうなっていれば「騙された」と思うのも当然です。

 

そして、そういった悪い印象がどんどん広まり、「ネイティブアド=騙し」「ネイティブアド=悪質なステマ」と思うような人が増えてるわけですね。

 

実はネイティブアドには決まりがある

ただ、実はそういうのはそもそもネイティブアドではないのです。ネイティブアドには一応定義・ルールがあるのです。最初の方で定義はあいまいと言いましたが、最低限のルールはあります。

それをざっくり二つにまとめると、一つ目のルールはコンテンツになじませること

二つ目は…

 

広告と明記すること。

 

意外でしたか? 実はネイティブアドはちゃんと広告だということがわかるようにしなくては駄目なのです。

ただ、実際にはそのルールを無視して広告表記を全くしなかったり、記事の終わりに小さく「PR」と書いて終わりだったりするものが多いのでネイティブアドの印象が悪くなるわけですね。

まあ、一般の人は「ネイティブアド」なんて言葉は知らないので、ただ単に「最近紛らわしい地雷みたいな広告増えたな。ネット死ね!」と思うだけですが。

 

LINEのネイティブアドは結構ちゃんとしてる

ちなみに、最近はLINEニュースにもネイティブアドが採用されています。しっかり「広告」と書いてありますが、明るい写真だとほとんど読めなかったりも…。

ですが、これはネイティブアドとしてはほぼ理想形な気がします。広告をクリックしたら記事が読めるような形なので、内容的にもほかのコンテンツとなじんでます。質も広告以外の記事と比べて著しく低いということはないですし。

メガネのやつが広告です。

 

まともなネイティブアドが増えれば…

というわけで、こんな感じでまともなネイティブアドが増えれば、従来のバナー広告よりもユーザーにとってもストレスがなく、広告効果も高いという理想の世界が見えるはずです。

が、しかし。

広告表記をちゃんとした上でデザイン・レイアウトをなじませるのはまあまあ簡単ですが、広告をクリックした先にしっかりしたコンテンツを用意するというのは、まだまだ難しいところがありそうです。編集者やらクリエイターがたくさんいないと追いつかない気がしますよね。

なので、まずは広告であることははっきりと明記する(小さく端っこに書くのではなく、わかりやすく)。これを守るだけでも、違うと思います。

IMG_4057

↑しっかり「広告」と表記。更に「インストール」というようなボタンも表示して、別のところに飛ぶことを示唆してます。

 

要は、広告じゃないと思わせてクリックさせるためになじませるのではなく、広告だとわかってもクリックしたくなる人はいるわけなので、そういう人に向けて広告を出すイメージですね。

それに、広告じゃないと思って間違えてクリックした人はすぐ広告を閉じます。広告だとわかった上でクリックする人は興味があるのでその先の商品を購入する可能性も高いです。なので、誤クリック狙いはやっぱりあんまり意味ないのです。

ネイティブアドがいい方向に向かえばいいなと思いますね。悪い方向に向かうとネット上のコンテンツは全て信用できなくなって崩壊しかねませんし。

 

 

導入したのはnend

ここまで長々と書いてきましたが、色々考えた末に、試しにネイティブアドを導入することにしました。そして、私が試しに導入したネイティブアドは「nend」というところの広告です。

⇒参考:nendのネイティブアドを試してみたら凄く良さそうだった

 

こちらは正直コンテンツの中身はまったくネイティブな自然さはなく、ほかのコンテンツとは明らかに違います(いきなりアプリストアに飛んだりします)。なので、理想とするネイティブアドではないのですが、バナー広告の時代が終わりに近づいてるのも納得はできるので、試しに入れることにしました。

現状、記事一覧の間にネイティブアドが表示されています。広告ということをわかりやすくしたとは言え多少は紛らわしいかも知れません。ただ、もし記事一覧の間にバナー広告が入り込んでたらその方がうざそうだし見た目も汚いので、そう考えると確かにネイティブアドの方が良いような気はします。

※ちなみにnendのネイティブアドはスマホにしか表示されません。

しばらく様子見

とにかく、しばらくはこのnendのネイティブアドを導入してみて、クリック率はどれくらいなのか? 実際邪魔じゃないのか? 紛らわしくないか? 読者が減らないか? などを観測してみようと思います。

表示数はアドセンスより少ないですし、誤クリックを狙うわけでもないのでもしかしたらほぼ意味がないかも知れません。そうなれば外しますし、もしかすると逆に一時的にもう少し広告感を減らす実験をしたりもするかも知れません。

どういう形が最適なのか、まだまだ探る必要がありそうです。

 

まとめ

以上、ネイティブアド(ネイティブ広告)について書いてみました。どんなものなのか伝わりましたでしょうか?

簡単に言うと、質の悪いネイティブアドはユーザーにとって最悪で、質の良いネイティブアドは(ねこあつめが良い例)色々と素晴らしいということですね。単純です。

この記事をスマホで読んでいる方は、このブログのネイティブアドが今どうなっているか見てみると面白いかも知れません。もしかしたらもうないかもですが。

 

ちょっと私もネイティブアドに対して賛成か反対かといわれると微妙なのですが、今後ネイティブアドはもっとスタンダードになると思われるので、まずは試しです。広告も奥が深いですね!

 

その数日後、私のブログがネイティブアドで埋め尽くされ、ブログ本来のコンテンツがたった一つになってしまうなどということを、このときは誰も知る由もないのであった…。

 

ー完ー

 

2016/6/6 追記:3週間ほど設置して、色々試したものの、クリックがほぼ0だったので外しました。たくさん設置しないと意味ないかも知れません。


 

よかったら、ネイティブ広告の次元も越えた斬新?な宣伝に挑んだ自主映画をどうぞ。

ストーリーと宣伝が不思議な融合をしつつ、全く宣伝にはなってないという、異様なムービーです。謎過ぎて、ステマですらないと思います。

そもそも宣伝のためだけに作ったのではなく独立した作品になってるのですが、、とにかく見ていただければ伝わると思います笑。