グルメ・食 三文 享楽 雑学

荒れた胃腸に七草粥!春の七草の効能とは?[夏・秋の七草特集付き]【三文】

2016年12月20日

飲み会が重なり、アルコールハラスメントも激増すると言われる12月の忘年会シーズン。

 

暴飲暴食をきわめ、酷使された我々の胃腸や肝臓、そして腎臓は1年の労いをされることもなく、年始早々には新年会の名のもとに、更なる鯨飲馬食で痛めつけられます。

 

どうも、人類の内臓を心配し続けると、心配で飯が喉を通らないどころか通りっぱなしで困っている三文享楽です。

 

どうして、我々はこれほどまでに内臓を酷使して、荒廃させてまで油物を食べて、酒を飲むのでしょうか。

なぜ、これほどまでにトンカツを食べ続け、カレーを飲み、ラーメンでしめるのでしょうか。

 

ああ、こわいです。

…こわいこわい。

 

そういう時には、タイトルにございます例の食事を摂るしかないのです。はい、七草粥ですね。正月食べ過ぎた! という人にもおすすめですな。

 


七草粥ってなに?

せりなずな、ごぎょうはこべらほとけのざ、すずなすずしろ、これぞ春の七草。

 

これって何の呪文なんですかね。

 

これらがまさに春の七草と言われる、

1月7日に食べる七草粥の内容です。

 

子供時代に、これを唱えて記憶に定着してる人はいかほどいらっしゃるでしょうか。 少なくとも、私の頭にはしっかり染み込んでいます。ほぼ何の考えもなしに唱えられるのだから、記憶に定着という表現は少なからず間違いないでしょう。

さてさて、覚えてしまえば簡単な七草粥ですが、ただの丸暗記では面白くもありません。

 

「すずな」がかぶ、「すずしろ」が大根であることも知らずに、七草粥は得体の知れない野草を七種類食べるだけだからメンドクサイ、とならないようにしますか。

 

そもそも、なぜ七草のお粥を食べる?

なぜなのでしょう。それは…

やはり、内臓休ませたいからですな

冒頭の導入文にもありましたが、まずは年末年始の内臓を休ませるという意味があります。

 

そうでもしなければ、我々の胃腸は休息の間もなく、そのうち胃腸炎にでもなってしまうでしょう。

直接的に炎症せずとも、吹き出物が出たり、顔色がおかしくなったりと、内臓から見た目に悪影響が出るのも必至です。 休ませてあげてください。

無病息災願いたいですな

一年の始まりに食べるわけですよ。そりゃもう無病息災を祈っているわけですよね。

 

なぜ七草粥で無病息災なのか。

早春、年が明ければできる七種の彼らです。

冬と言えば大根で、スーパーにも八百屋にも大根があふれますよね。私の家の周りにあります畑にも所狭しと並びます。

つまりは、早春にいち早く芽吹くことから邪気を払うと言われているわけです。

 

二日酔いの特効薬ご紹介しております↓

 

春の七草、その意味を個別に知りたい

知りましょう。

セリ

湿地やあぜ道など、水辺の浅瀬のような水分の多い場所に生息する植物です。

と言われても、日常で生活していてセリを意識することってほとんどないですよね。私も七草粥以外でこの名前を聞く機会はほとんどありません。

 

存在感はないかもしれませんが、七草粥の一つに選ばれるだけあって、その栄養成分は豊富です。

鉄分やカルシウムなどの栄養素を含んでいるため、肝臓の機能を整えたり、増血し血中の老廃物やコレステロールを排出して浄化してくれます。

また、体温を上げて発汗作用を促す効用もあり、とにかく体内の不要物を体外へ放出してくれる手助けとなります。

 

しかし、こいつなかなか危険でもあります。

こいつというよりは、こいつに似たドクゼリというのが有毒な野草であるため、気を付ける必要があるのです。

セリならばその辺に生えているから買いに行く必要もない、テキトーに抜いて食っちまおうということはせずに、できればお店でしっかりと売られているものを買う方が安全なようです。

 

ナズナ

いわゆるペンペングサですわな。

小学生の時に道傍のこいつを意識することは多かったです。

まず、こいつの名前の由来というのも、茎からにょろりと生えている果実というか種子の部分を柄を持って下にひき、全体的にぶらさがった状態でくるくるまわすと、でんでん太鼓の要領でペンペンと音を出すからペンペングサと言われるわけですな。

 

小学生の頃は帰り道、石けりや缶蹴りの相手がいないで一人で帰る時には、しょっちゅうひんむいて遊んでました。上手くちょうどいいくらいに向けてペンペンできると気分が良かったものです。

 

ちなみに、ナズナの名前の由来としては、夏になると枯れることから夏無(なつな)とあてられたという説がありますが、他にも諸説あるようなんですね。

 

重要なのはその効能。薬草としては、効用が非常に多く、解熱や止血に効き、利尿作用を整えることができます。便秘や腹痛の両方に効くのもうれしいところですよね。要は胃腸に総合的に効く整腸剤のようなものみたいです。

 

ごぎょう

別名は母御草ことハハコグサ。

道端から水田まで日本全国に見られます。どこにでもある野草ということですな。

 

こちらの印象としては、咳止めに効く草であります。

おせち料理に腸が疲れて、胃がむかつき、挙句の果てに咳まで出てきたらこれしかありません。

 

↑ちなみに、おせち料理についてはこちらの記事。

↑おせち料理と重箱の関係についてはこちらの記事。

はこべら

今でいうところのコハコベという草。といっても、そういわれてもたいした印象のない草であります。

まあ、おひたしにして食べることもあるのでしょうかというところ。

 

草にしてはタンパク質が比較的多く含まれているのが面白いです。

植物性のタンパク質というと、大豆くらいしか思い浮かばないものですが、しっかり七草粥にはこういうのが含まれているところがスゴいですよね。

 

あと、昔は重宝されていたようです。気管支炎や関節炎に効くだとか。整腸作用があるだとか。更には母乳の分泌が促進されるだとか。などなど。

 

ほとけのざ

こちらはシソ科の植物の一種で、道端でなんとなく見たことあるような植物だと思います。

道端や田畑にあるような草であって、野草であります。

 

またの名をコオニタビラコといい、漢字で書くと小鬼田平子といい、一方ではホトケといわれ、一方では小鬼などと言って、制反対からの名前が面白いものです。

 

ちなみにこちら。北海道以外では日本全国どこにもできるようであります。

効能としては、胃を健康にしたり、食欲増進に作用したりと、そんなものです。

 

↑食欲が増進したなら、この居酒屋しかない!

 

すずな

ええ、とても簡単に言えばかぶです。

株ではない、かぶです。蕪です。

春の七草中、現在でもだいぶメジャーな存在だと思います。

 

味噌汁に千枚漬けのような漬物に、色々な味にマッチする野菜であります。色々な種類の味付けで食べてもそれぞれの味で楽しめような野菜です。

美味しいですよね、寒い時期ほど甘みが増してくる白い部分はもちろんのこと、葉っぱの部分まで味付けして食べておいしいです。ちなみに、葉っぱの部分には、食物繊維やビタミン、カロテンなどが含まれています。

 

古典にもはるか昔から登場し、日本で食べられてきた野菜としては、

歴史の古い大事な野菜になるわけです。

 

外国の料理に詳しくなる前に最低限の日本食文化をどうぞ↓

 

効能としても、たくさんありますよ。

まずは、ジアスターゼという消化促進の物質があります。胃腸にたまった大量の食物たちを早く消化してくれるように助けてくれます。

 

他に解毒作用があります。刺身などの付け合わせとして大根がメジャーですが、かぶもまたよく合うでしょうな。

 

そして、こちらも、咳止めの作用もあるのだから万能です。

風邪の時にかぶを食べれば、甘みを味わえるだけでなく咳止めにも効くというわけです。

 

すずしろ

ええ、とても簡単に言えば大根です。

春の七草で、最もメジャーといえるでしょう。大根を知らずに大人になるのは難しいとも言えるくらいに、国民的な野菜でしょうね。

 

効能ですが、こちらもまた、ジアスターゼという消化促進の物質があります。

大根おろしなんていかにも消化のためですよね。もっとも味も漬けダレとしても使いやすいものですが、大根というとなによりも消化を助けてくれるというイメージです。解毒作用もあり、血栓防止作用もあります。薬味や刺身のつまには、もってこいというわけです。
更には、咳止めや痰を排除する効果もあり、これまた風邪にはもってこいの野菜であります。

葉っぱはビタミンAを多く含んでいて、免疫力アップや老化予防につながります。

 

まあ、とにかく健康に良い野菜です。調理方法も煮るなり焼くなり、いやいやナマなり、おろすなり、思いつく限りのあらゆる調理方法をだしても、ネタのつきない大根のスゴさを思い知れます。

調理のバリュエーション最強!

 

大根記事の金字塔といえばこちら↓

みじんも役に立たない傑作です。

 

↓ということで、春の七草でした。

↓見るだけなら一年中。

 

他にはどんな七草があるのか

まだあるのです。

秋の七草

春の七草というからには、当然に他にも七草があるわけです。

 

春の対照は秋!

ええ、秋の七草があるわけです。

 

秋の七草はこちらです。

  • オミナエシ
  • 尾花(今でいうところのススキ)
  • ききょう
  • なでしこ
  • ふじばかま
  • くず
  • はぎ

 

なぜ、この七種が秋の七草に選出されたのでしょうか。

 

こちらは山上憶良が読んだ以下の2首の歌が由来とされています。

 

秋の野に 吹きたる花を 指折り(およびおり) かき数ふれば 七草(ななくさ)の花

はぎの花 尾花 くず花 なでしこの花 おみなへし またふじばばかま 朝貌の花

 

朝貌が何を指すかについては諸説あるようですが、ききょうの説が有力で、秋の七草となりました。

 

秋の七草 覚え方

さてさて、こちらは春の七草と違って、そこまでメジャーではありません。

ただの名前の羅列では覚えにくいため、語呂あわせで覚えるのが楽です。

 

下劣で卑猥な夏の暑さもやわらぎ、涼しくなってきた秋を思い浮かべてください。

↑いかに私が夏が嫌いで冬が好きか、ということを冒頭にぶつけた記事。

 

涼しさを皆が楽しみながら思い思いの服を着る。

それぞれのおしゃれを楽しみ、色んな服を着てみたくなる。

 

そこで聞いてみてください。

 

お好きな服は?

 

ええ、これです。

【お】おみなえし

【す】すすき

【き】ききょう

【な】なでしこ

【ふ】ふじばかま

【く】くず

【は】はぎ

で、お好きな服は?となります。

 

いやあ、ぴったりの語呂ですね。

それぞれ単独では聞いたことのあるような植物の名前だと思いますので、頭文字を語呂で覚えれば容易に思い出せることでしょう。

 

ちなみに、春の七草との決定的な違いは、

秋の七草は鑑賞して楽しむものということです。

春の七草みたいにお粥に入れて食べるものではないというわけですね。

 

 

夏の七草もあった

私としては、春の七草と秋の七草しか知りませんでした。

しかし、今回この記事を書くにあたって、夏の七草というものが存在していることを知ったので、まとめさせていただきます。

  • あかざ
  • いのこづち
  • ひゆ
  • すべりひゆ
  • しろつめくさ
  • ひめじょおん
  • つゆくさ

 

これらが夏の七草として選出されているようです。これは食べるそうです。

しろつめくさとか、ひめじょおんはその辺でよく見る草なので、食べられるのかよと驚きですね。

 

ちなみに、こちらは

1945年6月20日、日本学術振興会学術部・野生植物活用研究小委員会が、戦時中の食糧難の時節にも食べられる植物として、以上の7種類を「夏の七草」に選定しているようです。

Wikipedia「七草」さんで言ってました。

 

道端でよく見ていた草が食べられたなんて聞いたら驚きですよね。

ちなみに、私は食べたいとは思いませんが、

道端にとんかつや唐揚げが生えていたら食べている

かもしれませんな。

 

↑とんかつを知らない人は人生を損していると思います。

とんかつは非常に美味しい食べ物です。

まずはチェーン店からでも行くべきだと思います。

 

色んな七草を経て、三文ぼやき

ああ、

ラーメン食いてえ。

 

野菜も好きなはずなんですけどね、こういう体にいいことばっか話していると、

油ぎったギトギトのラーメンが

食べたくなってきます。

 

↓家系ラーメンの総本山はこちら。油関係の呪文つき。

 

↓都内であっさり系を行きたい場合はこちら。

 

といっても、体は大事。

正月に疲れた胃腸をいたわるには、

やはり七草粥ですな。


 

↓海藻にも七草がありました!

↓草の代表格はこちらですかな。三文のお気に入り小説です。