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ドラクエ11サントラ(オーケストラ)CDを徹底レビュー! 曲目紹介も

2018年1月10日

 

いやあ、5年程度に一回しかないこのイベント時期がついに来ます。あれです、あれ。

 

…なんのことかと言えば、ドラクエのオーケストラCDの発売です! ドラクエは5年に一回出ればいい方なので、そのCDの発売もまた珍しいイベントなのです。

今現在最新作である「ドラクエ11 過ぎ去りし時を求めて」のオーケストラCDは、2018年1月24日に発売となっています! Amazonで予約も受け付けてました…が、もう発売されました!

 

はなかなかのドラクエファンで、歴代ドラクエシリーズを3万7000文字も語る記事を書けるくらいには好きなのですが、その中でも音楽は本当に恐ろしい回数を聞いてきました。

ゲーム音源そのままのものも、オーケストラ版も、弦楽四重奏版も、金管五重奏版も、吹奏楽版も…その他もふくめてドラクエの音楽は本当にめちゃくちゃ聞きました。ドラクエの音楽がきっかけで作曲を始め、このブログで音楽素材として配布もしているくらいの影響を受けています。

 

なので、ドラクエ11のCDについても、恐らくブロガー界で最も詳しく書けることと思います。少なくとも最も長くは書けます。

ただ、ダラダラとうんちくを語りすぎても仕方ないので、どんなCDなのかという基礎知識もさらっと紹介しつつ、発売日や曲目についてまとめます。そして、記事後半では一曲ずつ丁寧にレビューをしています。

 


交響組曲「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて」 オーケストラ版CD発売(サントラ)! 予約も可能

さて、発売日は前述のとおり2018年1月24日です。

ドラクエ11は2017年7月29日発売だったので、ゲーム発売から約半年後ということになります。

ドラクエ11のサントラCDの発売日はいつ?収録される曲は?曲名も調査!

 

ちなみに、そうやって検索する方が多いようなので「サントラ」とは表記しましたが、実際にはサウンドトラックといってもオーケストラのCDです。ドラクエの曲、BGMがオーケストラの演奏で収録されたCDです。

ゲーム音源そのままのサントラCDではなく、ゲーム上の曲をオーケストラに編曲しなおし、交響組曲として作り直したものということですね。

 

交響組曲とは

交響組曲はwikipediaによると

主としてオーケストラのための組曲の一種。明確な定義はないが、標題性の強い楽曲がほとんど

出典:交響組曲|wikipedia

となっています。

簡単に言うと、あるコンセプト・テーマに沿って作られた複数のオーケストラ曲というイメージです。

 

ドラクエ11のオーケストラ版を演奏するのは?

演奏するのはドラクエ音楽ではもうおなじみの東京都交響楽団。都内オーケストラではトップレベルの実力集団です。そんな人たちの演奏でドラクエの曲を聴けるとは素晴らしいことです。

ちなみに、ドラクエのオーケストラを演奏してきた楽団は、メインどころだと下記の3つとなります。

  • NHK交響楽団(ドラクエ3~5)
  • ロンドンフィル・ハーモニー(ドラクエ1~7)
  • 東京都交響楽団(ドラクエ1~11)

東京都交響楽団は低音がしっかりと迫力ある演奏で、安定感があります。金管(ホルンやトランペット等)も日本人としてはかなり力強い演奏を聞かせてくれます(通常は肺活量やら体格の問題などから、海外・欧米の金管の方が迫力あることが多いのです)。

 

 

曲目

では、肝心の曲目です。ドラクエのCDは曲名も楽しみの一つです。曲名は堀井雄二氏が決めているという情報もネットで見たことがありますが、いまいち詳しいところは知りません。

2枚組みCDとなっていて、曲目は以下の通りとなります。

交響組曲「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて」すぎやまこういち 東京都交響楽団

指揮:すぎやまこういち

演奏:東京都交響楽団

ソロコンサートマスター:矢部達哉

 

【Disc1】

  1. 序曲XI
  2. 冒険のはじまり~勇者は征く(ゆく)
  3. にぎわいの街並~穏やかな村の夜~穏やかな村~にぎわいの街並
  4. 勇者の凱旋~山奥の隠れ里~勇者出撃
  5. 壮厳なる王宮
  6. オーレ!シルビア!
  7. ひるまぬ勇気~レースバトル~果てしなき死闘
  8. 天空魔城
  9. 暗黒の魔手~破壊を望みし者
  10. 英雄たちの帰郷

【Disc2】

  1. 未知なる洞窟~神秘へのいざない
  2. 空飛ぶ鯨
  3. 騎士道を我が胸に
  4. 愛のこもれび
  5. 魔法使いロウ~時の祭壇~神話の里
  6. 窮地を駆ける~希望はいずこへ~黄昏の荒野
  7. 暗闇の回廊
  8. 生死を賭けて
  9. 過ぎ去りし時を求めて

曲順

ドラクエ11の交響組曲は、今までのドラクエと比べて少し曲順が特殊です。

普通は

序曲→オープニングイベント系の曲→城→街→フィールド→ダンジョン→塔
→戦闘→全滅曲→イベント曲→海→ボス戦→イベント曲→空→ラストダンジョン→エンディング

おおむねこのような流れになっているのですが、ドラクエ11はラストダンジョンが前半(CD一枚目)に来ています。

恐らく、エンディング曲がふたつあり、しかもひとつは空の曲とほぼ同じだということが影響しているのだと思います。それぞれで独立した組曲にもできなくはない…くらいの分け方なのかなと。

過去曲について

また、ドラクエ11は10同様に過去曲(例えばカジノ、海とか)の流用が多いですが、それらは収録されていません。全部入れたらとんでもない量ですし、組曲としてもおかしくなりますからね、それはサントラの役目ですね。

 

 

レビュー&おすすめの聴きどころ

CD発売前でも、ニコニコ生放送で期間限定でオーケストラコンサートの演奏を流していたので記事を書いた当初はそこからの感想しか書けなかったのですが、CDを実際に購入したので、いろいろ書けます。

ドラクエ11の曲はさほど評判がよくはなさそうではあるのですが(音階を上がる下がるだけを多用などがネタ切れに聞こえ、評判の原因となっている思われる)、人気な曲もやっぱりあります。

というわけで、CDに収録されているオーケストラ演奏のうちいくつかの曲を抜粋してレビュー的なものを書きます。わかりやすく各曲のPointを最初にまとめています

ニコニコ生放送の演奏と比べて

…ちなみに、ニコニコ生放送の演奏は個人的には少し間延びしていてるというか、雑というかであまりいい演奏とは正直思わなかったのですが、CDでは全体的に引き締まっていい感じに仕上がっていました。

 

「序曲XI」

Point

  • イントロがロト編のイントロのアレンジ
  • メインテーマ部分は10の編曲

まずはドラゴンクエスト音楽の代表曲であり、圧倒的に有名な曲「序曲」から。

同じ序曲と言っても基本的にシリーズすべてアレンジやイントロが違います。明らかに違うものからマイナーチェンジなものまで色々ですが、11ではイントロが意味深なものに刷新されました。

1~3までのイントロを彷彿とさせるイントロなんですよね。つまり、音楽でもロトシリーズとのつながりを示唆しているわけです。それでいて、最近のゲームに合うように、9以降の壮大・派手目なトーンも保ったアレンジとなっています。

これで序曲のイントロは4つになりました。メインテーマ部分は10を踏襲した、マーチ要素のある元気な編曲となっています。

やっぱり元の曲の骨格がよいと、どんなアレンジでも何回でも聞けるもんだなと思いました。

 

 

▼「冒険のはじまり~勇者は征く」

オープニングムービー→フィールドの2曲メドレーです。

「冒険のはじまり」

Point

  • ムービーの尺に合った曲
  • 曲の終わり方

「冒険のはじまり」はタイトルの通りオープニングの曲。

リメイク版2の「パストラール~カタストロフ」のパストラール部分や、7の「エデンの朝」、8の「馬車を曳いて」などもオープニング曲ですが、それら同様に伸びやかで穏やかな曲調です。

10の「アンルシアの恵み」は少し怪しさも漂わせますが、どこか共通する空気感もまとっています。

この曲はバイオリンがなめらかに奏でるメロディーが心地よいですね。あと、この曲は終わり方が「ジャン!」で終わるのが珍しいなと思っています。ムービーに合わせた尺の曲になっているのですが、こういう曲は終わりは和音を伸ばしたり、ゆったりと終わることが多いイメージです。

 

「勇者は征く」

Point

  • 金管楽器の勇ましさ

こちらはフィールドの曲です。

勇ましい響き

ゲームをやっていると、フィールドに出た瞬間から「ジャンッ!!」と迫力重視のイントロを何度も聞くこととなりますが、この曲はオーケストラだと迫力がやはりずっと増します。この勇ましさはドラクエ4の「馬車のマーチ」以来でしょう。

金管楽器が活躍する、まさに勇者たちが力強く進行していくような曲調です。もう少しもの悲しさや情緒あるメロディー的な部分があった方がストーリー的には合ってたような気がすることもあるのですが、王道かつ勇ましい勇者の進行曲と考えると11にふさわしいとも思えてきます。

同じく王道かつ勇ましく、CMにも使われた超人気フィールド曲「冒険の旅」は哀愁も漂わせるのがよさでしたが、棲み分けとも言えますね。

もっと欲しかった低音

既に迫力はあるのですが、4の「馬車のマーチ」などと比べると、意外にも低音が薄いです。

演奏ではなく、編曲の問題のようなのでわざとかも知れませんが、もっと低音もバリバリ響いていたら個人的には嬉しかったですが、これは好みですかね。

なんにせよ、オーケストラの方が映える曲です。

 

 

▼「にぎわいの街並~穏やかな村の夜~穏やかな村~にぎわいの街並」

街・村のメドレー。

「にぎわいの街並」

Point

  • 半音階で和音が駆け上がるのが特徴的
  • 2週目の華やかなアレンジ

街の曲はドラクエの中でも安定して名曲揃いですが、さすがに外伝も加えると20近く作曲してるわけでネタ切れになるのでは…と思いきや、11もこれまたいい感じです。

ゲーム音源だと途中の特徴的な不協和音で半音階を駆け上がる(低音は下がっていきますが)部分がインパクト強めですが、オーケストラでは比較的静か目な演奏となっており、自然に聴けます。

オケでここを金管のフォルテで奏でるとかなりうるさくなりそうなので、若干控えめになったのも納得。

ここ最近のドラクエのオーケストラ版は概ねそうですが、ゲーム音源からの想像を大きく超えるアレンジはあまりなく、この曲もご多分に漏れません。ただ、曲の終わり部分やつなぎ部分はオーケストラ独自の場合が多く、この曲もご多分に漏れないのです。

この曲は冒頭数小節分だけ2週目が流れるのですが、そこは金管楽器も加わり、より楽しく華やかな演奏となっています。このまま2週目を続けて欲しいくらいです。その部分がこの曲で私は一番好きかも知れません。

 

「穏やかな村の夜」

Point

  • 音階を駆け上がるだけのフレーズの綺麗さ
  • 漂う”夜感”

ドラクエは3以降、街や村やらの拠点に昼夜の概念があるものが多いですが、11も昼と夜があります。そして、昼と夜で曲が変わります。

通常、昼の曲をつくってからそのアレンジで夜の曲をつくる…という風にしているはずですが、この曲だけは何となく夜バージョンが元なのでは? と思っていました。ただ、ゲームではそう思ったものの、オーケストラ版を何度も聞いていると昼のほのぼのさも素晴らしくそして自然で、どっちが元っぽいとかはわからなくなってきました。

夜の雰囲気

最初にこの曲を聞いた時、「こりゃ地味にいい曲だな」と思ったのですが、雰囲気の完成度が高いんですよね。静かなイントロ、穏やかなメロディ、散文的なフレーズと煌びやかな音色

今回、村の曲が2種類あるわけですが、これは本来キャンプ専用の曲だったのでは? と思うくらいです。こちらがいい曲だったから昼っぽいバージョンもつくることになって村の曲として使われた的な…。

まあ、その推測は外れているのですが、そう思うくらいでした。なぜ外れだとわかるかと言うと、もう一つの村の曲は実はイシの村でしか流れないからなのです。

音階フレーズ

…さて、脱線したので戻ります。

バイオリンの穏やかなメロディーがオーケストラだと深みと広がりを感じられ、より健やかに眠れそうな曲となっています。最近のドラクエ曲は「ドレミファソラシド」のような音階を上がる下がるだけのメロディーが多く、それが一部から批判対象になっていたりもするのですが、この曲に出てくる「ドレミファソラシド」部分は非常に曲とマッチしており、むしろこの曲の聞きどころにすらなっているように思います。

全体的に好きな曲ですね。と言いつつ、これはスーファミみたいな音源やファミコン風音源でもきっと良さが出るだろうなとも思い、オーケストラ以外のアレンジも聞きたくなったりもする曲です。

ちなみに一番好きなのは、「ラドミラッドッシッドッソー」みたいなフレーズ部分です。音違ったらすみません。

 

「穏やかな村」

Point

  • 微妙な差で表現される夜との違い

こちらは昼バージョン。煌びやかな音色が印象的だった夜とちがい、牧歌的な空気感に編曲されています。

これはこれで好きですが、面白さで言うと夜だなという印象です。思えば、リメイク版で追加された3・4の夜の曲はどれも素晴らしい編曲でした。逆に最初から夜バージョンが用意されている8~10の夜の曲は、単に昼の曲をゆっくりにした感があってあまり印象にないのですが、11の夜の曲は久しぶりに夜系のいい編曲を聞けて嬉しいものです。

弦楽器と木管楽器の穏やかさ、ほのぼのさ、伸びやかさ

本当に伸びやかな曲です。広い草原と丘が目に浮かぶようです。ドラクエ7の「やすらぎの地」もそういうイメージがありますが、それよりも広い印象ですかね。7はもう少し高さを感じます。

ちなみに、7の「やすらぎの地」に感化されまくって中学生の時に作曲した曲を無料BGMとして配布していたりなんかもします。

…さて、話を戻します。ゲーム中でも夜バージョンの方が耳にする場面が早く、回数も多いのですが、オーケストラだと昼が元で夜がアレンジにも聞こえてきます。最初はそうでもなかったのですが、弦楽器がすごく穏やかに優しく奏でるメロディー、木管楽器の素朴な音色を聞く内にだんだん昼バージョンが好きになってきて、それで昼の印象が強くなったのだと思います。

11はほぼすべての曲で金管が活躍するのですが、この曲は木管楽器の音色を楽しむ一曲ですかね。

 

 

▼「勇者の凱旋~山奥の隠れ里~勇者出撃」

アレンジ系メドレーです。

「勇者の凱旋」

Point

  • 軽やかなメロディー
  • この曲が「山奥の隠れ里」でどうアレンジされるかを楽しむ

名前の割にかわいい曲調。どちらかというと、すぎやまこういち氏作曲のドラクエ以外のゲーム音楽の空気感を覚えます。それは別に批判ではなく、伸びやかで軽やかな雰囲気が、重い肩の荷を感じさせないのです。「半熟英雄」や「トルネコの大冒険」なんかを思わせます。特にスーファミでありそうな印象

ゲーム音源でも十分良さはあって好きな曲だったのですが、オーケストラではトランペットの奏でるメロディーがより伸びやかでよいです。元気な行進曲ですね。

後半の和音の掛け合い部分も、オーケストラの方が表情が感じられていいですね。様々な楽器の音色の交わりはゲーム音源だと感じられない部分です。ゲーム音源だとこの和音掛け合い部分は若干ただの連打に聞こえもするので…。

そしてこの曲、曲名が「勇者の凱旋」となっているように、ゲーム中でもまあまあ重要な使われ方をします。この曲がちょっとポップなので、それでゲーム全体の雰囲気がポップに少し寄っているような感じはありますが、やはりそれはそれでいい曲だなという感じで、私は好きな曲です。

 

「山奥の隠れ里」

Point

  • アレンジの妙(特に前半)
  • 際立つシンプルさ

さて、次は村の曲…なのですが、私は正直気付かずにクリアしたのですが、実はこの曲はイシの村専用曲でした。

そして、「勇者の凱旋」のアレンジになっています(これもしばらく気付きませんでした)。だからメドレーになっているんですけどね。

要は、イシの村は勇者をひっそりと育てた村なので、勇者のテーマのアレンジ曲が流れる演出になっているという粋な演出なわけですね。「勇者のテーマ」と「山奥の村の曲」という、結構方向性がちがう2つの曲を編曲でどちらも表現してしまうのは非常に面白いです。

前半は相当雰囲気が違うので、初回で聞いてアレンジだとは気付かない人も多いと思います。

シンプルなメロディー

作曲というのはシンプルな曲ほどつくるのが難しかったりするものですが(複雑な曲は技術でどうにかなる)、この曲は11作目の村の曲とは思えないほどにシンプルなメロディーになっています。まあ、「勇者の凱旋」と同じメロディーなのですが。

思えば、6と7以外はシリーズ通して村はシンプルなのですが、「まだシンプルな村があるか」と思わされます。しかも11はこれとは別にもう一つ一般的な村の曲もある(上で紹介しています)わけで、そちらもシンプルですからね。凄いもんです。

肝心のオーケストラ版がどうかという話ですが、やはりゲーム音源より良いです。ベタ打ちのゲーム音源と比べて当然ながら表情が感じられ、優しさに満ちた曲となっています。後半の和音連打の掛け合い部分もやはりオーケストラの方が音色の組み合わせの妙を感じられてよいです。ほがらかです。

 

「勇者出撃」

Point

  • ポップかつ勇ましいトランペットの二つの顔
  • 弾みのつく三連符

スパロボのBGMみたいな曲名ですが、こちらは「山奥の隠れ里」より明確に「勇者の凱旋」のアレンジです。伴奏系がズッチャッズッチャッから三連符
になり、メロディーもより勢いがついて、全体的にまさに「出撃」にふさわしい曲調です。

三連符の効果

メロディーも三連符のアレンジ部分が多いのですが、「序曲」の低音三連符バージョンを思わせる勇ましい動きです。(こちらはやはり少しポップですが)

ついでに言うと、クロノトリガーのカエル勇者のテーマも思い出しますね。あちらよりも切羽詰まっていない軽やかな曲ですが、楽器の使い方や三連符の効果の狙い方は通じるものがあります。

同じくドラクエでこの曲と同じ三連符の使い方をしているのは、3エンディングの「そして伝説へ」の素早い展開部分、8エンディング「空と海と大地」の激動の展開部分ですね。聞かないとわからないとは思いますが、三連符は力強さや勢いを表現するのにも適しているのでしょう。

トランペットのよさ

そしてやはりトランペットの華やかさ、伸びやかさ、そして勇ましさがオーケストラ版の方が出ます。感情を入れて聴き込むというよりは、楽しく聴いているといつの間に終わっていて、もう一回聴きたくなるような感じの曲ですね。演奏も軽やかです。

トランペットは勇ましさだけではなく、ポップな楽しさも持ち合わせている楽器ですね。

和音連打部分のよさ

この曲はメドレーの中で最もテンポも早く、勢いのあるアレンジです。勇者たちが真の力を発揮するかのようなシーンで流れるので、すごくポジティブな響きになっていますね。

で、メドレー全部に和音連打の応酬的掛け合い部分があるのですが、テンポの速さもあり、その掛け合いで魅せる音色の変化が際立って心地いいです。まえの楽器の和音連打の余韻がある内に次の楽器が和音を打ち鳴らすんですよね。

そんなこんなで、このメドレーは結構好きです。

 

 

「荘厳なる王宮」

Point

  • 広がる空気感

3Dになった影響かはわかりませんが(8で既に3Dなので)10から雰囲気の変わった城の曲。10・11は環境音楽的になったというか、広々とした空気感を感じる構成となっています。そして、11は10の方向性を持ちつつ、磨きがかかった感があります。まさに曲名の通りですかね。

ゲーム音源は金管楽器の音色がどうにも薄っぺらく、この曲もそれで少し微妙に聞こえがちではあるのですが、けっこういい曲です。ドラクエ以外のRPGの曲はこの手のゆったりとした楽想も多そうだなと思いますが、とにもかくにもゲームのお城の場面には非常に合っています。

どっしりとした土台を持ちながら、トランペットらが王宮を祝うように散文的に和音を鳴り響かす。この構図は印象は少し薄くなりますが、ゲームには非常に自然になじみます。

交響組曲となったオーケストラ版では、やはり金管楽器の音が段違いでよいので、響きがちがいますね。良いです。

アレンジ2曲

個人的には夜バージョンも好きだったのでそれがないのが残念でした。「荘厳なる王宮」のアレンジである「騎士道を我が胸に」がメドレーになっていないのはまあ、雰囲気が違いすぎるのでわかりますね。むしろ「騎士道を我が胸に」はウマレースの曲とメドレーがよかったのでは…とは思いますが、それは話が脱線してくるのでやめておきます。

起伏はそこまでない曲なのでBGM的ではありますが、オーケストラだと心地よく響く曲ですね。

 

 

「オーレ! シルビア! 」

Point

  • ゲーム版よりかなりゆっくりなテンポ
  • 色々な楽器が入れ替わり立ち替わり演奏される様子

ゲーム中でも人気な曲ですが、オーケストラ版ではだいぶテンポが落ちるため、少し印象が変わります。指揮を振るのが大変ということもあるのかも知れませんが、トランペットの演奏難易度を下げるためという意味も強いのではないかと思います。

ズッチャッズッチャッという伴奏の低音補強に打楽器が加わっており、軽やかという印象は少し薄れ、シルビアの包容力のある部分が引き出されているような雰囲気となっています。

メロディアスな感じと言うよりは、様々なフレーズが入れ換わり出てきて飽きさせないような構成でもあるので、正直言うとゲーム盤くらいのハイテンポな方が私はその次々と展開していく様が楽しく、好きです。サーカス的という意味でもその方が面白いかなと。

ただ、スピード感は無視して、「色々な楽器が色々と違う特性のフレーズを奏でていく」という部分をじっくり楽しめるのはオーケストラ版ですね。好きな曲なのですが、ゲーム版を聞き馴染んでいると少し間延びして聞こえるので、一回くらいはハイテンポで聴けたら嬉しいなと言う感想です。

 

 

▼「ひるまぬ勇気~レースバトル~果てしなき死闘 」

戦闘曲→ウマレース→ボス戦という不思議なメドレー

「ひるまぬ勇気」

Point

  • 金管の勢い
  • ゲーム版との細かい違い

個人的にはゲーム音源版も好きでしたが、オーケストラ版は特に金管楽器の迫力が増すので、より勢いがついています。ゲーム版とメロディーが変わっている部分もありました(和音も変わってるはず)。

↑変わっているのは、上の動画でいう25秒辺りの部分。

生演奏の良さもありながら、ゲーム版で迫力を感じていた部分の編曲、もしくは演奏のダイナミクスの付け方が変わっていて、逆に物足りなく感じる箇所もいくつかありました。この記事のコメント欄にも書いてあるのですが、ドラムパートは特に活躍が少なくなっています。

ロングver

ゲーム中では戦闘曲はショートver、ロングverとありますが、収録はロングverでされています。

始めてこの曲のロングverを聞いたときは正直蛇足というか、「とりとめなく四度進行や音階の上昇下降をつぎはぎしたようだ」などと思っていたのですが、意外にも聴きなれてくると面白い曲に聞こえてきて、結構好きになってしまいました。まあこれは人それぞれかなとは思います。

オーケストラ版でもその、ロングver部分のすぎやまこういち節は存分に堪能できるでしょう。特に音階の上昇下降系メロディーのところはちょっと優雅で面白いです。

 

「レースバトル」

Point

  • イントロの走る馬を思わせる打楽器のリズム
  • G1ファンファーレのパロディ
  • ちょっとテンポがゆるい

「レースバトルは」馬レースのBGMとして使われている曲ですが、ドラクエを作曲しているすぎやまこういち氏は実は競馬のファンファーレでも有名です。もっとも有名なG1レースのファンファーレはすぎやまこういちが作曲したものです。

テンポ

年齢&体力的にすぎやま先生の指揮が疲れて少しゆっくりになってしまったのでは…と思ってもいるのですが、レースバトルの曲にしてはなかなかテンポがゆるいです。普通の曲として考えれば特別遅いわけではないですが、疾走感がなく、リズムも楽器間でずれているようにも聞こえるので、そこは少し残念でした。

イントロで、走る馬のひづめの音をイメージしたと思われる打楽器の「タッタカ タッタカ」というリズムが打ち鳴らされるのですが、これがいきなりゆっくりさを感じるんですよね。可能であれば、テンポを上げた演奏でまた聞けたらいいな、などと思っています。

セルフオマージュ

さて、テンポの話は終わりにして、この曲には面白い仕掛けが組み込まれています。

どういうことかというと、そのG1ファンファーレのメロディーをパロディして、ドラクエ11の「レースバトル」に組み込んでいるんですよね。その部分が個人的には聞いてみたいので、推しポイントとしました。

ちなみに、ゲーム中ではこの曲の後に「ひるまぬ勇気」を聞く流れなので(最終レースで曲が変わる)、その点からもこのメドレーの順番はちょっと違和感があるかも知れません。

 

「果てしなき死闘」

Point

  • 不協和音のオンパレード
  • 意外と渋い編曲

ネット上では不評な意見を結構見かけたのですが、私はどちらかというと好きな曲。

ただ、ゲーム音源版で感じたこの曲の可能性は、オーケストラ版でもそこまで引き出されていなかったようには思いました。

あの系統の曲?

モンスターズ(テリーのワンダーランド)のミレーユ戦の曲など、そっち系の要素が強い戦闘曲だと私は思っているのですが、もしかするとこの曲はファミコンやゲームボーイ系のピコピコ音色の方が映えるのかも知れません。

メロディーは終始不協和音(恐らく短二度でメロディーをぶつけてる)で、そして曲の展開も結構早くてなかなか刺激的な曲のはずなので、編曲次第でもっと化けるのでは…と思っています(もうオーケストラ版が出てしまったのでその思っていてもどうにもなりませんが)。

というわけで、収録されているオーケストラ版の「果てしなき死闘」も悪くはないのですが、使用楽器にあまり変化が無く、編曲的にもちょっと地味なので「あと一歩」感がありました。ただ、そう思う曲ほど20回くらい聴くとその派手すぎなさゆえに、「聴けば聴くほど味が出る曲」と思ったりもするんですけどね。7はそういう曲が目白押しでしたし。

渋い名曲と思えるかどうかは、もっと時間が経ってからわかることですね。

 

 

▼「暗黒の魔手~破壊を望みし者」

悪のテーマメドレー的なもの。

「暗黒の魔手」

Point

  • キャッチーなフレーズの繰り返し
  • 面白いサウンド
  • 悲鳴のようなトリル

最初聞いたときは、キャッチ―でインパクトはかなりあるものの、正直ダサイ曲だと感じたこの曲。非常に分かりやすい悪者のテーマ。低音でブリブリ唸る金管楽器はまさに悪のイメージで合っているのですが、メインモチーフもそれに対する合いの手もリズム感が古く、「真の悪」というよりは「愛嬌ある悪」のように感じられます。

ゲーム中でもシリアスなシーンほどこの曲は浮いているように感じられたのですが、オーケストラでも私としてはやはりそこまでシリアスには聴こえませんでした。ただ、凄く印象には残っているので、ゲーム音楽としては成功かもしれません。

単純なフレーズを楽器や音高を変えて繰り返していく曲ですが、オーケストレーションもゲーム盤をなぞる感じで、ガラッと雰囲気が変わってはいません。ただ、これがたとえば「カンダタ(愛嬌ある盗賊キャラ)のテーマ」などであれば、「いい曲だ」と思っていたかも知れません。

悲鳴のようなトリル

前半ずっと鳴っている、弦楽器の高音トリルも印象的ですね。悲鳴のようにずっと鳴っていますが、そこまで超高音ではないので、恐怖感もほどほどにしているのかなと感じました。

とらえ方次第?

今のところドラクエの「悪が迫ってくる際のテーマ」としてはそんなに好きな曲ではないですが、もしRPGツクールのギャグBGMとかで収録されていたら、非常に使いまくりたくなる曲です。演奏もゲーム盤の雰囲気に忠実なので、その点はもしかするといいのかも知れません。

 

「破壊を望みし者」

Point

  • 悪のモチーフ風フレーズ
  • 激しさと重厚さと醜さ

変身前ウルノーガとの戦闘や、勇者の星破壊イベントなどで流れます。「生死を賭けて」はこれのアレンジとなっています。

悪のモチーフ?

ドラクエ6の悪のモチーフに似たフレーズが出てきており、なんなら6のラスボス戦闘曲「魔王との対決」の一部とかなり似ている部分もあります。

歴史をたどればドラクエ2の戦闘曲メロディーも悪のモチーフと似通っていますし、悪のイメージに使われやすいのでしょう。そして、悪のモチーフは非常に単純なフレーズなので、他の曲に偶然出てきてもおかしくない…という部分もあります。

ただ、一部分は結構似てるので、ラストダンジョンの曲が7・8のダンジョン曲に似ている部分があるのと併せて、オマージュなのか偶然なのかネタ切れなのかは不明ながら面白い部分でもあります。

ありそうでなかった曲調

で、似てる云々は置いといて…曲調としては今までありそうでない雰囲気。

激しさと魔王のずっしりとした重厚さのバランスが程良い。そして、そこに魔王の醜さを足したような感じもあります。唸る金管がいい味を出しています。ドラクエ4の「邪悪なるもの」はデスピサロの邪悪さと苦しんでいる様子が非常にうまく描かれた曲だと思っているのですが、それに通ずる部分が少しあると思います。

金管の唸りと、バイオリンの素早い上昇フレーズを繰り返す伴奏が印象的な曲です。4度跳躍が印象的なフレーズが多い印象で、それにより未知の生命体感が出ている気もしなくはないです。

 

 

「天空魔城」

Point

  • 7、8のダンジョン曲を思わせるフレーズ
  • 積み重なる不協和音とクレッシェンド

ラストダンジョンの曲。これ系はすぎやまこういち氏は恐らく得意なのでは…と思います。無限に作曲できそう。現代音楽系なのでメロディーがなんでもありとも言えますね。

実際はめちゃくちゃに聞こえそうでギリギリおどろどろしさと美しさを感じるような感じにしたりとか、色々と試行錯誤はあるはずですが。

7のオマージュ?

…で、無限に作曲できそうとか書いておいてなんなのですが、この曲の一部が、ほぼ完全にドラクエ7のダンジョン曲のメロディーと一致しているんですよね。これ、もっとネットで話題になるかと思ったらそうでもありませんでした。

7のダンジョン曲「迫りくる死の影」は十二音技法(無調音楽)という現代音楽の作曲技法を用いています。

十二音技法とは

「ド ド# レ レ# ミ ファ ファ# ソ ソ# ラ ラ# シ」の十二音を各一回ずつだけつかってメロディーを作る技法。さらに、音階の飛ぶ高さや各音の伸ばす長さもすべて変える場合もある。

そうした制約をつけることで、普通の作曲技法でつくられるメロディーとは全然違う、予想できない不規則で、ある種不気味に聞こえる(調性が不明になる)メロディーができるのです。

そして、7のダンジョン曲に一貫するモチーフとして使われているメロディー部分にその技法が用いられているのです。

で、この制約のもとメロディーをつくるというのはなかなか難しいものなので、それが7と11で丸被りしているというのは偶然にしてはできすぎなのでは…と言うのが作曲的な観点からの感想です。もしかすると7の没曲なのか? でもちょっと7とは作風がちがうし…などと頭を勝手に悩ませてしまいました。

特に7と11の関連性はストーリー的にもないので、ネタ切れしたのか、無意識化にあった個のメロディーが出てきてしまったのか…謎ですが、それを置いておくとすればこの曲は私は結構好きです。

聴き所

特に、徐々に音が増えていき、不協和音が積み重なるようにクレッシェンドしていく部分がいいですね。ゲームをしていてもラストダンジョン感MAXでしたが、オーケストラでもそんな不協和音なのに騒々しいだけでは終わらない、何か迫りくるものがあるのがよいです。生の楽器が不協和度を増していく様子は面白いです。

そして、オーケストラ版はその不協和音でそのまま曲が終わります。個人的にはもっと思いっきりクレッシェンドして欲しいくらいなのですが、単に騒々しくならないようなバランスを取っているのでしょう。

8のオマージュも?

ちなみに8のラストダンジョン「終末へ向かう」も好きで、特に途中の唐突なバイオリンソロが好きなのですが、実は「終末へ向かう」を思わせる部分もあるんですよね。それも、7を思わせるフレーズの途中に出てきます。

思えば、6のラスボス戦の曲を思わせるフレーズもなんかの曲にあったしで、ネタ切れなのか無意識なのかオマージュなのかサービスなのかわかりませんが、結構11の音楽にはそういうのがあるのかも知れません。

 

 

「英雄たちの帰郷」

Point

  • 11の名曲2曲がまとめて聴ける
  • 雄大かつ展開が激しめな中間部

エンディング曲。

前半は「愛のこもれび」、途中から「空飛ぶ鯨」の構成。途中、完全オリジナル部分が挟まれます。セーニャがハープを奏でるエンディングムービーとマッチした音楽となっています。セーニャ・勇者たち一行は鯨に乗ってるので、まさにムービーに合ったメドレーですね。

ドラクエのエンディング曲は実は昔すぎやまこういちさんが作曲した別の曲だったり、一部引用してたりすることも多いのですが(5~8が該当)、この曲は11内の既存曲を組み合わせたという少し新しいパターンです。ただ、「空飛ぶ鯨」が気合の入った曲なのにゲーム中で一瞬しか聴けないので、この試みはムービーともマッチしてますし、いいような気がします。

「愛のこもれび」ハープ版

ちなみにハープで演奏される「愛のこもれび」は交響組曲版ではこの曲でしか聴けないので、どうせならもう1ループ聴きたいなとは思ってしまいましたが、それはまた別の話ですね。

ハープの演奏が静かに、そして綺麗に川の水のように流れ(謎の表現ですが)、グリッサンドとともにこれまた流れるように意外にスムーズに「空飛ぶ鯨」部分へと入って行きます。

エンディングでしか聞けない中間部

中間部以外は後に書く「空飛ぶ鯨」と同じ編曲なので感想も同じなのですが、エンディング曲オリジナル部分もオーケストラだと表情が豊かになります。

8のエンディングでもあった、スピーディーに四度進行・転調的なアプローチの応酬的な部分がありますが、そこは8と比べると勢いが物足りないとは感じましたが、鯨のテーマと思うとちょうどいいのかも知れません。全体的に優雅な戯れ的です。

聴きどころ

そこまで激しくないながらも、鯨の雄大さを保ちながら曲調が色々と展開していくのは面白いと思います。しかし、やはり一番の聴きどころはトゥッティ的に壮大雄大に和音で奏されるサビ部分。

勇者たちを祝うファンファーレとも捉えられる華やかさを持ちつつ、勇者の運命と宿命を感じる重みもあるいい響きです。祝福するかのようにバイオリンのトリルが高音で鳴り響くのもいいのです。

CD1枚目はこの曲で締められるので、1枚目単体でも組曲として成り立つような構成になっているのも面白いですね。

 

 

 

以降は、CD2枚目の収録曲目となります。

 

 

▼「未知なる洞窟~神秘へのいざない」

ダンジョン系2曲のメドレーです。

「未知なる洞窟」

Point

  • 中間部の不思議な陽気さ

ちょっと不思議な曲です。洞窟っぽくもありますが、イントロの軽いインパクトと不穏さは他シリーズだったら塔の曲にもなり得る気がします。最初の高く登っていく洞窟でもこの曲が流れますし、高いイメージにも合う曲だと思います。

3Dになって以来、塔がだいぶ減ったドラクエですが、ドラクエの塔の曲は名曲ぞろいかつアーティスティックなものが多いので塔っぽい曲には期待してしまいます。まあこの曲はタイトルを見ると明らかに洞窟の曲なんですが。

そして、何が不思議かというと、途中謎に楽しそうともとれる部分があるんですよね。リズムもちょっとおどけていて、和音進行的にも少し愉快。これはドラクエ5の「暗黒の世界」以来の謎さです。あの曲も魔界なのになんか変に楽しそうで、愉快な魔物たちの楽園orお祭り的な雰囲気がありますが、「未知なる洞窟」もその片鱗を感じます。

ゲームだと結構謎なんですが、オーケストラでは微妙な演奏ニュアンスの問題だと思いますが、謎さが違和感というよりは面白さに昇華されていて、どことなくいい感じでした。ちょっと伝わりにくいですが、聞いてみると面白いと思います。

「神秘へのいざない」

Point

  • 飛び飛びな和音の応酬

RPGツクールでも出てきそうな、ゲーム的なイントロ&伴奏で始まる曲。恐らくどちらかというとこちらが塔の曲扱いのはず。敵が現れる唯一の塔である図書館で流れます。

曲後半の飛び飛びな和音の応酬が面白い。狂った建造物を連想させるような、堅牢な響きと不思議な和音のつなぎ方が塔を思わせます。

これを聞くと、龍の学者みたいなモンスターの妙に目立つ鳴き声が頭に響くのが問題点。

 

 

「空飛ぶ鯨」

Point

  • 雄大な金管楽器の演奏(特に2回目の最初のメロディー部分)

ネタバレにはなりますが、この曲はゲームがある程度進むと聞けなくなってしまいます(違う曲になる)。ですが、この曲も雄大で、そして重みと華やかさを感じるいい曲です。

これもまたオーケストラ演奏で曲の良さが際立ちます。転調して最初のメロディーを再び金管楽器で華やかかつ壮大・雄大に奏でるところがこの曲の最たる聴き所です。オーケストラの響きの深さを感じられます。

空を揺蕩う(たゆたう)ような雄大さ

「おおぞらをとぶ」とはまた違う、たゆたうような雄大さが東京都交響楽団の演奏により、より引き出されています。ゲーム中では流れる時間が少ないですが、11の音楽を語る上では外せない曲ですね。終わり方がちょっと唐突なのは残念ですが、まあこの曲はエンディングにも組み込まれているのでいいでしょう。

…まあ、これ以上はキリがないのでこんなところで。

発売後にまた追加したくなったらすると思いますが、CDを買ったらぜひ聴き所に注目してみてください。注耳。

 

 

「騎士道を我が胸に」

Point

  • 城の曲のアレンジ
  • ポジティブなトランペットの響き
  • 元々はグレイグのテーマ?

私が結構好きな「勇者の凱旋」と同様に結構ポップな曲。城の曲(「荘厳なる応急」)のアレンジです。

「勇者の凱旋」もドラクエに求めるクラシカルさはさほどないですが、「騎士道を我が胸に」は更にポップかも知れません。とにかくポジティブな曲です。出だしからトランペットのテンポの速いファンファーレで、この曲が流れると場が一気に明るい雰囲気へと変わります。

ちなみに、ドラクエの城の曲は基本的にすべてクラシカルだったのですが、11の城はそこまでクラシカルでもないです(11の曲の中では比較的クラシカルではありますが)。

グレイグのテーマから騎士道のテーマへ

岡本北斗氏のツイッター情報によると、元々はこの曲はグレイグのテーマだったとのことですが、途中で騎士道のテーマと拡大解釈することにしたとのこと。(ちなみに、「愛のこもれび」も大樹のテーマから愛のテーマへと拡大解釈されています。)

ただ、個人的には「サマディーのダメ王子の曲」という印象が大きいですね。曲がポップなことも合って、騎士道といってもどこかポップさを感じるので、憎めないサマディーやシルビアの騎士道と言う感じがします。

そんなわけで、この曲は本当のポップスとはまた全然違いますが、結構ポップで暗い側面が一切ない明るい曲になっています。城のアレンジだとなかなか気付かなかったくらいです。オーケストラ版は、ゲーム版よりも更に、トランペットの楽しい華やかさが全面に出ています

城のアレンジではありながら、途中からは完全オリジナル部分が登場します。音階の上昇下降が多いですが、この部分はなかなか長いです。なんとなく意図が読めない感じがあって、そのオリジナル部分は特別好きなわけではないのですが、何回も聞いていたら感想は変わるかも知れません。

なんにせよ、城の兵隊が行進曲を奏でているようで、元気でポジティブな曲なのです。

 

 

「愛のこもれび」

Point

  • 優しく愛に満ちたメロディーが奏でられるソロ

ドラクエ11のテーマ曲とも言える、セーニャ関連のイベント時に流れる曲です。命の大樹で流れるのもこの曲です。

美しいバイオリンソロ

「愛のこもれび」はゲーム音源でも素晴らしかったですが、オーケストラではバイオリンソロがより際立って美しくなっています。

サビもよいのですが、個人的にはAメロにあたる部分が特に好きです。優しさと愛にあふれたメロディーといった感じで、心に沁みます。すぎやまこういちの曲は基本的に”歌”的な情緒がありますが、これはまさにその良さが前面に出た曲だと思います。

元は大樹専用の曲だったようですが、あまりにもいい曲なので解釈を広げて「愛のテーマ」とした言う話も。そうであれば、それは正解な気がします。大樹だけで流れても印象的だったとは思いますが、それだけではもったいない、心に染み入るタイプの名曲ですね。

複雑な作曲技術なんかなくても人は心を動かされる、そういうことかなと思わされます。

 

 

▼「魔法使いロウ~時の祭壇~神話の里」

魔法系メドレーとでも言いましょうか。ほこら的なポジションですかね。

「魔法使いロウ」

Point

  • 半音階で上がり続けるだけのメロディー
  • のびやかな管楽器

この曲はほかに作らなくちゃいけない曲がある中…かはわかりませんが、注文されていないのにつくっちゃった曲…らしい。ロウの曲としてのほか、冒険の書の続きをやるときのあらすじ画面でも流れます。

9~10辺りから音階を上昇下降するだけのメロディーが増えていてネタ切れと言われることもあるすぎやまこういち先生なのですが、この曲は執拗なほど音階をただ半音ずつ昇り続けるのが逆にプラスになっているように思います。

自主的に作った曲がネタ切れだったらよくわからないので、ネタ切れとかではなく意識的に執拗に使っているためだとは思いますが、ここまで音階を上るだけ、しかも各音を4回ずつスタッカートで鳴らして昇るだけでリズムの変化もないのに聞けるのは面白いです。そして、それを堂々とできるのはすごいことです。

音階上昇に関するおまけ話

以前、すぎやまこういち先生ではない人が指揮をふるドラクエオーケストラに行った時も、「血路を開け」の和音連打しながら音階を上っていく部分を指して「このメロディーはすぎやまこういち先生にしかできない」的なことを言っていました。

褒めてるのか際どい線にとらえられる内容ですが、普通はもっとこまごまとした技やらを使ってしまうところ、シンプルに音階を上るだけのメロディーを堂々とやるのはすごい…というような話でした。

まあたしかにそうかも知れません。料理でも自信がなければ味付けを色々しまくりそうですもんね。

話は戻り…

「血路を開け」はリズムが結構変わっていくので私としてはそんなに堂々たるメロディーとは思わないのですが、「魔法使いロウ」は確かに堂々たるメロディーです。まあ、ほかの部分は比較的メロディアスなんですが、やはり堂々たる部分がこの曲の最も気になるところです。

メロディー・リズムが単純なのに聞けるということは、恐らくハーモニー(和音)がよいのでしょうね。音色やらなんやら色々な要素が絡み合ってはいますが、和音までずっと同じ調子だったらさすがにやばいので、和音は繊細かつ少しおかしく変わっていきます。そこがこの曲の妙でしょう。

その他の部分

出だし当たりの、クラリネットの少し間延びしたような、おじいさん特有のゆっくりとした時間を表すような響き、そして後半のホルンの伸びやかな響き。これらがやはりいいですね。

ドラクエ以外でのすぎやまこういち氏の曲は肩の力を少し抜いたような自由さをどことなく感じる曲も多いのですが、ドラクエらしくありながら、自由さを感じるよい曲だと思います。

「時の祭壇」

Point

  • 一定の打楽器と単音のメロディーというシンプルな構造
  • 8の「神秘なる塔」ではない

イントロの「カッコッ」という音だけ聞いて、「あ、これはドラクエ8の「神秘なる塔」の流用だな」とドヤ顔をした人も多そうなこの曲。出だし以外は全然ちがうので、「あれ」となった人も度や顔をした人と同数いることでしょう。

単音のメロディー

この曲は、”過ぎ去りし時の祭壇”という場所でしか流れない専用曲。流れる箇所が少ないから少し楽をしてみた…ということではないと思いますが、単音のメロディーとカッコッカッコッと時計を刻むように繰り返され続けるパーカッションのみで構成される曲となっています。

「魔法使いロウ」も一部大胆でしたが、この曲も大胆と言えます。実際、ゴージャスな装飾をしまくるよりも、このシンプルな曲は場面にマッチしているように思います。静けさ、神秘さ、そしてまさに正確に時を刻む、ある種冷徹でもある時計を思わせる曲調。

渋い音色

メロディーがこれまたなかなかにけだるさ、哀愁、淡々とした感じが絶妙に入り混ざった、良い音色なのです。私もこの楽器をメインに推し出した曲を作曲した事があって、音楽素材として配布したりもしていますが、なかなかいいのです。

さて、脱線しましたが、メロディーもライトモチーフを繰り返す部分が多かったりと、そこまで複雑なわけではありません。派手で目立つゲーム音楽が人気の出てそうなこの時代にこの渋い曲は個人的にはいいな、と思いますね。

「神話の里」

Point

  • 街のアレンジ
  • どこかスーファミを思わせる雰囲気

全編通して弦楽器のみでゆったりとしたテンポの、シンプルな曲。全体的に音は高めで、神聖な雰囲気です。特にイントロが聖なる雰囲気と平和な雰囲気がうまく感じられて、好き。

ゲーム版だと音色がストリングス(弦楽器)のみなせいと、シンプルなメロディーでどこかスーファミのRPGの曲を思い出します。個人的な感想ですが。

街の曲のアレンジ

前半は恐らくオリジナルなのですが、後半からは完全に街の曲「にぎわいの街並」のアレンジになります。神秘的な街で流れる曲ということで、一応街の曲だからでしょうね。

賑やかなあの曲が弦楽器のみでゆったりめなアレンジになるのは面白いです。ただ、アレンジとしては特殊なことはしていないので、少し物足りなさはありました。やはりすぎやまこういちのアレンジというと、6のフィールドを海底の曲にする際にシャボン風の音を取り入れたり、昼と夜で全然違う雰囲気の曲にしたりという面白さを期待してしまうので…。

ただ、ゲームには凄く合っているので、これくらいがいいのかも知れません。

 

▼「窮地を駆ける~希望はいずこへ~黄昏の荒野」

「窮地を駆ける」

Point

  • ピンチ感と少しのギャグ感

ドラクエ8の「急げ!ピンチだ」と雰囲気の似た曲。「急げ!ピンチだ」はオーケストラ版でかなり独特な超ドラムソロが入りますが、この曲はそういう特殊なアレンジはありません。

音階を下降するメロディーがメインですが、それによってか、緊迫感以外に脱力感も少し感じます。金管の勢いを感じられますが、少し間が抜けた感じもあります。ギャグシーンにも正直合う気がします。ピンチ感はありますが、シリアスさは少し薄めな印象。

あまり好きな方の曲ではないですが、ゲーム版よりも迫力のある一曲です。

「希望はいずこへ」

Point

  • 「広野を行く」を思わせる出だし
  • 静かな絶望感

最初のメロディーが「アレフガルドか!?」と思わせるメロディーで驚きました。…が、途中から全然違う展開になるので、結果的には偶然かなという感想です。

アレフガルドのテーマアレンジ?

ストーリー的に結構重要な起点となる最後の砦で流れる上に、11はロトと関係があるのでもしかして…と思いましたが、特にアレフガルドとは関係ありませんでした。

ドラクエwiki的なこのページでは「アレフガルドのテーマの編曲で勇者の敗北・絶望を表す」的なことが書かれているが、そう断言するには少し弱いような気がします。ただ、「勇者の挑戦」もそれくらい際どいラインでアレフガルドのテーマメロディーが使われていたので、これもアレンジである可能性はあると思います。

漂う絶望感

弦楽器主体の静かに絶望を感じる曲調。6の「哀しみのとき」、7の「哀しみの日々」のような悲しい日々を表す曲はたいてい心に沁みていい曲が多い。この曲はそれらと比べるとメロディアスではないが、ゲームで流れると結構印象的。

「黄昏の荒野」

Point

  • より強い絶望感、哀しみ
  • 切なさを感じるクラリネット
  • 「山奥の隠れ里」のアレンジ?

「山奥の隠れ里」のアレンジ?

こちらの曲の出だしは、アレフガルドではなく、2のフィールド曲「遥かなる旅路」を思わせますが、これはただ偶然かぶっただけでしょう。悲しい曲調でよく思いつく音形なのかな、とも思いましたが、そもそもこの曲は若干「山奥の隠れ里」のアレンジになっていると思います。

出だしの「遥かなる旅路」を思わせるメロディーがまず、「山奥の隠れ里」を短調にしたメロディーだと思います。対旋律の音形も近いですし、徐々に駆け上がっていくような部分(5分57秒辺り)も「山奥の隠れ里」と少し似ています。

「山奥の隠れ里」はそもそも「勇者の凱旋」のアレンジだと思われるので、アレンジの幅が広くて面白いですね。「勇者出撃」も「勇者の凱旋」のアレンジですしね。

クラリネットの音色

クラリネットの悲哀漂うメロディーがいいです。この曲、結構好きです。イシの村が破壊された場面で流れたときは、元の元気さ、朗らかさと対比して哀しみが浮き彫りになりました。

クラリネットはドラクエでも朗らか・温かみを感じる音色として使われることが比較的多いので、少し新鮮です。「天空城」なんかは神聖さはありますが温かみを感じます。

こちらも静かながら、「希望はいずこへ」を上回る哀しみ・絶望感がいいです。

 

 

「暗闇の回廊」

Point

  • 音と音の繊細なぶつかりによる表現

この曲は静かに浸透していくように始まる曲で好きです。

RPGで登場しがちな地下水路で流れる曲なんですが、まさに地下水路にピッタリな曲。ほかでも使われますけどね。

静かに始まり、静かに終わるが、ラストダンジョンにも合いそうな風格ある曲でもあるります。強いて言うならリメイク版3の「ゾーマの城」とも通ずるものがありますが、あちらは弦楽だけで奏でるのが逆に狂気的でいいです。「暗闇の回廊」はもう少し色がありますね。

美しさと不気味さ

出だしはスクウェア系のRPGにも合いそうな雰囲気もある…が、すぐにすぎやま節ともいうべき現代音楽的な要素が現れてくる。不協和音の中に美しさと不気味さが共存しているのが妙。

音と音の繊細なぶつかりで生まれる響き・表情をコントロールしているのが凄い。多分すぎやまこういち氏はラストダンジョン系が得意。恐らくこれ系はネタ切れとかなく無限に作れるんじゃないかと思ってます。

 

 

「生死を賭けて」

Point

  • イントロのティンパニの応酬
  • 唸る警報のような金管のフレーズ
  • 「破壊を望みし者」のアレンジ

ドラクエ5の「大魔王」オーケストラ版を髣髴とさせるティンパニの応酬で始まります。巨大さ、不気味さ、おどろおどろしさが現れた曲です。

「破壊を望みし者」のアレンジ

「破壊を望みし者」の項目にも書いた通り、こちらにも6の「魔王との対決」を思わせる部分もありますが、多分偶然かなと思います。まったく伝わらないと思うのですが、「トゥトゥーン」みたいな金管のフレーズがそこかしこに現れ、それが危険な生物の唸りのような、警報のような響きで好きです。

かっこいいのかは何とも言えませんが、意外と私は渋さが結構好きなのですが、オーケストラ版がただ2回繰り返して最後いきなり不協和音伸ばして終わるだけなので、盛り上がりに欠ける印象はあります。

 

過ぎ去りし時を求めて

Point

  • 一瞬あの曲を思い出すイントロ
  • ロトシリーズ、ドラクエを振り返る名曲メドレー

完全ネタバレ的な真エンディング曲。

ファンサービス要素が強い曲ですが、それでもやはり11のテーマを考えるとしっかりコンセプトにもあっているので無意味なファンサービス的な曲ではないと思います。

出だしは3のエンディング曲「そして伝説へ」で始まるのですが、メインメロディーに移る際にすっとアレフガルドの曲である「広野を行く」に変化します。どちらもロトシリーズに密接な曲ですね。

で、その後も1~3のエンディング曲やフィールド曲などの重要な曲のメドレーとなり、曲は終わります。まさにロトシリーズを振り返る曲ですね。

ドラクエの完結も思わせるこの曲は、単なるメドレーといえばそれまでですが、まさにドラクエの歴史を否が応でも振り返させる構成です。「そして伝説へ」から「広野を行く」へのつなげ方が粋で、そこが驚きになっているのがこの曲のミソです。

「音楽は心のタイムマシーン」というすぎやまこういち氏の言葉を体現した曲と言えましょう。

 

 

まとめ

ドラクエのオーケストラCDの発売は毎度楽しみなのですが、やはり今回も楽しみです。

11は比較的ポップめな曲調が多かったですが、オーケストラでどう変化するのか、そしてどう感動させてくれるのかと期待が膨らみます。

 

歴代ドラクエ曲をまとめたコンプリートボックス

ちなみに、歴代ドラクエシリーズのオーケストラをまとめたコンプリートボックスなるものもあるので、11のCDを買うまでそれで我慢するという手もあります。

1~9までの曲が、ダンジョン・城など場面別にまとめられたCDです。場面ごとに連続して聞くのは作曲技法の研究にはすごくいいです笑。普通に鑑賞するのでも「同じ洞窟でもこんなにいろいろ表現あるんだな」なんて発見もあったりと、やはり面白いです。

↓実際に場面ごとのドラクエ音楽の作曲技法を分析してみた記事

各楽団の違い

かくいう私は、ロンドンフィル・ハーモニーのコンプリートボックスを所有しています。もう相当昔ですが、当時はオーケストラ自体そんなに聴きなじみがあるものではなかったので、終始感動しっぱなしでした。そして無限に聞いてました。

個人的には、ロンドンフィル・ハーモニーのCDは演奏がそろっていないときはあるものの(指揮との兼ね合いもあるでしょうが)、ソロのうまさ、金管楽器の華やかさにおいてはやはり目を見張るものがあるので、上に貼ったCDもおすすめですね。

NHK交響楽団の演奏ももちろんいいですが、なんせ古すぎて音質がちょっと悪いですね…。とはいえ、NHK交響楽団のドラクエ演奏はゲーム音楽のよさを忠実に再現している節があるため、結構根強いファンがいます。いろいろと興味が沸いてきたら聴き比べるのも面白いと思います。

私は一時期、序曲ですらイントロが一瞬なっただけでどこの演奏のなんのシリーズの序曲か当てられるレベルでした笑。

 

とにもかくにも、ドラクエ11もきっと私は相当聴きこむことになると思います。90近い年齢にして新たに交響組曲を作り続けるその姿勢にも尊敬です。氏のドラクエ以外の曲もだいぶ聞いていますが、ドラクエ以外だとイデオンがおすすめです。

関連ドラクエ・イデオン…すぎやまこういちの音楽に迫れ!解説&分析サイトまとめ

ただ、ドラクエの曲には圧倒的な王道を感じさせられて、そこが「普遍的なよさ」とはなにかを思わされてよい部分なんですよね。11のCDでもそれをたっぷり味わおうと思います。

 

ドラクエ11S 完全版が発売されるので、そちらのレビュー記事も書いています。

関連【ドラクエ11S 完全版 レビュー】サクサクプレイ&BGMも最高で、屈指のドラクエファンも自信を持っておすすめ!